小出先生原爆記念日に、「福島原発は1年間に広島原爆の2000倍の放射能を出している」!
- 2011年 8月 10日
- 交流の広場
- 松元保昭
みなさまへ 松元
小出先生の「たね蒔きジャーナル」8月9日分の転送です。今回も、国の放射能測定の先駆けとなった山内知也さんのお話も引き続き掲載させていただきました。
小出先生、「広島型原爆100発を越えている放射能が出ている」「原爆の核生成物(セシウム137)の100倍がすでに環境に出ている」、「福島原発は3基で200万キロワット、1年間に広島原爆の2000倍の放射能を出し」、「さらに12万トンの汚染水に、それ以上の死の灰」と語っています。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====以下、小出先生のお話=====
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。今日は能見の活躍を堪能しました(テレビ大阪よ、最後まで放送しろ!ローカルねたですんまへん(笑))。経済関係、オバマ大統領の格付けにかかわらずトリプルAと言うのは、吉本新喜劇のめだか師匠の「今日はこれくらいにしたろか」というようなものと平野さんのコメントがありました。
原発関係のニュース、東電の6月までの連結決算は5970億円の赤字、四半期最大の赤字で、賠償後初の決算であり、賠償が3970億円、原子炉安定化1000億円、純損益5970億の赤字なのです。
被災地で離職者、14万5千人、雇用保険に入っていない人を含めたらもっと多いのです。深刻なのは福島で、離職者が去年の13.3倍、南相馬で10.3倍なのです。
そして、小出先生のお話、今日は長崎の原爆の日であり、今年は原爆と原発、放射能被害は同じであり、小出先生に、原爆と原発事故のメカニズムについて聞いてもらいました。原爆は「むき出しの原子炉」で、核分裂時に猛烈な放射線、放射能があり、放射線+核分裂生成物が悪影響を及ぼす。原発は、ほとんどの核分裂が電気+海を暖めるのですが、核分裂生成物は原爆と同じで、事故となると大変なことになる、核分裂生成物=死の灰、原爆だと一瞬に放出され、原発は核分裂生物の短い寿命のものは原子炉の中でなくなり、長い寿命のものが出てくるのです。ヨウ素は、原発では一部しか出ないが、原爆だと全部出るのです。
原子炉の中にエネルギーを閉じ込めるのは「もちろん難しい」、強烈な放射線、アルファ、ベータ、ガンマー線、中性子線、原子炉はエネルギーに変換されて、周辺を放射化するのですが、エネルギーへの転換は、放射性物質はエネルギーの塊で、アルファ線はヘリウムの原子核、ベータ線は電子で、「物」である、無色透明、形のないものではない、エネルギーに変わる、それが、原爆だと爆発したら噴き出してくる、熱線と爆風に変換され、放出されるのです。原発は熱で水を沸騰させて電気をタービンで起こすのです。これを原子炉の中で制御するとエネルギーのいい使い方なのですが、広島原爆はウラン800gで大量の放射線と熱線を出すのですが、原発では100万キロワットは1日に3kgのウランを爆発させて、死の灰は原子炉の中で、「原発のほうがエネルギーははるかに大きい」のです。
原発事故で、「広島型原爆100発を越えている放射能が出ている」と思われるのです。広島原爆の核生成物(セシウム137)の100倍がすでに環境に出ているのです。さらに、12万トンの汚染水に、それ以上の死の灰があるのです。福島原発は3基で200万キロワット、1年間に広島原爆の2000倍の放射能を出し、原子炉では平均2年放射能を出すので、「1~3号機に広島原爆の4000倍の放射能がある」のです。つまり、まだ大量の放射能が原子炉内に残っているのです。あと10倍はあるのです。
そして、「残っている放射能が出てしまう恐れはまだあり」、炉心を冷やすため東電も破局的な被害を防ぐためやっていますが、これ以上原子炉が融けたら放射能がもっと出ているのです。
私が原発の危険性を知ったのは、大学時代に、原子炉1基に広島原爆1000個分の放射能があると知ったときです。これを、反核運動をしていた先輩から聞いて、それなら原子炉1基で日本人を全滅させることが出来ると知り、今日まで反核運動に従事しました。以上、お知らせいたしました。
=====以下、山内知也さんのお話=====
永岡です、続いて、たね蒔きジャーナル、首都圏の放射能汚染を測定している神戸大大学院の山内知也さんによる関東の放射能汚染のことが報じられました。山内さん、以前にもサンテレビのニュースで放射能汚染について語られましたが、今回は満を持してのたね蒔き登場です。
知られざる関東の放射能汚染について、国が測定する先駆けとなった人です。山内さん、関東、首都圏の放射能測定が大きなニュースとなり、きっかけは江東区のお父さんお母さんより連絡があり、放射線を計って欲しいとの依頼で、幼稚園の土壌の放射線が気になり、計測して欲しいとのことで、しかし、東京には専門家もいるはずで、そちらの方が土地勘もあるのに、福島の基準が20ミリシーベルトになったのが4月、山内さんが高すぎると国にも申し入れ(1ミリにしろと)、それを見た人が山内さんに依頼したのです。
リスナーより、関東のどこまで放射能汚染が広がっているかについて質問があり、江東区、埼玉の三郷市を測定し、報告書を公表してかまわないと言われて、江東区、高いところで0.2マイクロシーベルト/時間、神戸だと0.05であり、4倍、セシウムのガンマー線の値です。当時、新宿の高いところの値しか計っておらず、それは改善されていません。その後、江東区のお父さんお母さんと公表して、行政も全然測らないとは言えなくなったのです。
新聞に出ている数字より高いところ、低いところがあり、その後梅雨でセシウムが流され、瀬戸内の塩田、塩ができる、セシウムはナトリウムと似ていて、いつまでも地面にある(揮発性でない)、水に集まり乾燥すると濃縮されて、三郷市で、小学校の運動場、スロープの下、農業用水に入るところで、公式に入れず(学校より、ひとつだけ計ると不公平とか断られる)、正門のところで測定し、三郷市は校庭のど真ん中で測定していましたが、山内先生のほうが2倍高い(0.2くらい)、水路は針が振り切れた(1マイクロを越えた)、土で1.8マイクロシーベルトを観測し、土を計測したら、10000ベクレル/kgを越えており、法律で取り締まる放射性同位元素=普通の人は管理区域内に入れないレベルであり、そんなレベルのものが小学校にあり、お父さんお母さんが三郷市に申し入れ、しかし回答は歯切れ良いものではない(除染はしたが)のです。
この高いところはたまたま山内さんが見つけたところであり、空間線量0.2マイクロのセシウムでも濃縮されて、そのため、運動場の真ん中1箇所での測定ではダメであり、水に流れ、排水溝に流れる、排水路はセシウムに汚染される、汚泥、下水処理では高い濃度のものがあり、報道の人から山内さんも教えてもらうのですが、東京都、5月に汚泥と焼却灰について、コンクリートの材料が10000ベクレル/kgを越えており、公園でも、芝生より、排水溝などが高いのです。水がたまると危ないのです。水は下水処理場に行くので、下水処理場に行くと高い、しかし、土は持って帰れずであり、グラウンドの土、2000~3000ベクレルありました。
リスナーの質問、首都圏の放射能汚染はチェルノブイリの同距離のところよりひどいのかということについて、山内さんの回ったところで濃いところ低いところがあり、「チェルノブイリと比べると日本は人口が多い」、原発から100km200kmにたくさんの人がいるので、1平方メートルあたりの汚染と、人口密度を考えないといけないとのことなのです。
サンデー毎日で、山内さんセシウム予報について書かれて、福島に行き、駐車場で、線量が高い(3マイクロ以上、土壌を変えても0.8マイクロ)、ガンマー線は山林から来ているので、除染しても自然の放射線にはならない、山ごとの除染はできないとのことなのです。そこにはセシウムがあり、雨のたびにセシウムが来るのです。福島の阿武隈川、セシウムが上流に流れる、利根川水系にもセシウムが来る、セシウムがたまり、街中の水路の汚染が、日本地図のレベルで大きくなり、そういう測定を定期的に行い、きめの細かい汚染マップを公表すべきなのです。セシウムが移動するのか、それについてマップにすべきなのです。
今回は時間になり、今後もお話を聞く予定です。以上、お知らせいたしました。
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