“「つまみ食い」で利用される地震学”など 地震と原発事故情報 その108
- 2011年 7月 2日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
5つの情報をお知らせします(7月2日)
★1.「つまみ食い」で利用される地震学
島村英紀
★2.7/8「止めよう玄海再稼働 九電前アクション!
~もう玄海原発は廃炉に!~」やります!
★3.「えっ?足りてたの?」Tシャツの販売
★4.7/7七夕東電前アクションのお誘い
★5.槌田劭著『脱原発・共生への道』新装本の紹介
★1.「つまみ食い」で利用される地震学
地球物理学者 武蔵野学院大学特任教授 島村英紀
先日、菅首相が浜岡原発を停止する決定を発表した。その決定の根拠は、政府の地震調査委員会が発表している将来の地震確率が30年以内に87%と高いことだ
という。そして、他の原発は止めないし建設中のものの工事も続けることが政府から引き続いて発表された。
地震学者である私から見ると、これは決定の責任を地震学に負わせた責任逃れにしか見えない。私がかねてから主張しているように、地震学は「地震予知」にも「将来の地震確率」にも「活断層調査」にも解決には遠い問題があるレベルでしかないのである。
今回の東北地方太平洋沖地震で、またも地震予知のむつかしさが明らかになった。もっとも地震予知がしやすいはずの海溝型地震で、しかもあんな巨大地震でも、どんな前兆も観測できなかったのである。
今回の東北地方太平洋沖地震のように巨大だった「宝永地震(1707年)」型の連動巨大地震が起きる可能性も増えてきている。
じつは阪神淡路大震災(1995年)以来、地震予知が不可能なことをさとりはじめた政府は、それまでの「地震予知」の看板を「地震調査研究」に掛け替えていた。そして「将来の地震確率」と「活断層調査」を活動の目玉にすえたのだった。
しかし「将来の地震確率」はあちこちで裏切られている。東北地方太平洋沖地震でも、こんな巨大地震が起きることを予測できず、その震源を小さなナワ張り6つに区切って、6つの別々の地震発生確率が発表されていた。これによれば10年以内に大地震が起きる確率は6つのうち「宮城県沖地震(マグニチュード7クラス)の再来」と「三陸沖で起きるマグニチュード7クラスの小さめの地震」の2カ所が60から70%とされていたほかは軒並み低く、たとえば福島沖も茨城沖も、大地震が起きる確率は2%以下だった。つまり福島沖などでは地震が起きないと保証していたのに等しかったのである。
原発を建てる前に、近くの活断層を調査して、その将来の地震危険度を見積もることになっている。しかし、これも私が以前から主張しているように(たとえば『巨大地震はなぜ起きる これだけは知っておこう』)、活断層かどうか、それがどのくらいの長さのものか、そしてその活断層がどのくらいの大地震を起こすものか、には学者によって異論があり、それゆえ大きな曖昧さがある。その活断層の長さ、つまり将来そこで起きる大地震の大きさを「値切って」作ってきたのが、いままでの原発なのである。じつは、政府がこの種の活断層調査の結果を発表して以来、日本各地で起きた内陸直下型地震は、ほとんどすべてが、活断層がないはずのところで起きてしまっている。調査に漏れがあるという意味でも、現在の活断層調査はあてにならないものなのである。(中略)
・出典:「6/1生活者通信」から抜粋-発行者の了解を得て
■7月2日(土) 島村英紀さん「地震」講座にご参加下さい
『東海地震・南海地震が心配』
日 時:7月2日(土)13:00開場、13:30~17:00
講 師:島村英紀さん(地震学者)
会 場:スペースたんぽぽ(たんぽぽ舎が入っているダイナミックビルの4F)
主 催:地震がよくわかる会(連絡先:たんぽぽ舎)
資料代:1000円
★2.今が未来の分かれ目!
7月8日「止めよう玄海再稼働 九電前アクション!
~もう玄海原発は廃炉に!~」やります!(転送・転載大歓迎)
日 時:7月8日(金)17:30 JR有楽町駅日比谷口に集合
18:30 すぐ目の前の九州電力東京支社前へ移動、リレートークやライブ!
19:00 申し入れ書提出スタート、リレートークやライブ続ける
20:30 終了予定
九州電力東京支社地図:http://www.chiyodaku-town.com/map/cy011881/
(千代田区有楽町1-7-1)
備考:申し入れ書を持参して下さい。現地九州でアクションを行っている方からのメッセージと合わせて出しましょう!
呼びかけ「東電前アクション!」
※詳細はhttp://toudenmaeaction.blogspot.com/
久々の東電前アクションです!
<toudenmae.action@gmail.com>
■佐賀県知事「安全性はクリア」玄海原発、県議会焦点に【日本経済新聞】
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E0EBE2E3E78DE0EBE2E4E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2
一つでも再稼働を許せば、他の停止中原発も続々とこの流れに続いてしまいかねない。福島原発事故の後に、そんな社会はありえない。
私たちの手で必ず防ぎましょう!!
すでに現地では、多くの市民が原発再稼働に反対する行動を起こしています。
http://yaplog.jp/uncle-tom-28/
そこで、東電前アクションではこの情勢を踏まえ、東京からも『原発の再稼働をしてほしくない!するべきじゃない!』という抗議アピール&申し入れのために九州電力東京支店へ直接行くことを決めました。
申し入れ文、楽器、横断幕、プラカード、盛り上げるものは何でも持ち寄り大集合して下さい★
玄海原発再稼働を止めるための緊急行動『九電前アクション!』に対する賛同メッセージと九電に対する申し入れ文を募集しております。いただいたメッセージはこちらのブログでご紹介させていただき、印刷して九州電力東京支社へ直接手渡しに行きます。
お名前(ニックネーム可)肩書き・地域
コメントをご記入のうえ、東電前アクション!メールまでご送信下さい。
Eメール toudenmae.action@gmail.com
■次回アクションのお知らせ
東京電力本店&経済産業省へ抗議アクション!
7月22日(金)17時JR新橋駅SL広場集合 18時東電前 19時経産省前(予定)
~原発再稼働への抗議と、福島・関東・東北からの避難政策や補償を求めて!~(仮)
★3.スペースたんぽぽで「えっ?足りてたの?」Tシャツを販売します。
◎ 長野県在住の建築家・須永豪さんが、小出裕章氏の講演「原発なしでも電気は足りている」をYouTubeで観てヒントをえてデザインされた、伝える脱原発Tシャツです。
原発の不要さをたった一枚のグラフが鮮やかに伝えてくれます。デモにもデートにも着ていけるスタイリッシュなデザインです。これを着て歩いて、その日会った人に電気は足りていることを教えてあげましょう。Tシャツの内容を補足する資料つきです。
自分用に、プレゼント用にぜひお求め下さい!(我が家では、週末には家族4人おそろいで着て、町を歩き「家族デモ」しています。Y)
1枚1500円。色・サイズさまざま取り揃えております。
スペースたんぽぽへおいでの際にぜひ、どうぞ!
※「え?たりてたの?」Tシャツを、直接購入されたい方はこちらにお申し込みください。
http://www.sunaga.org/works/311t.htm
須永豪・サバイバルデザイン 長野県松本市
TEL : 0263-50-9022 E-mail: sd@sunaga.org
◎ 7月7日七夕東電前アクションのお誘い
私たち、「いのちを守るお母さん全国ネットワーク・関東支部」は、七夕にちなんで、東京電力に対し、「原発を使わない電気の供給」と「こどもたちが安心してくらせる社会の実現」という願いを届けるアクションを行う予定です。
★4.7月7日(木)15:00 東京電力本社前集合
15:20~歌のパフォーマンス
16:00~要請文を東京電力に手渡す
浴衣を着たお母さんと子どもたちが笹の葉と短冊を持って集合します。
このアクションは、日々、空気・水・食品の放射能汚染問題に悩んでいる、小さい子どものいる親の立場からの思いを届ける要請行動です。
老若男女、子ども赤ちゃんみんな大歓迎です。
(できれば)浴衣や甚平を着て、ぜひご参加ください。
連絡先 090-2990-0707(7・7アクション事務局)
★5.槌田劭著『脱原発・共生への道』新装本の紹介
3月11日、東日本を襲った巨大地震・大津波は、福島第一原発をも惨禍に巻き込んでしまった、というニュースに私は震え上がりました。と同時に、21年前に出した『脱原発・共生への道』が、すぐに頭に浮かびました。チェルノブイリの事故のあと、お忙しい槌田先生を追いかけ追いかけしながら出した本ですが、改めて頁をめくってみて驚きました。
まさに今の惨禍をずばり予言なさっていて、その迫力と説得力、明快さに圧倒されました。
なぜ、こんな本を再版せずに埋もれさせてしまったのか……。思うに、チェルノブイリ事故であんなに盛り上がった反原発運動が、なぜかすぐに下火となって、少々遅れて発行した本書は、ただただ置き去りにされてしまった……販売能力に欠けるとは言え、あの当時の何ともだらしない私が悔やまれてなりません。
「今度こそ、何としても脱原発を!!」と、槌田先生の今の気迫は20年前以上です。「原発は極悪の犯罪なのです」と念を押しながら、その犯罪の犠牲になっている方々への思いを潤ませながら、一時でも早く「脱原発」へ、「共生への道」へ踏み出そう、と。そして、その道を歩みながら、今一度、自分自身の生き方を見直して、本当の暮らし・文化を取り戻そう、と。何としても美しい地球を、自然を、幸せな社会を、未来の子々孫々へ引き継ぎたい、と。
足元の くらし変えよう 一歩ずつ
私も、先生がいつも繰り返されるこの言葉を、今からの歩みのスローガンにしようと張り切らざるを得ません。先生の新原稿を付加して新装した本書をぜひお読み下さい!! (四六判並製・192頁・定価1200円+税)
樹心社代表 亀岡邦生
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