本間宗究(本間裕)の「ちきゅうブッタ斬り」(378)
- 2022年 10月 1日
- 評論・紹介・意見
- 本間宗究本間裕金融
国家戦略となった金融教育
「金融庁は、『金融教育』を国家戦略として推進する」との報道がなされたが、この点については、「中国の一帯一路」と同様に、きわめて時代錯誤の政策だと考えている。つまり、現在の「経済学」の問題点としては、「お金の謎」が解けていないだけではなく、「商品と通貨の関係性」を理解する人が、ほとんど存在しないような状況であるために、「誰が、どのようにして金融教育を行うのか?」という根本的な問題が存在するのである。
しかも、現在は、「文明法則史学」が教えるように、「1600年前の西ローマ帝国」と似たような経済環境にあり、実際には、「パンとサーカスの生活」に疲れた人々が、「財政赤字とインフレ」、あるいは、「民族間の武力衝突」などに悩まされている状況とも言えるのである。別の言葉では、西洋的な「唯物論」が行き着いた世界において、「心の問題」が多発しており、その結果として、「心のルネサンス」という、東洋的な「唯心論」が求められ始めた状況のことである。
このように、現在では、「中国やロシア」などの「軍事力による帝国主義的政策」のみならず、「先進諸国」の「金融資本至上主義」に関しても、全くの時代遅れの考え方となったようにも感じている。つまり、「世界中の人々が、心から望むもの」に関して、私自身の「心の座標軸」のとおりに、「目に見えるもの」から「目に見えないもの」へと変化し、また、「行動の方向性」については、「自分のため」から「人のため」へと、徐々に変化が起き始めている状況とも想定されるのである。
より詳しく申し上げると、「人間の社会は、世界中の人々が心から望むものの総和として形成される」ということが、現在の「私自身の仮説」でもあるが、今までの状況としては、「自然の征服」を目指してきた「西洋文明」が、「自然科学の発達」に、大きな貢献をしてきたことも見て取れるのである。しかし、この点に関する問題は、「社会科学の未熟さ」、すなわち、「高度な技術を持った人類が、どのようにして、その技術を応用するのか?」が理解できない事態であり、その象徴的な出来事の一つが、今回の「お金の謎が解けていない状況下で、誰が、どのようにして、金融教育を行うのか?」とも理解できるのである。
つまり、今回の「金融教育を国家戦略にする政策」については、将来的に、「21世紀の笑い話の一つ」として語られる出来事のようにも感じているが、実際の展開としては、「近い将来に発生が予想される世界的なハイパーインフレ」により、「お金の謎」が解けるとともに、「金融リテラシーの改善」に貢献する状況を想定している。(2022.8.30)
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イエレン米国財務長官の目論見
今後の数か月間は、「世界的なインフレの行方」において、きわめて重要な期間になるものと思われるが、この点に関して、最も注目すべき人物は、「パウエルFRB議長」ではなく、「イエレン財務長官」だと感じている。つまり、「金融政策の手腕」、すなわち、「金融経済の知識や実践」においては、「イエレン財務長官」の方が圧倒的な力量を持っているものと考えられために、今後の注目点は、「イエレン財務長官が、デリバティブの問題を、どのようにして解決するのか?」だと考えている。
より詳しく申し上げると、今回の「世界的なインフレ」については、「エネルギー価格などの実体経済」よりも、「デリバティブを中心としたマネー経済」の動向が、根本的な原因となっているものと考えられるのである。そして、その事実を熟知する「イエレン財務長官」としては、「どのようにして、デリバティブの残高を縮小していくのか?」に腐心しているものと思われるが、実際には、「できるだけ時間をかけて、残高の縮小を図る方法」を模索している状況のようにも感じている。
つまり、今までは、「中央銀行のバランスシート残高を膨張させる方法」により、「徐々に、また、秘密裏に、デリバティブの残高減少に取り組んできた状況」だったものと想定されるのである。しかし、「2019年9月17日」に発生した事件、すなわち、「短期金利の急騰」については、「民間金融機関から中央銀行への資金移行」に限界点が訪れた事実を意味しており、その後は、「レバースレポ残高の急増」という「緊急避難的な手法」により、中央銀行の資金繰り問題を切り抜けてきたものと考えられるのである。
ただし、最近の「インフレ率や金利の急騰」については、「小手先の手段」では対応が難しくなっており、そのために、「より根本的な解決法」が求められ始めたものと思われるのである。より具体的に申し上げると、「中央銀行のバランスシート残高を、どのようにして再膨張させるのか?」、あるいは、「デリバティブの残高を、どのようにして、縮小させるのか?」ということである。
そして、この点については、「有能なイエレン財務長官」にとっても、きわめて至難の業のようにも感じられるとともに、実際に予想される展開としては、「デリバティブの時限爆弾破裂」がもたらす「資金的な逼迫」に関して、「世界中の人々が、大慌てする事態」であり、また、「先進各国の金融当局者が、急速に、紙幣の大増刷により、市場への資金供給を実施する状況」とも言えるようである。(2022.9.2)
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21世紀の無常観
「21世紀の無常観」については、今までのような「消極的な無常観」ではなく、反対に、「積極的な無常観」に変化するものと考えている。つまり、今までは、「祇王精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」という「平家物語」の言葉のように、「世の中が変化することは分かるものの、何が起こるのかが理解できない」というような、消極的な「諦めの境地」が支配した状況だったものと思われるのである。
しかし、現在では、「村山節氏が発見した文明法則史学」や「東洋の四柱推命や易経」などの応用により、「今後、どのような事が起こるのか?」が、ある程度、予測可能な状況となったようにも感じられるのである。つまり、「過去3000年間あまりの世界的な歴史」を、深く検証することにより、ある程度の「未来予測」が可能となり、その結果として、「積極的な無常観」が生まれ始めるものと考えられるのである。
別の言葉では、「11次元にまで発達した自然科学」の応用により、「社会科学の水準を、現在の3次元から、4次元、あるいは、5次元にまで高める努力」のことでもあるが、「4次元の社会科学」においては、「時間のサイクル理論」により、「将来の変化が、ある程度、予測可能ではないか?」とも感じている。そして、この点については、「今後、数年間の世界的な金融大混乱」が、大きな試金石になるものと考えており、実際には、「お金の価値が激減した時に、世界中の人々が、どのような行動を取るのか?」ということである。
より詳しく申し上げると、「1600年前の世界」が、たいへん参考になるものと考えているが、実際には、「大都会を中心とした資本主義的社会の崩壊後に、地方において、数多くの小さなコミュニティー(共同体)が誕生する展開」のことである。つまり、「何も信用できない資本主義社会に懲りた人々が、信用できる仲間たちで集まり、小さな共同体(コミュニティー)を結成する状況」のことだが、この時に、「共同体の求心力」となるのは、やはり、「人知を超えた天や神の概念」となるようである。
別の言葉では、かつて、我々が信じていた「お天道(てんと)様が見ている」、あるいは、「神様の言う通り」というような認識が復活する状況であり、また、「共同体を乱すような行為が許されなくなる状況」のことである。ただし、今回は、すでに出来がっている「コンピューターネットワーク」や「AI(人工知能)」などの応用により、「1600年前よりも、はるかに進化した共同体の誕生」に期待しているが、このために必要なことは、やはり、「お金や心の謎」の解明とも言えるようである。(2022.9.3)
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ユナイテッド93
シュペングラーの「西洋の没落」では、「ピタゴラス以降、あるいは、それ以前における西洋の数学史」が詳しく述べられるとともに、一種の「数霊(カズタマ)信仰」とでも呼ぶべき思想までもが説明されていた。そして、この点に関して、私が気になる事実は、「暦のフラクタル」でもあるが、実際には、「ウクライナへの軍事侵攻」が発生した「2月24日」が「11月初旬に金融大事件の発生を示唆している可能性」である。
しかも、最近、「ユナイテッド93」という映画の再放送を見たことにより、より一層、この点に関する確信が強まってきたが、「9・11事件」に関する状況としては、「アメリカン航空の11便」と「ユナイテッド航空の175便」が「ワールドトレードセンター」に撃墜し、また、「アメリカン航空の77便」が「ペンタゴン」、そして、「ユナイテッド航空の93便」が、「乗客の抵抗により未遂に終わった」という顛末だったのである。
つまり、私自身としては、以前から、「1945年の77年後の2022年」、そして、「2月24日」に対して、暦のフラクタルで相当する「11月の初旬」に、「目に見えない金融ツインタワー」とも言える「デリバティブ」と「世界の国債」のバブル崩壊を危惧していた状況だった。そして、今回の映画により、「11」と「77」、そして、「93」と「175」という数字が浮上してきたわけだが、この点については、「1945年から77年後の2022年11月において、1日、3日、5日、7日、そして、9日に、金融の大事件が発生する可能性」を示唆しているようにも感じられた次第である。
より詳しく申し上げると、「天や神が、前もって、いろいろなヒントを与えてくれている可能性」に関して、以前から、数多くの「不思議な体験」を繰り返してきたが、この点については、「シュペングラー」が主張する通りに、「人知を超えた天の智慧」が含まれている可能性が、将来的に、解明される可能性も考えられるのである。そのために、現時点では、「数字の事実」だけを述べるとともに、注意深く、今後の展開を見守りたいと考えているが、基本的な態度としては、「どのような事にもチャレンジする行動力」が求められているものと理解している。
つまり、「あらゆる出来事に対して好奇心を抱くとともに、失敗を恐れずチャレンジする態度」のことだが、過去の人類史を振り返ると、このような行動が、新たな発見に繋がった状況であり、今後は、「自然科学」よりも、「社会科学」において、このようなタイプの人々が、数多く出現するものと考えている。(2022.9.4)
本間宗究のコラムhttp://www.tender-am.com/column.html より許可を得て転載。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion12418:221001〕
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