本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(333)
- 2021年 11月 13日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
政治家の役割
日本の「家計の現預金」は、「2021年6月末」で「約1072兆円」も存在すると言われているが、この事実を、「金融システムの観点」から考察すると、全く別の姿が見えてくるものと感じている。つまり、「日本の個人は、現預金を後生大事に保有して、動かそうとしない」という理解のことだが、実際には、「銀行が保有する預金が、日銀に当座預金として貸し出され、ほとんどが国債に投資されている状況」となっているのである。
そして、このような「単純な事実」についても、いまだに、マスコミで報道されない状況となっているが、今後の注目点は、「この事実に気付いた個人が、その時に、どのような行動を取るのか?」だと考えている。つまり、「戦後の日本人」と同様に、「信用できなくなった預金を、実物資産に交換し始める可能性」のことであり、また、この時の注目点は、「日銀や民間銀行が、どのような行動を取るのか?」ということである。
具体的に申し上げると、最初に発生する現象は、「日本の個人が預金を引き出す」という事態であり、この結果として起こる変化は、「民間銀行が、日銀から当座預金を引き出す状況」である。つまり、現時点で「約530兆円」も存在する「日銀の当座預金」については、「民間金融機関からの借入資金」であり、この結果として、「国債の買い付け」や「超低金利状態の維持」が可能となったことも見て取れるのである。
しかし、現在では、「米国」を筆頭にして、「資金繰りの問題」に直面し始めており、その結果として、「デリバティブの時限爆弾」などのように、「今まで隠されていた大問題が表面化する可能性」も憂慮される事態となっているのである。そして、このような状況下で、世界各国の中央銀行が取れる手段は、以前から申し上げているように、「紙幣の増刷」しか存在しないものと想定されるのである。
つまり、これから予想される「世界的な大インフレ」については、「誰もが想像できないほどの規模とスピードで世界を襲う可能性」が想定されるが、現時点で注目すべき事実は、「ほとんどの国民が、いまだに、国家や銀行を信用し、預金を動かそうとしない状況」とも言えるのである。そして、この点について、歴史の研究から見えてくる現象は、「国民意識の瞬間的な大転換」であり、実際には、「明治維新」や「1945年の敗戦」などのように、「日本人の心に、奥深く刻み込まれた記憶」とも言えるようだが、実際には、今後、「紙幣はコンピューターネットワークの中を流れることができない」という「金融化の白血病」に見舞われた時に、ほぼ瞬間的に蘇ってくるのではないかと感じている。(2021.10.7)
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1000兆円の個人預金
日本の「家計の現預金」は、「2021年6月末」で「約1072兆円」も存在すると言われているが、この事実を、「金融システムの観点」から考察すると、全く別の姿が見えてくるものと感じている。つまり、「日本の個人は、現預金を後生大事に保有して、動かそうとしない」という理解のことだが、実際には、「銀行が保有する預金が、日銀に当座預金として貸し出され、ほとんどが国債に投資されている状況」となっているのである。
そして、このような「単純な事実」についても、いまだに、マスコミで報道されない状況となっているが、今後の注目点は、「この事実に気付いた個人が、その時に、どのような行動を取るのか?」だと考えている。つまり、「戦後の日本人」と同様に、「信用できなくなった預金を、実物資産に交換し始める可能性」のことであり、また、この時の注目点は、「日銀や民間銀行が、どのような行動を取るのか?」ということである。
具体的に申し上げると、最初に発生する現象は、「日本の個人が預金を引き出す」という事態であり、この結果として起こる変化は、「民間銀行が、日銀から当座預金を引き出す状況」である。つまり、現時点で「約530兆円」も存在する「日銀の当座預金」については、「民間金融機関からの借入資金」であり、この結果として、「国債の買い付け」や「超低金利状態の維持」が可能となったことも見て取れるのである。
しかし、現在では、「米国」を筆頭にして、「資金繰りの問題」に直面し始めており、その結果として、「デリバティブの時限爆弾」などのように、「今まで隠されていた大問題が表面化する可能性」も憂慮される事態となっているのである。そして、このような状況下で、世界各国の中央銀行が取れる手段は、以前から申し上げているように、「紙幣の増刷」しか存在しないものと想定されるのである。
つまり、これから予想される「世界的な大インフレ」については、「誰もが想像できないほどの規模とスピードで世界を襲う可能性」が想定されるが、現時点で注目すべき事実は、「ほとんどの国民が、いまだに、国家や銀行を信用し、預金を動かそうとしない状況」とも言えるのである。そして、この点について、歴史の研究から見えてくる現象は、「国民意識の瞬間的な大転換」であり、実際には、「明治維新」や「1945年の敗戦」などのように、「日本人の心に、奥深く刻み込まれた記憶」とも言えるようだが、実際には、今後、「紙幣はコンピューターネットワークの中を流れることができない」という「金融化の白血病」に見舞われた時に、ほぼ瞬間的に蘇ってくるのではないかと感じている。(2021.10.8)
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第三次世界大戦の終焉
「2021年」は、将来的に、「第三次世界大戦が終了した年」と言われる可能性があるものと考えている。具体的には、「武力で土地や財産などを奪い合ったのが、第一次と第二次の世界大戦」だったが、今回の「第三次世界大戦」については、「大膨張したマネー」という「資金力」で、「世界の土地や財産を奪い合った状況」のようにも思われるのである。別の言葉では、過去20年以上にも及ぶ「世界的な超低金利政策やマイナス金利」は、「デリバティブの大膨張」と「その後の量的緩和(QE)」が根本的な要因だったわけだが、現在では、「万策が尽きて、実質的な金融敗戦状態」のようにも感じられるのである。
そして、今後は、「異次元の金融緩和」や「超低金利政策」に対して、きわめて大きな反動が発生するものと思われるが、実際には、「海中に押し込められたビーチボール」のように、「突如として水面に浮上し、予想以上の反発を見せる可能性」も考えられるのである。つまり、「覇権国家の米国を中心にして、資金繰りの問題に見舞われる状況」のことだが、実際には、「1991年のソ連」と同様に、「国債の買い手」が消滅し、一挙に、「紙幣の大増刷」に走らざるを得なくなる状況のことである。
より具体的には、「米国FRBのバランスシート」において、現在では、「レバースレポにより、0.05%の金利で、約1.7兆ドル(約190兆円)もの短期資金を調達している状態」となっており、この時の「金利負担」を計算すると、「年間で約1000億円」という金額が計算できるのである。そして、今後、「金利の上昇」が加速した時には、「より高い金利で、より多くの資金を調達する必要性」が予想されるが、より大きな問題点は、やはり、「国債の買い手が減少するだけではなく、反対に、国債の売り手が増える状況」とも想定されるのである。
このように、現在の「世界的な金融システム」については、「マイナス金利などの超低金利状態」に支えられて、「辛うじて、命を保っている状態」とも思われるが、ご存じのとおりに、すでに発生している変化は、「世界的な金利上昇」であり、また、「さまざまな商品価格の急激な上昇」とも言えるのである。別の言葉では、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制と呼ぶべき通貨制度」が終焉を迎えているようだが、この点に関して注目すべき事実は、「大膨張したマネーが『悪魔の引き臼』となり、人々の心を粉々にした状況」である。より具体的には、「世界中の人々が、知らず知らずのうちに、お金で魂を売り渡した状態」とも思われるが、今後の注目点は、「大インフレ」、すなわち、「ほぼ瞬間的な通貨価値の激減」が引き起こす「世界的な人類の覚醒」だと考えている。(2021.10.9)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion11482:211113〕
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