本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(365)
- 2022年 7月 2日
- 評論・紹介・意見
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究極理論の追求
現在、「複雑系の科学」から、大きな刺激を得るとともに、「究極理論の追求」という概念に対して、新たな挑戦意欲を燃やし始めている状況でもあるが、この時に気になる点は、「予測と説明」に対する考え方である。つまり、過去数百年間の「学問の進化」については、ご存じのとおりに、「ニュートン力学の誕生」により、「世の中の動きは、説明と予測が可能である」という認識が広がったものと考えられるのである。
具体的には、「マクロの物理学」が教えるとおりに、「発射されたミサイルが、いつ、どこに到達するのか?」などについては、「予測も説明も可能である」という状況であり、この結果として、「20世紀の初頭」においては、「科学が宗教に勝利した」、あるいは、「この世が全てであり、天国などは存在しない」という理解が、急速に広まっていったのである。別の言葉では、「奢り高ぶり、思い上がった人類が、地球環境よりも、自分たちの欲望を優先した社会」を形成したわけだが、この結果として発生した現象が、「異常気象」であり、また、「天災の頻発」だったことも見て取れるのである。
しかも、現在では、「ミクロの物理学」、すなわち、「量子力学」や「分子生物学」などの発展により、「既存の理論で説明の付かない現象」が、数多く表れるとともに、「経済学」や「哲学」などの「人間社会を説明する学問」に関しても、「予測」ができないだけではなく、「説明」も付かないような状況となっているのである。つまり、「正しい分け方」ができないために、「何が何だか、訳が分からない状態」となっているものと思われるが、実際には、「大自然を研究する自然科学」と「人間社会を研究する社会科学」の区別、あるいは、「経済学」における「実体経済」と「マネー経済」との区別ができず、「いろいろな問題が、百家争鳴の状態で議論されている状況」となっているのである。
そのために、これから必要なことは、「社会科学におけるサイクル理論」とも言える「文明法則史学」や「東洋の宝」と言われる「四柱推命や易経」などを利用して、「時間と空間が、どのように展開するのか?」を、詳細に分析することだと考えている。つまり、「138億年前に発生したビッグバン」や「46億年前に誕生した地球」などの歴史を踏まえながら、「約5000年前から始まった人類の疑問」、すなわち、「我々は、どこから来て、どこに行くのか?」、あるいは、「お金の謎」や「心の謎」などに関して、より深い議論をすることであり、この時に有効な方法論としては、「東洋の仏教」などが、深く理解されることにより、「唯物論」から「唯心論」への移行が進展するとともに、「お金に対する価値観が、大きく変化する状況」だと感じている。(2022.6.2)
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経済のハリケーン
「6月1日」の「JPモルガン・チェースのダイモンCEO」に続き、翌日には、「ゴールドマンサックスのウォルドロン社長」が、金融大混乱への警告を発しているが、この点は、より詳細な説明が必要だと感じている。つまり、彼等が危惧する「経済のハリケーン」を理解するためには、「経済」の部分を、「実体経済」と「マネー経済」に分ける必要性が存在するものと考えられるのである。
より具体的には、「過去100年間に、どのような商品と通貨が誕生し、かつ、発展してきたのか?」ということであり、また、「実体経済の成長に伴い、マネー経済が、どのような発展を遂げたのか?」を、実際の数字で把握することである。そして、この手法から得られる結論は、「1980年代初頭から始まったデリバティブの大膨張」に関して、間もなく、「本格的な大波乱が発生する可能性」のようにも感じられるのである。
つまり、「JPモルガン・チェース」や「ゴールドマンサックス」などは、「デリバティブの取引」に関する当事者でもあるが、現在は、「金利」や「インフレ率」の上昇に伴い、「いまだに約500兆ドル(約6.5京円)もの残高を有する金利デリバティブ」に関して、「バブル崩壊の危機」に直面している可能性を示唆したものと想定されるのである。別の言葉では、「インフレの大津波」に関して、「第二波、あるいは、第三波が、世界全体を襲い始める可能性」に言及し始めた可能性とも言えるようである。
そのために、「今後、どのような混乱が予想されるのか?」についても、「ハリケーン」などの「曖昧な表現」ではなく、「金融界の白血病」、すなわち、「紙幣がコンピューターネットワークの中を流れることができない状態」というように、「具体的な表現」が必要とされているものと感じられるのである。つまり、「デリバティブの時限爆弾が破裂する可能性」であり、また、「この時に、世界各国の中央銀行が、一斉に、紙幣の大増刷を始める可能性」のことである。
より詳しく申し上げると、「世界のマネー経済が、一挙に、名目的な大膨張と実質的な収縮を始める可能性」であり、実際には、「大量のデジタル通貨が、紙幣に変化し、急速に、実物資産に向かい始める展開」のことである。つまり、「劇場の火事」のような状況、すなわち、「大量の資金が、小さな食料や貴金属などの実物資産の市場に向かう状況」が想定されるが、この時の問題点は、やはり、「お金があっても、買える商品が存在しなくなる可能性」とも想定されるのである。(2022.6.3)
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言葉の曖昧さ
遠藤周作氏の「沈黙」という小説で問題視されているテーマは、「なぜ、神が沈黙するのか?」ということでもあるが、この理由として考えられることの一つに、「言葉の曖昧さ」が指摘できるものと感じている。つまり、今回の「ロシアのウクライナへの軍事侵攻」からも明らかなように、「人間は、平気で嘘を付く動物である」という事実が指摘できるとともに、「イエス・キリスト」や「お釈迦さま」、そして、「ソクラテス」などが文章を残さなかったように、「真理が人々から誤解される危険性」を危惧した可能性も考えられるのである。
より詳しく申し上げると、「神や天は、実際に起こる事件だけで、真理を伝えている可能性」が想定できるが、この理由としては、「人間の認識」に関して、「将来の展開が予想できないために、妄想や不安感にさいなまれる状況」も考えられるのである。つまり、「現在の課題」に対して全身全霊を注入することが、「古事記のいまなか」という言葉のとおりに、「神の真理への近道」とも思われるが、実際には、いろいろな欲望や妄想に惑わされることが多くなる状況も想定されるのである。
そのために、「神の沈黙」が発生しているものと思われるが、実際には、「ヘーゲルの弁証法」や「仏教の悟り」などのように、「人類は、実際の体験を通して、徐々に、神の真理に近づいている状況」のようにも感じられるのである。別の言葉では、「11次元にまで達した自然科学」や「3次元の段階に留まっている社会科学」の「差」が存在するために、現在、「さまざまな事件」が発生しているものと思われるが、実際には、「悲母観音」 のように、「天や神は、涙ながらに、人類の成長を待っている状況」とも想定されるのである。
そして、将来的に、「極楽浄土」や「神の国」が、地上にも到来する時期を待っているものと思われるが、現在の人類に必要なことは、やはり、「目の前に存在する仕事や困難に対して、意識を集中しながら、全力を投入すること」とも言えるようである。別の言葉では、「はたらく」という言葉が意味するように、「傍(はた)に存在する人々を、楽(らく)にする方法」を考えることであり、決して、現在の「ロシア」や「中国」などのように、「傍にいる人々を、自分たちの奴隷にする行動を取らないこと」とも思われるのである。
このように、現時点で必要なことは、「神や天は、常に、私たちを見守っており、日々の出来事を通して、メッセージを送り続けている可能性」や「人類の絶えざる進化と創造」を信じながら、「自分は、今、何ができるのか?」を考え続けることであり、このことが、「神の沈黙」に対する「人間の取るべき態度」のようにも感じられるのである。(2022.6.4)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
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