もんじゅ運転反対 たんぽぽニュース5月号の巻頭です
- 2010年 6月 5日
- 交流の広場
- 原発
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もんじゅ運転反対 たんぽぽニュース5月号の巻頭です。
もんじゅ運転反対―廃炉の声を高めよう
「夢の原子炉」はハッタリ、「増殖」はウソ
もんじゅ反対の大衆行動をつくろう
原発事故がおきる前に、原子力から撤退を
柳田 真
□1 もんじゅ反対の大衆行動をつくり出そう―今がチャンス
特殊原子炉「もんじゅ」の報道がこのところ多い。活動家と一般大衆の関心も高まっている。先日のデモの時「もんじゅ」という名前に街の人も反応した。15年ぶりのことだ。メディア報道とこの大衆状況を把握し活用して、もてる全力で”もんじゅ運転反対・廃炉にせよ”の声を高めよう。「もんじゅ」反対の大衆行動を共同の力で連続的につくり出そう。
□2「14年5ヶ月ぶりの再開」と、支配階級の深い狙い(日本が核武装能力を持つこと=「もんじゅ」は兵器級プルトニウムを生産できる唯一の原子炉)の2つが相まって報道が多いが、その中で共通している大きな誤りを指摘したい。
☆ 第1は夢の原子炉=増殖するというゴマカシ、ウソである。
4月5日のたんぽぽ舎いろりばた会議で「もんじゅを廃炉にすべき5つの理由」の講演の中で、槌田敦講師は「夢の原子炉はハッタリ」「増殖はウソ」を次のように述べられた。
■ プルトニウム増殖のうそ
もんじゅの場合
年間投入量 1400(炉心) (単位)
年間産出量 約1392(炉心)+62(ブランケット)=1454
炉心の再処理技術なし(白金族元素の大量蓄積)
炉心の再処理で4%損失したら、増殖なし。
高速増殖炉は運転すると燃料が増える「夢の原子炉」といわれて、みんながこれにだまされてる。
プルトニウムは炉心とブランケットでそれぞれできるが、できる量は炉心の方が多く、ブランケットはわずか。
できたプルトニウムは再処理をして取り出さなければならない。ブランケットの再処理は臨界事故に気をつけてちょっとずつ取り出せばできる。ところが炉心では白金族元素ができてこれが問題となる。白金族元素は硝酸に溶けずヘドロ状になる。そこの中に閉じ込められたプルトニウムは回収できないということになる.六ヶ所の再処理工場が今止まっているのは白金族元素が流れなくなってしまったからだが、軽水炉の再処理ですらそうなのだが、高速炉はもっと燃焼度が高い。はっきりしているのは年間62ブランケットで取れるということで、もし炉心の再処理で4%回収できないとしたら、これでもう増殖できないことになる。
今まで増殖の嘘については「プルトニウムが倍になるまで50年から90年もかかる」という倍増時間についての話だったが、これでは増殖を認めていることになる。ようするに倍増時間などを議論するのは、増殖を認めた上での話。そうではなくて再処理ということを中心に考えたら増殖などありえない。実際の回収率はどのくらいなのか、そのデータをしっかり出させなければならないと思う。
*人間の心理は「将来性がある」という夢の話には弱い。原子力推進勢力は日本人のこの心理を悪用して、だましている。”日本は資源小国だから、もんじゅが必要だ”というゴマカシの論理で。
*なお、核開発に反対する会のニュース32号(2010年4月号)の巻頭論文=「なぜもんじゅ運転を強行するのか」でも”増殖できない”を具体的に説明しています。
☆ 第2は費用(主として税金)をとても小さくみせる(報道する)ことだ。
たとえば、6,000億円といったり9,000億円といったり。これは共に間違いである。
もんじゅ=夢の高速増殖炉というならば、その前の常陽(原型炉もんじゅの一つ前の実験炉)も含めて、計算すべきだ。すると、2兆円になる。(内閣府の答弁)
さらに、もんじゅの再処理施設の費用=RETFを入れると、2、6兆円になる。(山崎久隆さんの指摘)
さらに、人件費が別枠なので、30余年の人件費も加えれば、3兆円に近づく。私たちは人件費について質問書を出したい。(六ヶ所再処理工場の費用が8,000億円から3倍の2,2兆円強にふくらんだ事実は記憶に新しい。)
☆ 第3は「兵器級プルトニウムを生産する」を隠して言わないことだ。どのメディアも共通している。
「もんじゅ」は、日本の全原発の中で、唯一、「原爆を造れる98%の最高級のプルトニウム」を造る特殊な原子炉だ。(普通の原発のプルトニウムは60%位。純度がずっと落ちる)
このことはIAEAも知っていて、それ故国際的「査察」対象の原発であり、日本政府(文科省)は毎年IAEAへ「報告の義務」がある原子炉なのである。
NHKのクローズアップ現代の報道は基本的にもんじゅ推進の基調で作られており「よいできばえでない」という評価が多いが、その中でかろうじて「核拡散を防ぐ」という観点からしてもんじゅは問題があるのではないか、式のコメントが1回だけ短くあった。
□3もんじゅ反対の諸行動をやり抜いた3年間
たんぽぽ舎は、この3年有余、核開発に反対する会(槌田敦代表)ともんじゅ再開反対及び廃炉署名実行委員会の中軸を担って全力でもんじゅ反対運動を盛り上げてきた。”現代日本の焦点”にピッタリあった行動方針で原発事故が心配なもんじゅ、日本核武装(準備)を許さないの照準=方針は「正確」であった。
たんぽぽ舎にとっては、9・30臨界事故追及の大衆運動(1-10回の集会・デモ)に続く、第2の大きな連続行動をみんなの力でやり抜いた。
□4 もんじゅ反対で共同の大衆行動をつくり出そう
もんじゅ反対の大衆行動を共同でつくりだそう。チャンスを生かそう。
これまでの二桁の参加者をもう一ランク上げる(三桁に)、広く鋭くを目指して量と質の両方で知恵と工夫をよせあおう。意見を出し合おう。
提案の1つは、共同で数万枚の”もんじゅをやめよう”チラシを作って広く配布することだ。(メール配信やHPも当然)再処理工場反対の行動の時の共同チラシの先例もある。(私たちは5・1メーデーと5・3憲法集会で各2000枚、計4000枚のチラシを配った)
5~6月は沖縄・日米安保50年で、多くの大衆集会がある。そこに廃止のビラを持ち込むチャンスだ。
2つはもんじゅ反対の東京圏での共同行動委員会をつくり出すことだ。「推進側のもんじゅの3年間の計画」も射程に入れて、東京圏の個人、団体の力がよりよく発揮できる形の共同行動組織を目指したい。その中で、連続講演会や、大衆集会、デモ、メディアへの意見広告、核燃料輸送への取組み、メディアへの働きかけ、署名、啓蒙パンフの発行など、共同してできることを相談・討論し行動方針を決めよう。
◎当面6月26日(土)の「もんじゅを廃止に」の講演会
(講師:小林圭二・槌田敦)に参加を
2010.5.19記
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