「都立学校の中学生用社会科教科書の採択撤回とやり直しを」要請
- 2011年 8月 14日
- 交流の広場
- 増田都子
先日の「8・9 都庁で平和学習集会」では、以下のように、育鵬社・自由社発行の社会科教科書の採択撤回とやり直しを要求する要請文も採択し、都教委教育情報課長の伊藤氏に取りに来ていただきました。伊藤氏は係長氏と二人で会場においでになりました・・・一人で十分だと思うんですけど(笑)・・・
「必ず、教育委員長に渡してください」とお願いしましたが、いつものように「担当課にお渡しします」・・・
「『育鵬社・自由社発行の教科書を採択するな』という請願について、どのように審議されたんですか」と聞くと、「7月28日に、鎌田慧さんを代表とする請願だけでなく、『育鵬社・自由社発行の教科書を採択するように』という請願もありまして、それらのすべての請願をペーパーにして、委員さんたちに渡し、指導部長が説明しました。委員さんたちからは別に何(の質問)もありませんでした」
「えっ? それで終わりなんですか? ・・・普通は請願が出されたら、採択するか、不採択にするか、するでしょう? したんですか? 説明しただけで『審議した』ということになるんですか?」
「えーーーー、請願は全てペーパーにして、委員さんたちに渡し、指導部長が説明しました。委員さんたちからは別に何(の質問)もありませんでした」・・・エンドレスになりそうなのでやめました(笑)。
2ヶ月後に7月28日の「育鵬社・自由社発行の教科書を採択」会議の議事録が公開されますので、それで、どのように請願が「審議」されたのか、確認しましょう。この日の東京都教育委員会の傍聴希望者は50人いたのに、傍聴席は20席。私はクジ運が悪いため、いつもように外れ、東京都教育委員会は他自治体の教育委員会がやっているようなリアルタイムでの会議の放送も全くやらない・・・できれば密室でやりたいぐらいなんでしょうね・・・ため、正確な会議の模様は数カ月後の議事録で見るしかないのです。
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東京都教育委員会委員長 木村 孟様
抗議並びに要請
2011年8月9日
「8・9 都庁で平和学習集会」実行委員会
(呼びかけ:西部全労協、東京都学校ユニオン、都教委による増田さんの不当解雇を撤回させる会、田畑先生の再雇用拒否の真相を究明する会、勤労者自主講座)
都立学校の中学生用社会科教科書の採択撤回とやり直しを要請する
貴教育委員会は、本年7月28日の第12回定例会において、2012年4月から使用する都立中学校・中等学校・特別支援学校の中学生用社会科教科書として、育鵬社・自由社発行の教科書を採択するという暴挙を行いました。それも、未来ある中学生の教科書の採択というのに、無記名投票という何とも無責任なやり方においてでした。
これらの教科書については「不採択にするべきである」との請願が少なくとも3本は出ていました。当会が関係するのは6月22日に提出されたルポライターの鎌田慧さんを代表とした請願ですが、貴教育委員会は全く審議することもなくこれらの請願を葬り去るという、日本国憲法に保障された国民の請願権を踏みにじった暴挙もあります。
また、育鵬社歴史教科書は他社の教科書からの図版盗用も公に指摘されています。貴教育委員会は、こういう倫理的にも問題がある教科書が中学生に相応しいと、どうして考えられるのでしょうか?
上記請願内容にも明記しましたように、上記歴史教科書は編集者の杜撰さを示す単純な誤りの膨大さに加えて、国際常識であり、かつ、わが国政府の公式見解である「大日本帝国による侵略戦争」を「アジア解放の戦争」「自衛の戦争」と描く歴史偽造の許されざる内容を持ちます。貴教育委員会は、これらの教科書に対する国連・子どもの権利委員会からの「懸念」も、韓国をはじめとする国際社会の人々の声も無視しました。公民教科書に至っては日本国憲法の国民主権・平和主義への敵視が露骨であり、あまつさえ、原発については「安全性」が破産したことが誰の目にも明らかにもかかわらず「安全である」という方向への誘導が露骨です。貴教育委員会は、21世紀に生きる未来の主権者たちの真実を学習する権利を踏みにじり続けるのです。
いったい、貴教育委員会は未来ある東京都立学校の中学生に、歴史事実の偽造と自国の憲法を敵視する、このような教科書を何重の暴挙をもって押し付ければ気が済むのでしょうか?
私たちは満腔の怒りを込めて、この暴挙を糾弾するとともに、これらの教科書の採択撤回とやり直しを要請します。
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