「再稼働の女川原発で父娘半世紀の闘い」を見ましたか
- 2024年 11月 24日
- 評論・紹介・意見
- 内野光子女川原発
今日の「報道特集」の<特集・再稼働の女川原発で父娘半世紀の闘い>は、女川の原発反対運動を半世紀以上も続けてこられた故阿部宗悦さんと娘の阿部美紀子さんに焦点をあてたものだった。2016年、旅の途中ながら、知人から紹介された阿部美紀子さんに女川町の津波の被害から復旧さなかの町と原発近くまで案内していただいたのだ。以降、女川から目が離せなくなって、当ブログでも何本かの記事を書いている。
当時の阿部美紀子さんは、東日本大震災の翌年亡くなられた父親の遺志を継いで町議をされていた。東京の大学を卒業して以来、船問屋だった宗悦さんたちの原発建設反対運動を共にすることになったという。原発が建ってしまった後も、さまざまな形の活動の中心的な役割を果たし、東北電力と対峙してきたことになる。番組では、10月29日の再稼働を目の当たりした口惜しさを何度も語っていた。
阿部さんは、仕事(町議を三期務めた)を辞めたそうだが、今年の7月7日、父宗悦さんの十三回忌に再稼働反対のデモ行進の様子が映されていた。参加した人々の掲げるさまざまなプラカードの言葉に東北電力はどう応えるのか。宗悦さんもきびしく見守っているに違いない。
2016年、鳴り砂で有名だった浜に海抜29メートルの防潮堤の先にある原発が見える小屋取浜に案内してくださった阿部美紀子さんが、長い反対運動を振り返って、しずかに語る、いくたびも味わった口惜しさは、私もいたく動揺しながら、胸に迫るものがあった。
<関連の過去記事のいくつか>
女川原発2号機、9月に再稼働か―電気料金が安くなる?(2024年6月20日 )
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2024/06/post-f2b257.html
写真集『原発のまち 50年のかお』(一葉社)の勁さとやさしさ(2022年11月15日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2022/11/post-3f4728.html
女川原発2号機はどうなるのか~再稼働反対の声は届かない(2020年10月30日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2020/10/post-bb75a1.html
連休前、5年後の被災地へ、初めての盛岡・石巻・女川へ(6)(7)(2016年5月14日)
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2016/05/5-5cf0.html
初出:「内野光子のブログ」2024.11.23より許可を得て転載
http://dmituko.cocolog-nifty.com/utino/2024/11/post-57479d.html
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://chikyuza.net/
〔opinion13974:241124〕
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