Global Headline 英語版人民日報(Global Times)が「核兵器のない世界」を論評
- 2024年 10月 14日
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- ブルマン!だよね英語版人民日報(Global Times)被団協のノーベル平和賞受賞
10月13日、人民日報は被団協のノーベル平和賞受賞に直接言及することを避け、核兵器のない世界を作るためには、核拡散に至った地政学的背景に遡って敵味方図式を超えた包括的視点に立った相互交渉が必須であると、毒にも薬にもならないような論評を掲載した。
原文:
The looming nuclear threat a call for global security reform – Global Times
最近の地域紛争や対立の激化により、核戦争の危険性に対する世界的な懸念が再び高まっている。中国外務省の軍備管理局長である孫暁波は、国際社会に対して「核兵器のない世界」を築くよう呼びかけた。各国や地域は、現行の安全保障体制とその核拡散防止や紛争抑止の効果について深く反省する必要がある。
第二次世界大戦後の国際秩序や冷戦時代の核抑止戦略は、核兵器に関する根本的な問題を十分に解決していない。相互確証破壊の概念は核保有国間の直接的な衝突を防いだものの、世界は常に核の脅威の下で暮らしてきた。世界の地政学が劇的に変化する中、国際関係にも新たな動きが見られる。特にアジアでは、拡大する軍事同盟やNATOの役割に関する議論が進み、新たな地域安全保障協定の提案が出ている。こうした動きは核の脅威への恐れを反映しているが、それが本当に世界の安全を強化するのか、それとも緊張をさらに悪化させるのか慎重に考える必要がある。
戦争や核拡散の根本原因は、単なる武器の存在にとどまらず、地政学的な緊張や歴史的な恨みから来ている。これらの問題に効果的に対処するためには、「敵対する陣営」という単純な枠組みを超えた、より微妙な安全保障の理解が必要だ。なぜ現行の安全保障メカニズムは核戦争の脅威を防げなかったのか。その答えは、国際関係や安全保障に対するアプローチにあるだろう。ある国やブロックが絶対的な安全を追求することは、他国の安全感を犠牲にし、不信と軍拡のサイクルを生む。
この悪循環を断ち切るためには、世界的な安全保障に対するアプローチの転換が求められる。包括的で協力的な安全保障の枠組みを構築し、各国の正当な懸念に対応すること、国際的な緊張の根本原因に対処するための紛争予防と解決のメカニズムに投資すること、核拡散を促す安全保障上の懸念に対処しつつ核軍縮を進めること、戦争や平和、核軍縮に関する議論に市民社会の参加を促進することが必要だ。
核戦争の破壊的な結果について話し合うだけでは不十分である。歴史が教えるのは、軍事的な対立や世界を敵対するブロックに分けることが持続的な平和をもたらさないということだ。代わりに、標準的で包括的かつ協力的な持続可能な安全保障の概念を追求する必要がある。このアプローチは、相互に結びついた世界において、ある国の安全が他国の安全と不可分であることを認識するものだ。
すべての国や地域が、より安定した安全な世界秩序を構築するために具体的な行動を取るべきだ。それは冷戦時代の思考を超え、より微妙で協力的な安全保障アプローチを受け入れることを必要としている。理解を深め、協力を促進し、紛争の根本原因に対処することによって、核の脅威から解放された世界、平和への共同の取り組みによって安全が達成される未来を築くことができる。
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一体何を中核的な論点として提起しようとしているのか、サッパリ判らない論評だが、要は「核武装に至った理由を理解しましょう、核戦争の破壊的な結果について話し合うだけでは不十分です」と被団協の基本スタンスにケチをつけたい、そういういじけた性根だけはよく透けて見える。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion13913:241014〕
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