経産省前脱原発テント座り込み日誌11月30日版
- 2023年 12月 5日
- 時代をみる
- 木村 雅英
経産省前テントひろば、脱原発テント設置日(2011年9月11日)から1807日目(2016年8月21日)にテント強制撤去。2023年11月30日は、座り込み4,464目。これは、マハトマ・ガンディー「非暴力、不服従」の実践です。
◎ 総がかり行動は続いている毎月19日 11月19日(日)
先週と打って変わって秋晴れ。日の当たる場所では上着が要らない程。経産省のケヤキは黄色茶色になり散り始めるも、まだまだ樹上に葉を多く残す。かつてテントがあった経産省角地の交差点では、日比谷公園方面に機動隊が伸縮式のバリケードを設置。遠くから右翼の声が聞こえる。
私(M島)は午前11時半過ぎに経産省に到着。藤原節男さんE藤さんS藤さんが、座り込みの設営中。私も手伝い横断幕4枚、のぼり旗5本を立てる。「脱原発テント」バナーは静岡の浜岡に、のぼり旗は何本か日比谷に行っている。今日は港区のマラソン大会もあったが、早く終わったので、自転車で来てくれるE藤さんS藤さんに交通規制の影響は無かったとのこと。12時前に来た乱鬼龍さんも交えて記念撮影して、E藤さんS藤さんは帰る。
藤原さん手製のゆで卵とおにぎりは、今日はナシ。自宅のガスレンジが壊れたので、圧力釜で作れないとのこと。代わりにサバ缶、魚肉ソーセージ、ふかし芋、大根の切身を持って来てくれた。
12時20分、右翼の街宣車10台が財務省前を通過。角地のバリケード前に集結し、日比谷野音の集会に向けて罵声を浴びせる。「中核派を叩き出せー!」その脇を屋根なしの2階建て観光バスが通過。あぁ日本の恥だねえ。この喧騒の中、T崎さんが来る。右翼は15分間くらい抗議を行うと、一旦移動する。テントには被害無し。その後、右翼の行動は散発的になる。
午後1時15分、乱さんは、総がかり行動に参加するため議院会館前へ行き、その後、午後4時に新宿アルタ前に行き、パレスチナ侵攻に反対するデモに参加するそうだ。千葉勝郎さんが来て、15分程、藤原さんと話して帰る。午後1時半、日比谷と会館前を掛け持ちすると言って、男性が挨拶していった。午後2時前、T崎さんがふかしまんとフライドチキンを買ってくる。皆で頂く。
来月の句会の後の忘年会は、メニューを何にしようかと歓談しているうち、座り込み終了の午後3時になった。総がかりが終了に近づき、日比谷野音もデモ出発の準備に入ると、再び右翼が騒ぎ出す。機動隊はバリケードを継続中。藤原さんT崎さんと私の3人で撤収作業を行う。今日の座り込み参加者は7人でした。(M島)
◎あとわずかで師走だが、にわかに忙しくなる(?) 11月24日(金)
今日は、座り込みのグッツのセッティングをする頃は暖かく、文字通り小春日和と言った陽気であった。参加者はここ2~3週間と少な目であったが、陽気のわりに、今回も、やはり多くはない。これから年末に向けて世の中忙しくなるので、参加人数が増える要素がない。でも、何とかしなくてはならない。金曜日は、イロハネットのみんなが頑張っているので、極端に少なくなることはないが、やや心配である。
11月もあとわずかで、来週は、はや師走を迎える。時々寒い日があるが、例年の陽気とは違っている。日中は半袖でも過ごせる日もある。体調が崩れることがあるのは、天候のせいのようだ。
このところ、電車に乗っていて気が付くのだが、一時減っていたマスク姿がまた増えてきたように思う。電車の椅子6人掛けだったり7人掛けだったりするが、約半数の人がマスクをしていることが多い。コロナが流行っているわけではないのに、インフルエンザの予防のためにマスクをしているのだろうか。日本人特有の傾向なのかもしれない。外国人のマスク姿はあまりみかけないのに。
午後3時頃、いつもだと、後半のK.Mさんがやってくるのだが、K.Mさんから、さっきWさんに連絡があったそうで、「自転車同士の事故にあった」とのことだ。聞くところによると、「一瞬、後ろを振り向いていて、気が付くと前方を走っている自転車があり、気が付いた時にはブレーキが間に合わず、追突してしまった」とのこと。まあ、大事に至らなかったからよかったが、気を付けなければならない。(S・S)
◎汚染水流すな・再稼働反対・核ゴミ増やすな・命を、地球を、未来を守れ 11月24日(金)
脱原発、老朽原発うごかすな、核ゴミ増やすな、海洋投棄反対、NoNukes、NoWar、ガザ虐殺止めろ、武器を輸出するな、‥のコールで経産省抗議を開始。K.Mから、東京新聞のテレビ批評欄に難民問題の報道をほめた文が掲載された、どんどんメディアに意見を。
Yoさんが、11月18日に埼玉県小川町でJアラート訓練を住民の声で中止に追い込んだ、また川口で右翼の行動に反対の声を届けた、と嬉しい報告。田中一郎さんが、対米従属とマスゴミへのアラート、再エネ出力制御と太陽光発電事業に暗雲、もんじゅ直下に活断層「見落とし」問題。K.Mから気候変動問題・原発・地球環境の補足。
Moが「座り込め、ここへ」「水に流すな」とともに原発で地球を汚すな。火炎瓶テツさんが、環境汚染をして、人を住みにくくして、給料もらっている経産省を批判、我々がメディアになろうという発言のあと、「汚染水海に流すな」「海洋放出今すぐやめろ」「経済産業破壊省」「原発亡者恥を知れ」…強烈コール。K.Mから配付資料「福島県は水質汚濁防止法も水産資源保護法もチェックしていない」を説明し、県と環境省を批判。
乱鬼龍さんが、芦尾鉱毒事件を受けて出来た水質汚濁防止法、宇井純さんの公害原論。戦争と原発で得する人を糾弾、沖縄の危機的状況、歴史的転換点。「季節」と「青空川柳句会」を紹介。K.Mから12月3日の「とめよう!原発依存社会への暴走1万人集会~動かすな老朽原発」紹介。
三上さんが、ガザ虐殺でイスラエル批判しない各国政府を批判、内部被曝と残留放射能問題から汚染水海洋放出批判。Moさんから、この後首相官邸前で開催される「さようなら原発一千万人アクションによる汚染水海洋放出反対24日行動」の案内のあと、汚染水流すな・再稼働反対・核のごみを増やすな・命を、地球を、未来を守れ・武器輸出輸入するな・再稼働反対…コール。(K.M)
◎ 最近は、何か得体の知れない気分になる 11月25日(土)
・得体が知れない気持ち (つまり興行が大事というわけだ)
国連総会は、パリ五輪開幕一週間前からパラリンピック閉幕後の一週間まで、全紛争の休戦を求める決議を採択した。選手らが安全に参加できるようにするためで、IOCに協力して欲しいとか。IOCは、スポーツを「平和と対話、和解を促進する手段」と定義しているそうだが、そのような実例や成果は、寡聞にして知らない。対話ということなら、多くの反対を無視して東京五輪が強行されたことは記憶に新しい。
あのバッハ会長も総会に出席した。Lip(唇)から溢れるのは、どんなrip(詐欺)やら。話しは過去にさかのぼる。1969年アポロ11号が初の月面着陸をしたときのあるベトナム従軍兵士の感想。「ジャングルにいる大勢の兵士たちよりも、月にいる三人のアメリカ人を世界は心配している。得体が知れない気持ちになった」 (O・O)
◎ 霧雨って、結構、厄介、濡れるからね 11月26日(日)
霧雨、傘はいらないが、椅子や荷物はしっとり濡れる。ダウンの上着を着ていても寒い。経産省のケヤキは葉が減ってきたが、雨のせいか、今日は葉が落ちて来ない。
私(M島)は11時40分に経産省に到着。藤原節男さんE藤さんS藤さんが座り込みの設営中。私も手伝い、横断幕4枚とのぼり旗6本を立てる。「脱原発テント」のバナーが戻ってきた。今日は新しい横断幕が登場。ガンジーらしき似顔絵と「不服従、非暴力」の文字が書かれている。テントがあった頃に作成された物で、家捜ししたら出てきたそうだ。新しい…と言うか、昔の幕の前で記念撮影。12時過ぎE藤さんS藤さん帰る。
藤原さんは自宅のガスレンジが直り、ゆで卵とふかし芋、ふかし南瓜、バウムクーヘンの切り落としを持って来てくれた。おにぎりを作るのはもう辞めたようだ。圧力釜で炊いて、酢飯にして、トッピングを載せて握るのは、確かに面倒。一方ふかし系はレンチンするだけで簡単。
12時15分頃、東京西部ユニオンのS山さんとH野さんが来る。キリスト教街宣車の千葉勝郎さんが、別の用事があるため、いつもより早く来て、早く帰る。午後1時過ぎ、30代くらいの男性とT崎さんが相次いで来る。男性は、グッズや路駐が違反にならないか懸念していた。藤原さんは「大丈夫、言われれば除ける」と対応。T崎さんは、ふかしまんまんじゅうを買ってきて、皆に振る舞う。
午後1時半頃、雨が止んできた。手がかじかむと座り込みメンバーの声。午後2時頃、T崎さんがサンドイッチを買ってくる。何度も差し入れて下さり、有り難うこざいます。先程の男性の名前や所属を私は知らないが、彼は最後まで座り込みに参加してくれた。彼は、藤原さんと歴史の話で会話が弾み、さらにT崎さんも加わり、日本人の起源の話で盛り上がる。定時の午後3時で撤収。かの男性を含め6人もいると作業が早い。今日の累計の座り込み参加者は9人でした。(M島)
◎ いつもくる裁判ウオッチヤーさんが見えず心配 11月27日(月)
きょうは、秋らしい一日であった。 昼間、太陽が輝いている時は、防寒着を脱いで丁度良かったが、樹の陰に隠れたりすると途端に寒くなるという具合。暑がりの私は、事務所に入って直ぐに防寒着を脱いで、そのまま経産省前に向かった。空には太陽がギラギラと輝いていて暖かい。そのまま座り込み準備をする。どなたかが「NO NUKES」のバナーを作ってくれた。早速、ポールに括り付けてみた。白地に黒なので他のバナーと見分けが付けにくい。次回には色紙を使ってギンギラギンにしてみよう。上手くいくか判らないが。
一段落して温湿度計を見たら、気温20℃ 湿度40%。暖かいわけだ。この暖かさは、長くは続かず、午後1時頃に太陽が樹の陰に隠れて、寒く感じたので、温湿度計を見たら、気温15℃ 湿度45%に変わっていた。風も出てきた。あわてて防寒着を着た。
きょうの経産省前の人通りは、少人数が固まりになって歩いていたので、大人数には感じなかった。寒さに弱い人は、経産省内の食堂で食べていたのであろう。きょうの座り込み者は、担当者4人と午後3時半前に来られたO女史の1名でした。いつも来ていた裁判ウオッチャーさんが2週連続で来られなかったので皆さん心配しています。(保)
◎ リニア裁判の原告になった女性が見えて 11月28日(火)
今朝、経産省に向かう電車内で、法律事務所のI弁護士から電話があった。電車を降りて歩きはじめると、また電話があって、法律事務所に立ち寄って少しだけ話をした。それから、一人で荷造りして、経産省前に向かう。暖かい日差しの中、経産省前に到着してバナーや椅子を並べている途中で、こちらを若い中国人風の青年がスマホで写真を撮っている。「一人で座り込むのですか」と聴かれたので、「相棒がまだ来ていないだけ」と答え、そしていろいろな話しをする。彼は北京近郊のふるさとから日本の大学に留学している青年だった。時計を見ると12時を過ぎている。
その後、リニア新幹線のトンネル工事(掘削)反対訴訟の裁判原告となったという二人の女性がやってきて、「疲れた」と言いながら、カラフルな幕を掲げ、椅子に座ってくれた。その横で、先週から当番に入ったTさんに電話すると、今はまだ「お茶の水駅」だという。二人の女性は、明日もまた裁判傍聴で霞が関に来るという。しばらくして、先ほどの中国青年が再度やってきて、自販機で購入したらしいペットボトルの飲料を出して、「飲んでください」と差し入れしてくれた。
椅子に座って少し話をすると、名前(KH)、出身地、日本での学校、そして家族のことなどをお聴きして、こちらも少しだけ自己紹介する。彼と話していて気になったのは、「日本では政治に対してこうした運動がどの程度の効果があるのか」という言葉だった。それは疑問形ではあったが、やや否定的な質問でもある。この日は暖かく、落ち葉の舞い落ちる経産省前での座り込み日和だった。(EO)
◎ 外国の人で写真を撮る人、話をする人多いね 11月29日(水)
セッティングしている時、経産省の中に入って行った女性が戻ってきて、カンパをしてくださり、再び、経産省の中に入っていった。その女性は帰る時、またちょっと寄られて、「私も、関西の方で少しやっています」と言って、ニッコリ笑い立ち去られた。
官庁の下請けの会社で働いている老年に近い女性が「ここでずーっとやっているのは、えらいわね」とねぎらってくれた。「汚染水をずっと流し続けるのは怖い。原発はなくなった方が良いにきまっている。デブリが全くとり出せてないのに、原発廃炉なんてできないことは誰が考えたってわかるのにね。政治家もどうしようもない、もう3人もやめさせられているのにあとから後からなんか出ている。岸田さんもどうしようもないけど、選んだのは、私たちだから、私たちもどうしようもないね。政権を変えないとね」などと、結構長い時間、話していく。
虎ノ門の方から来た外国人の5人くらいの集団がバナーの写真などを撮る。「カナダ人の観光ツアーで、案内はアメリカ人がやっている」と説明してくれた。アジア系アメリカ人女性のその案内人は、日本語が達者で、原発のこともよく知っていて、こちらが説明する必要もない。経産省の中に入ったが、アポなし集団は入れないので、戻ってきて、農水省の方に行った。
Obさんが来て、おせんべいを配ってくれたりして、いろいろ話す。大型トラックに「安倍倒せ、天皇がんばれ」といったようなことを書いて走らせていた播磨屋が11月いっぱいで店を畳むそうだ。畳む原因はそういう大型トラックを走らせたことで、出費がかさんだということらしい。Obさんは、「播磨屋でおせんべいを買って行こう」と言って帰った。Yさんが、「座り込みグッズを片付ける時、保っちゃん一人だと大変だからできるだけ来るようにする」と言って、来てくれる。(T・I)
◎ 日曜日の大阪集会に出掛けたい 11月30日(木)
Inさん、Yaさんと3人で設営作業。快晴なのでパラソルを設置したが、座り込みを始めてみると日陰だと肌寒いくらいなので、もうパラソルは不要のようだ。Inさんと私は、日曜日、大阪での「とめよう!原発依存社会への暴走1万人集会」に行く予定なので、その算段などを話し合う。
13:00頃、Kaさん、Iwさん登場。Kaさんは、いつもの「あきらめないせんべい」を差し入れてくださった。13:50頃、Eさん登場。風が吹く度、頭上の木々から落ち葉が舞い落ちる。じっとしていると寒くて耐えられなくなったので「一人デモ」をすることにした。「フクシマを忘れない」のプラカードをかかげ、ipadで「原発さえなければ」「原子力発電no!」などの歌を流しながら、経産省の周りを5周したら、いくらか体が暖かくなった。その間にSuさん、Shimoさん、Ok妹さん、Shimaさんたちが次々参加してくださった。時間になり、Suさん、Eさんと3人で撤収作業し4464日目の抗議行動を終えた。(M.U)
=========寄稿========
いつのまにか師走になったのだけれど、伝えられる足音から (寄稿)(三上治)
僕らが座り込みをしている経産省前のひろばの周辺というか、霞が関界隈は、緑の多いところだ。街路樹である。これはプラタナス、銀杏、桜、栃の木などであるが、僕らに季節感を味わわせてくれる。高村千恵子は「東京には空がない」と言ったが、「ここには自然が残されている」とでも言うべきか。これは僕らが経産省の一隅にテントを張って脱原発ひろばをつくりだした時に気が付いたことだった。(あらためて知らされたことと言える)
だから、神宮外苑の再開発で神宮の森の樹木が伐採されるという報道にはおどろいた。伝えられるところでは樹齢100年の木を含む3000本の樹木が伐採されるという報道だった。神宮の森といえば鮮やかな銀杏並木がよく知られているが、これも手が入ると言われた。この計画には反対の声が出てきて修正を余儀なくされているという声も届いていた。
過日の新聞には「神宮外苑の銀杏並木がきれいに紅葉している写真」が小さな囲み記事にあった。記事には「再開発事業で伐採される計画の変更は縮小されるようだ」とあった。以前に、この計画を認可した新宿区側の裁判での発言をみたが、銀杏並木は残されるが、認可した新宿区の地域では3000本に及ぶ樹木の伐採は変わらないと言われている。
この開発事業は基本的には神宮外苑にある神宮球場と秩父宮ラグビー場を入れ替えて建て替えることにあるが、同時に高層ビルや高級ホテルなどをつくることにある。これはオリンピックとともにはじまったものだ。オリンピックは祝祭であるが、この祝祭は権力(国家)の威信を高めるものとして政治的に推進される。同時に資本の欲動を、つまりは経済的なもうけ事の契機にも利用される。祝祭資本主義という言葉があるのだけれど、「祝祭を契機に開発を」という名目で資本の欲動を満たそうとするわけである。いうまでもなく、資本の欲動は必然であるが、そのときに発生する矛盾がある。これは現在、開発という名目で行われている事業に共通することと言える。
オリンピックを契機にして周辺地域の再開発が提起され、様々の構想がでてきたのだが、神宮球場や秩父宮ラグビー場の建て替え、高層ビルの開発の建設などがその実体だ。これには様々の矛盾がある。ただ、名目的には利便的で、機能的な施設に作り替えることで、公共性を高めるということがそこにうたわれているが、それは、あまり疑問も提示されず、の推進途上で、様々に指摘されるようになる。近々のところでは、築地市場の移転問題があった。神宮球場や秩父宮ラグビー場の建て替えは、老朽化のためというが、これはすんなりと通ることのように見える。だが、少し検討してみれば疑問もある。現在、建て替えとして構想されていることではなく、現在の場所で改修すればいいのではと考えられる。神宮球場や秩父の宮ラグビー場は、伝統があり、親しまれてきた存在である。僕は、子供とともに、あるときは一人で神宮球場に通った。僕は巨人ファンだが、東京ドーム切符が手に入りにくい時代によく通ったのだ。神宮球場は、古いし、不便なとろもあるが、風情あって、東京ドームとは違う良さもあった。この伝統と風情残して改修すればいいと思う。
アメリカの野球場には、アメリカの野球場にはそういう多くのものがあり、甲子園球場をそういうものとしてある。同じことは秩父宮ラグビー場についてもいえる。屋根付きの人工芝のラグビー場なんてラグビーふさわしいか疑問だ。
建て替えというのは、より機能的で利便な施設へ、という名目がある。それは、そこに高層ビルや高級ホテルなどの施設を創ろうとすることである。これが本当の狙いだろう。資本(三井不動産など)は、ここで投資して、より利潤の期待でできる施設を創るということを意図しているのであろうが、果たして、それは可能かということがある。資本の欲動として、投資先を探すのは必然であるが、それは果たして可能性のあることか、ということがある。僕はリニア建設のことを想起する。神宮の森を構想ビルや高級ホテルを建てることが需要を満たすことか、喚起するのか、これは疑問を呈してもいいのである。
こういう問題だけではない。「神宮の森」は、明治神宮の管理下にある存在だが、これは「公共の森」という性格を持ってきた。風致地区という指定があり、開発などに規制があった。風致地区というのは、自然環境を維持するためのエリアであり、建設物の高さは制限された。19㍍である。オリンピックを契機に風致規定は解除されたが、それは高層ビルなど建設を可能にするためである。これは公共の場としての神宮の森を守ってきたことの排除であり、その具体的なあらわれが街路樹などの伐採である。公共の場の維持のためにつくられて風致指定を解除し、高層ビルを創ることが容認された。事業者の論理からいえば、これは公共的なものの発展のためというのだろうが、果たしてそうなのだろうか。これは資本がというよりは、「開発が公共性の発展だ」ということへの疑念が出てくることがらだ。開発が悪いのではない、開発の中身が問題なのだが、これまで開発と言われればそれ自身が前進的なことのように考えられてきた。開発の中身が具体的に問われなければならないのだ。こういう問題は、開発という名目で展開されていることに関係するが、原発もリニア建設も同じ問題に遭遇してきたのである。
神宮の森は、明治神宮に管理権があるから、その処理は明治神宮の勝手だろうというが、神宮外苑が公共の場としてつくられてきたことはその経緯からみても明らかである。少なくとも、その側面は明瞭である。僕は再開発に反対し,異議申し建てをしている動きをみながら、こういう公共性はどのように守られるのか、そこでの困難は何かを考えた。
この問題に関わっている斉藤幸平は、次のように語っている。「神宮外苑は、あまりお金を使わなくとも市民が自分の時間を豊かに過ごすことのできる場所でした。ある意味、私が目指したい脱成長経済の先取りをしている公共空間です。こうした公共空間の破壊が全国で進んでいますが、まずは市民の力で神宮外苑の再開発にストップをかけたい」。そして彼はコモン(公共)を守るための自治ということも提起している。神宮の森が、脱経済成長を先取りしている公共空間という評価は違うが、公共空間であることは共通認識と言える。福島の海もまた公共空間である。そこには水質保護などの規制があるが、公権力は、汚染水の海洋放出がその規制に反しなのかどうかも検討しないのが現状だ。汚染水の海洋投棄と闘う主体(漁民を含む地域住民)の自治ということは検討に値する提起だと思った。民主主義も含めて自治いうことは興味あることだが、長くなるので別の機会に論じたい。
========投稿=========
静岡ひまわり集会鍋田敏子さんより バナーとカレンダーの寄贈&600回記念
皆さま
お疲れ様です、早川由美子です。表題の件、先月19日に静岡のひまわり集会に美術館テント展示で参加し、その際に、集会の実行委員でもある鍋田敏子さんより、新たなバナー1枚と来年のカレンダーを寄贈していただきました。写真を添付します。バナーは、現在経産省前座り込みで設置していただいているのと同じサイズです。カレンダーはテントの事務所に飾ってくださいとのことです。
バナーについて、ハトメをつけてもらえるように山本さんにお願いしました。近日中に、経産省前に持参したいと思います。
また、静岡ひまわり集会のメンバーの方々は、3.11以降、静岡駅前の歩行者天国で、毎週金曜日の夜、脱原発のスタンディングをされています。
600回を記念したイベントを、来年1月8日(月・祝)の昼間、静岡市で行うそうです。もし、参加したい、興味があるというかたはお知らせください。場所・開始時間など、詳しいことが分かり次第お知らせします。
どうぞよろしくお願いします。
早川由美子
=====添付資料=====
原発週報2023. 11.22-11.28 編集:漆原牧久
=========デモ、集会==========
・12月6日(水)原子力規制委員会毎水曜昼休み抗議行動(12時~13時)
・12月6日(水)第65回日本原電本店抗議行動
東海第二原発の防潮堤欠陥工事発覚!
日本原電の「欠陥工事隠蔽」をゆるさない! 再稼働やめろ!
日 時:12月6日(水) 17:00より18:00
場 所:日本原電本店前(住友不動産秋葉原北ビル
・12月6日(水) 123回東電本店合同抗議
放射能汚染水海洋投棄を中止せよ!
日 時:12月6日(水) 18:45より19:45
場 所:東京電力本店前(千代田区内
・12月8日(金) 経産省前抗議集会(毎週) 17時~ 経産省前テントひろば
・12月10日(日)東海第二原発いらない、第10波一斉行動
たんぽぽ舎は15時~16時15分 御茶ノ水駅にて
・12月11日(月) 月例祈祷会 14時30分~ 経産省前テントひろば JKS47士
・12月24日(日) 脱原発青空川柳句会 12時
選者・乱鬼龍 3時30~事務所
句会後3時30分から「テント忘年会」 事務所にて 参加を!
・2024年元旦、初日の出を福島浪江の請戸の浜で迎える、
(12月30日,31日、1月1日、2日)、じっくり話し合う交流会予定。
(部分参加も含め興味ある人、乱鬼龍さん<070-6472-1947>に連絡を) 参加者募集中!
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5162:231205〕
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