野党に望むもの
- 2021年 11月 1日
- 評論・紹介・意見
- 熊王信之
本日(10月31日)は、第49回衆議員選挙であり、筆者もさきほど投票をすませたところです。 言うまでもなく、野党に一票を投じました。 しかしながら、忸怩たる思いを抱いたまま帰宅したところです。
何故かならば、選挙戦も最終版に差し掛かる頃、野党第一党の立憲民主党の江田憲司代表代行に依る「NISA・積み立てNISAにも30%の金融所得課税をかける」との発言があったことに依ります。
この制度の詳細は他に譲るとしまして、何故、私が江田氏の発言に拘るのかと言えば、氏の無知はさて置きましても、私を含め、この制度を利用する市井の小市民のおかれた立場や、思いにあまりにも無知傲慢な人となりを目の当たりにしたからです。それは、金融庁の「老後の二千万円」報告書とも関連します。
報告書の仔細を読めば、銀行に預金を持っていても僅かばかりの利子のみの今日、減る一方の年金を補うにはリスクを承知し、元本保証の無い株式投資その他に頼る他は無い、と言う事実に直面せざるを得ないからです。
忸怩たる思いの依って来る事由は、私自身が報告書に先んじて元本保証の無い金融商品に依る資産運用をしているからでもあります。
時は、前世紀の末。 自身の金融資産の総額を前にし、自宅建て替えに係る借入金総額と退職後の年金生活とを天秤にかけ銀行預金では老後の生活が「不可」との結論を得た結果、とある独立系投資信託のドルコスト平均法に依る購入と外国通貨建て債券の購入に踏み切ったからでした。 勿論のことに当時は、NISAその他の制度はありませんでした。 途中、あのサブプライム危機では、暗澹たる思いもしましたが、今でも少額ではありますが、金融商品購入を継続しています。
此処で再度記しますが、私のみならず少額での投資信託その他の金融商品を購入する人々は、本当に「少額」であると言う事実です。 私自身は、飲酒を絶ち毎月一万五千円から積み立て投資をしています。
処が、野党第一党の重鎮は、その少額投資にまで課税する、と言うのです。 投票日を目前にして発言を否定した処で済む話ではありません。
更に、問題発言をされた立憲民主党と共闘される共産党の政策にも驚きを禁じ得ませんでした。
何と、莫大な国家予算を組んで地球温暖化を阻止せんとされている自公政権と同様かそれ以上に「気候変動」を阻止する国策を提言されているからでした。
そもそも二酸化炭素に依る「地球温暖化説」は、科学的真実ではなく「仮説」の域を出ません。 今日では「気候変動」等と言い換えていますが、何れも二酸化炭素に依る人為的「気候変動・温暖化」が実際に生じているという「仮説」に基づき、二酸化炭素を減じるために「自然エネルギー」を代替エネルギーとするべく現行の発電施設を代替エネルギーに依る発電に切り替える等と言う壮大で巨額の予算を消費するプロジェクトに誘導するものです。 当然のことに利権が生じ、金融機関も食指を伸ばされています。 諸外国でも投機筋に依り利権確保の妄動が盛んです。
野党であれば、こうした科学的真実を無視した資本主義社会の利潤確保のための妄動を批判して当然と信じるものですが、この国では政権与党と変わらない政策かそれ以上の愚策を掲げる政党が野党であるようです。
「『不機嫌な太陽』気候変動のもうひとつのシナリオ」の共著者H ・スベンスマルク氏は、「IPCCの報告書は本来、政治的な意思決定を導くためのものですが、気候科学に人為的なコンセンサスを押し付け、科学の善し悪しを判断するために誤って用いられているのです。」と指摘されています。 (スベンスマルク氏「IPCCは太陽を無視していいのか?」(https://news.biglobe.ne.jp/trend/0904/jbp_210904_0266638551.html)
最後に自然エネルギー等と呼称を変えたのみで「自然」と考えるのは如何なものでしょうか? 太陽光発電その他の設備建設に依る弊害に眼を閉ざさず正視し、利権に抗うことも出来ない山野に住まう野鳥その他の保護にも眼を向け本来の自然保護の正道を歩むべく国策を糺すことを野党に求めたいと思います。 これは、数十年間自然保護の団体員として細やかながら活動していた筆者の思いでもあります。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
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