藤島利久さん、小出先生にインタビュー
- 2011年 9月 7日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
市民連帯の会の藤島利久さんが9月6日小出先生にインタビューした要約を、例によって永岡さんが2回にわたって配信してくれましたので、まとめて転送します。
藤島さんも原子力学科におられたということで、原子炉の現状と処理方向について小出先生も踏み込んで語られています。
=====以下転送======
永岡です、市民連帯の会事務局長の藤島利久さんが本日京都大学原子炉実験所の小出先生のところを訪れられ、インタビューをされました。インターネット中継されたものの、その出だし(30分前半のみ、後半は後日やります)を書き起こして中継いたします。
藤島さんのブログは
http://kochi53.blog.ocn.ne.jp/blog/
です。
藤島さん、真実があれば我慢できる、ウソがあれば耐えられないと言われ、小出先生、ウソだらけと言われました。藤島さん、市民運動家なのですが、かつては原子力学科におられて、中退で、もし卒業していたら「原子力村」に行っていたかも知れないと言うと、小出先生、原子力にいかなくてよかったと反応されました。
厳しい現実の中、いかに被爆と付き合っていくかについて、被爆は避けられない、責任のある人に責任を取らせたいと小出先生反応されました。
まず、小出先生の専門知識より、現実の福島事故の処理について聞きたいと藤島さん言われて、何をすべきで、何が現実性があるかなのですが、小出先生も正確にどうなっているかわからない、東電も事故を正確にわかっていない、3つの原子炉が壊れていて、動向が確かなのが1号機、5月に作業員が建屋に入り、水位計を調整したら原子炉に水がなかったことがわかりました。それまで、水があるなら、原子炉の下に水があると思っていたのに、原子炉の中に水がないと融けてしまう、メルトダウンしたら圧力容器、底が抜けてしまう、融けた炉心(2800℃、100トン)が下に抜ける。ジルコニウムと水が反応して水素を出す、発熱反応で、熱が出ると拡大する、ウランのペレットの温度が上がり、これも融けてしまうのです。
ペレットは黒です(見ることは出来ない)。ターミネーター3のどろどろに融けた金属のようなものと藤島さん言われたら、条件があれば計算機シミュレーションが出来るものの、それも出来ないと小出先生言われて、融けた炉心が格納容器にも落下し、ペレスタル(台座、コンクリート)に融けた炉心が落下し、コンクリートは1000数百度でウランと反応する、有毒なガスが出る、破壊が進むのです。コンクリート、珪素、金属などを侵食できるかは不明なのです。格納容器(鋼鉄、3cm)にも穴が開いている、ペレスタルは平らな床であり、すぐ外に鋼鉄があり破壊するのです。ペレスタルにどれだけ水が残っていて冷やせるか、正確には分からない、融けたウランがどこにあるか、不明なのです。
土と2800℃のものが反応したら、下にもぐっていく、土に行くと、地下水に接触すると水蒸気爆発の可能性もある(可能性は少ないが、ないわけではない)、地下水を汚染することを懸念しているのです。
溶融体が地下にもぐるのを防ぐ地下ダムを早急に作らないといけないのです。
市民活動家として、藤島さん、小出先生が真実を語り、国民の中で動けるものが動き、政治家に動きを生み出させないといけないと言われ、小出先生、政治に絶望し(政治大嫌い)、発電所の中の水はくみ上げないとダメ、タンカーを調達せよと小出先生言ったのに、未だに実現していないのです。汚染水を入れたらタンカーは使えない、タンカー乗組員の被爆、さらに汚染水を洋上を走らせること(柏崎に送る)が国際的な問題になる、それこそ、政治の責任であると言って、小出先生と会った政治家はやると言ったのに、やっていないのです。
政府、菅内閣、パニックを防ぐと言って情報を出さないことを国民も知った、真実は小出先生に伝えて、国民にも伝える、現実の処理方法を市民運動家などが実現しないといけないのです。いろいろな人が集まらないと、原子力は止まらないと小出先生、言われました。政府、東電の情報が重視され、小出先生の言い分は伝わらないものの、インターネットで小出先生の言い分も伝わるようになったのです。
地下ダム、真実の告知が前提であり、どう融けているか分からないウランについて、真実を発表して、そこに世界の英知を集めるべきと藤島さん言われ、米軍も特殊な機会を投入すべきと、これ、3~4月の段階の話なのに、今に至っているのです。これは、総理の判断かと藤島さん問われて、小出先生、官僚組織が原子力を進め、ここまできたのにまだ進めると言っている。菅総理は原子力から抜けたいと(どこまで本気は分からないが)言ったのに、それで動かないほど官僚組織が強いのです。
民主党政権は東電、電力の力で政権交代を成し遂げたわけであり、連合が菅内閣を支えていた(笹森氏)、その笹森氏が亡くなり、菅総理が脱原発と言い始めたと藤島さん言われました。
東電の工程表、融けた燃料の上っ面を回しているだけと藤島さん言われて、工程表は圧力容器が抜けていないことを前提に作られた、圧力容器はあり、冷温停止できる前提で作られたが、少なくとも1号機は炉心が融けている、冷温停止の概念が成り立たず、工程表の意味がなくなったのです。東芝の汚染水がうまくなっているのは本質ではない、目くらましと小出先生言われました。
ネットで、全電源喪失でメルトダウンする動画が配信されているのに、その教育を受けたものが理解できていない、これは業務上過失致死になると藤島さん言われました。藤島さん、市民連帯の会で、業務上過失致死傷で告発する予定なのです。告発状を市民連帯の会で出す予定なのです。菅直人、東電(清水社長他)、海江田大臣、その他を告発すると言うのです。刑事責任を追求する、国民が業を煮やしているというのです。
国民を守るなら米軍にも協力してもらう、融けた燃料とコンクリートのことも解析する必要があり、メルトダウン、メルトスルーでは工程表は無意味と政府に認めさせる手段は、小出先生、日本にマスコミがあり、これまで原子力推進でこの結果、マスコミが本気で自分たちの責任で調べて公表すべき、政府、東電の発表を流すだけではないことをすべきと、取材して、東電に答える力はないが、世界から英知を集めるべきと、そうして強行に動かす必要があると、小出先生言われました。藤島さん、日本は外圧がないと動かない、外国のメディアが日本政府はうそつきと言われてようやく動いているのです。
前半は以上です、後半、後日書きお越しします。藤島さん、お疲れ様でした。
なお、今日のたね蒔きジャーナル、聞いてみて、原発関係のニュースがなければ今日は書き起こしを止めます。
=====(その2)======
永岡です、藤島さんの小出先生インタビュー、続きが藤島さんのブログにアップされました、これの書きお越しをいたします。映像は以下にあります(合計4つ、今回書き起こししたのは後半の二つです)。
http://twitcasting.tv/kochi53/show/
藤島さん、放射能との付き合い方で、耐えないと仕方ないと言われるのですが、国民はつらい話は聞きたくない、夢で、融け落ちた燃料の処理以外に、原発を止めてどうするかなのですが、トリウム溶融炉もダメ、原子炉は核分裂反応をさせるので、核分裂生成物ができてしまい、それを処理する力が人間にない、核分裂をしてはいけないのです。
核分裂生成物はマグマにサンダーバードみたいに落とすことは出来ないかと言い、小出先生、放射能の無毒化は70年研究してきて出来ていないのです。どこかに埋めるのはダメ、人間の手で保管するしかないのです。無毒化への研究は、核分裂生成物を生んだものの責任で、やりたいのです。
無毒化は、さらなるエネルギーを与えて(核変換)、それに膨大なエネルギーが要り、それに原発を使えない、無毒化に膨大なものがいるのです。中性子をぶつけて核変換させるのですが、中性子を作るのに膨大なエネルギーが要り、半減期の短いものに変える可能性があるが、なんでもないものを放射性物質に中性子が変える危険性もあるのです。人類総がかりでやっているものの、とてつもなく難しいのです。
モンゴルに埋めるという話もあるものの、核廃棄物、核のゴミの処理は必要で、藤島さん、昔代々木に原子炉実験所を作ろうとして作れず、高速中性子実験所を作ったのですが、高速中性子、加速器であり、これを作ると、エネルギーの高い中性子を作ると、たくさんの放射線が出てきてしまい、ニュートリノが出る、遮蔽が難しい、高速中性子の回り、人のすんでいるところが被爆する可能性が高いのです。藤島さんの勉強した頃から量子物理学が進化し、今は藤島さん国民に肉体で訴えており、国に、小出先生に予算をあげる運動をしないといけないと言われました。
トリウム溶融炉は無理、核のゴミの無毒化は難しいことを確認し、京都大学は熊取6人衆を良く残したと藤島さん言い、学風であり、京大の学風、東大は国家を支える官僚養成機関、原子力を進める技術者を養成するもので、京大は、東大の向こうを張ってか、研究者の独自性を重んじてきたのです。小出先生、自分の信じる学問を続けている限り、受け入れてくれるのです。藤島さん、小出先生を支えた京大に感謝しておられます。意見の多様性が豊かな社会を作るのです。小出先生、やりたいことをさせてもらって感謝しておられます。
今は戦争状態であり、研究に専念したいが、今は乗り越えないといけない、こういうタイプの人がいたらいいという質問に関しては、一人ひとりが自立したらいい、自分は思ったことに従い行動してきたが、小出先生微々たる存在であり、ほとんどの人は国の決めたことに逆らえず来たのだが、一人ひとりが自分のやりたいこと、真実を追究したら原子力は止まると小出先生言われました。
小出先生、政治はきらいと言われ、スポークスマンではないが、国民が小出先生に期待している、小出先生の背負えないものを国民が変わる部分がある、藤島さん、小出先生にわがままを言って欲しいと言うことでした。しかし、小出先生に出来ることはわずかである、国民一人ひとりがやるべきことをやって欲しいと言うことで、藤島さん、墓穴を掘ったと言われました。
国民のメッセージが来ており、収束に向かいつつあるのだがいいのだが、収束に向かわせないといけない政府、東電が保身から隠している、小出先生は研究に専念し、国民が政府、マスコミを動かすべきと藤島さん言われました。
小出先生、つらくはない、自分のやりたいことをしてきた、いやなことはしていないと語られました。
この中継、197人が生中継を見ており、藤島さん、小出先生が原子力にかかわったことをざんげされることもあるが、集約、整理する作業が要る、多く国民に真実を伝えるのに、マスコミは東電の広告代理店と化していると藤島さん言われました。きちんとした、スポークスマンが要る、情報発信源の小出先生もいる、と言うことです。小出先生、藤島さんのような人がもっと増えたらマスコミに対抗できると思うが、まだまだと言うことです。
海外のマスコミ他が日本の現状を憂いており、海外のマスコミ、政治家が小出先生に来て、みんな日本政府にいらだっているのです。日本人はまじめで正直と思われていたのに、原発事故で日本はうそつきと思われてしまった、この損失に政府が気づかないのが虚しいと藤島さん言われました。
藤島さん一人テレビで情報発信、街宣車での活動もやっているが、一人ひとりが、自立した生き方を目指すべきなのです。日本人は勤勉だが、権力、国家に忠誠を誓う形でまとめられたのがこの結果であり、最後は、一人一人の問題なのです。
出来る限り真実を発信している小出先生の存在は大きい、これを、明るい未来にする努力は、藤島さん他がやらないといけない、黒船を幕末に導きいれた勢力がある、外国のジャーナリスト、子供の被爆を心配する勢力が日本政府にだめだしする必要がある、日本の権力を叩き潰す必要があると藤島さん言われ、市民連帯の会、刑事責任をはっきり問いたい、国家の拠出したお金で賠償をさせたいと藤島さん言われました。
以上が藤島さんによる小出先生のインタビューの全部です。藤島さん、本当にお疲れ様でした。
(転載終わり)
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