小出先生、大阪講演での重要発言
- 2011年 9月 16日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ 松元
いつもの「たね蒔きジャーナル」ではありませんが、小出先生の9月10日クレオ大阪、9月13日大阪シアターセブンでの講演から、永岡さんがそれぞれの質疑を紹介してくれましたので、あわせて転送いたします。重要発言満載です。
10日は、原発による海温上昇、汚染瓦礫の全国拡散、無毒化は無理などの話のほかに、最終処分は日本が責任をとるべきだが、小出先生も「どうしていいかわからない」。
13日は、小出先生汚染食品について、「天皇にも責任を取らせるべきで、責任のあるところに取らせるべき、戦争も、一般国民がだまされたというのは通じない、騙された人には騙された責任があり、大人は責任がある」と語っています。「食品の全量検査、東電が潰れるまでやらせるべき」とも語っています。
=====10日の質疑=====
永岡です、去る9月10日、小出先生、クレオ大阪で講演され、ユーストリームにて動画が配信されています。
http://www.ustream.tv/recorded/17209453
全体で3時間近いものであり、全体の書き起こしは無理です、根性なしですんまへん。例により、最後の質疑のところ他を書き起こしします。
原発による海温上昇について、「原発は海暖め装置と呼べ」、原発の出した熱の1/3しか電気にならない、原発1基で、1秒に70トンの海水を1℃温めるもので、1秒70トンの川は日本に30もないのです。想像できない話で、家の風呂、7℃温度を上げて入れない、それほどとてつもない温度上昇で、海は生き物がいる、生活の場である海で生きていられない、海苔も生きていられないのです。生態系を破壊するのです。日本に54基あり、海を暖める、日本の全部の川が4000億トン水を流し、原発は年1000億トンの水を流しているのです。海水温、日本近海は世界平均より高い、それは原発のためであり、漁業者に死活問題となるのです。
汚染瓦礫の全国拡散、新しい設備で放射能を取り除けるかについて、「無毒化は出来ない」、100mを2秒で走れと言うもの、瓦礫の処理、放射能をなくすのではない、燃やして灰にして体積を減らすだけであり、燃やすと大気中に出る、フィルターで捕まえてもなくならない、フィルターに放射能がつき、それを何とかしないといけないのです。放射性物質は東電のものであり、東電が勝手に作ったもの、本来、東電に返せばいいのです。瓦礫処理は、環境に汚染を広げないように、東電に返す(現実的には原発敷地、東電本社に置かないと東電は懲りない)べきなのです。
福島の汚染度、放射線管理区域、1平方メートル4万ベクレルのものは管理区域の外に持ち出してはいけない、これを厳密に守ると、福島全域を無人にしないといけないのです。避難地域は管理区域より10数倍汚染されたもので1300平方キロ、びわ湖の2倍なのです。
最終処分、日本は幌延にターゲットを当てている、それについての質問がありました。フィンランドの映画、10万年の安全、人間から見たら永遠の時間であり、無毒化は出来ず、隔離するしかない。宇宙に捨てるのはロケットが落ちたらアウト、海の底、南極は失敗したらアウトで国際的に禁止、残ったのは地下に埋めるだけで、本当に安全か、分からないのです。どこに埋めるか探している、日本政府はどこかに押し付けたい、財政破綻の町を狙う(調査だけで20億円やる)、しかし住民が反対して破綻しています。モンゴルに押し付けるのはとんでもない話で、日本で責任を取るべきなのです。
しかし、小出先生もどうしていいか分からない、広島原発120万発分の放射能が今ある、1発でも怖いのに、どうしていいか分からないのです。原発はトイレなきマンション、それを日本はやってきたのです。弱い自治体、外国に押し付けないようにしたいが、どうしていいか、分からない、埋めるなら東京に埋めろ、なのです。原発は東京には出来ない、3km四方の土地を確保しないといけない、東京は無理、過疎地に押し付けようしていて、それを阻止したいのです。
小出先生、1日400通のメールがたまり、小出先生の声を毎日DVDで見て安心して眠る人もいるのです。司会者より、案内があり、小出先生、来年3月まで予定がいっぱいだが、来年のことを言うと鬼が笑う、1年先のことまで予定を入れたことを反省し、これ以降は約束は今はしない、しかし、年が明けたら、4月以降の約束を入れるとの発言でした。
以上、お伝えいたしました。
======13日の質疑======
永岡です、9月13日にシアターセブンで行われた小出先生と子供を放射能から守るネットワークの森さん他のイベント、小出先生動画まとめに動画が載っていました。
http://ggtms.com/p/koide.html
これ、当日一部速報でお知らせいたしましたが、今回は例により、質疑のところを書き起こしします。
汚染食品を大人が食べると言うのは一億層懺悔と似ている、我々は被害者であり加害者であり、やった人間に責任を取らせないといけない、東電、御用学者に汚染物を食べて欲しい、高齢者が食べるのはそれで終わるのではないかについて、小出先生、責任を取らせたい、東電社員食堂、国会、経産省は汚染食料を出して欲しい、天皇にも責任を取らせるべきで、責任のあるところに取らせるべき、戦争も、一般国民がだまされたというのは通じない、騙された人には騙された責任があり、大人は責任があると言うのです。しかし騙された責任は、騙した人に、原発を止めさせる、金持ちだけが食べられる可能性もある、という意見もありました。
東京よりメール、20禁、30禁になると、貧困層、マイノリティー、若年層が汚染食料を食べさせられ、貧困層が汚染物を食べさせられる「しわ寄せ、差別再生産」の質問があり、小出先生、汚染食品にどれだけきっちり表示、東電に測定させるべき、その上で年寄りが食べて子供にきれいなものを、とする、汚染を公表すると、金持ちがきれいなもの、貧乏人が汚染物、となると危惧する、それが今の社会で、社会に矛盾があり、汚染も分からず食べろと言うことはしたくない、どういう矛盾、ひどい現実があるのかと思い、提案されているのです。
汚染のセシウム、アルファ線は計りにくい、現実的にどう対応するかについて、小出先生、セシウム以外の汚染(ストロンチウム、プルトニウム)はある、どんなものも汚れている、大気圏核実験より汚れている、安全、安心はない、どこまで汚れているかだけであり、福島事故、ストロンチウム、プルトニウムは毒性は高いが、汚染はセシウムより低く、注目すべきなのがセシウムであり、ストロンチウム、プルトニウムの危険も忘れてはいけないのです。
世界中汚染されていることに、福島の土地の汚染に比べてマシであり、福島の農家は作物が汚染されている、魚も汚染されているが、自分たちは食べない模様です。福島の農家は、基準値をあげて流通してうれしいのか、食べて被曝することはいいのかについての質問があり、宮城の農家より、汚染された土壌で作ることをやめたい、代替地でやりたいとの意見があり、また自分たちも被曝していると伝えて欲しいとの声がありました。小出先生、汚染はものすごい汚染から少ないところまで連続的に分布している、隣は汚染していないはない、どこかで自分だけ汚染しているのはない、少しでも汚染の少ないところに行きたいのと当然で、福島の汚染地帯では危険、北海道への移住などして欲しい、しかし、福島でやりたい人は、我々が支えないといけないのです。
この小出先生の言葉への異議、作ることへの気持ちは分かるが、汚染の意識をどこまで持っているかとの意見があり、小出先生、全て汚染している、あるところに疑問を抱くなら、離れたところの人にも抱くのか、どこかで線を引くのかという言葉があり、福島の農業、自分で被曝している、深刻に思っている、危険はある、やりたいと思っていると推論されています。
矛盾を感じたこと、ここなら作っていい、ここはダメと、どう線を引くか、飯館に文科省が来ていて、14.6マイクロシーベルトとなっていた、関西でも反応する、関西は汚染されているかについて、それは誤解で、地球は地域差があり、地震があるのは地球の一部、大地の出来方も違っている、自然の放射能も関東に比べて関西は高い、関東ロームに天然放射能は低い、関西は花崗岩で、ウラン、トリウムを含み、放射能が高いのは当たり前なのです。福島事故で関東が汚れたからと、関西に来ても、自然放射能があるのです。
放射線治療に、自然放射線でもがん細胞が出来る、水産物も汚染されている、それを食べられるかについて、小出先生、水産物の汚染は広がっていく、海は希釈効果もあり、しかし回遊性の魚が汚染される、広範に、薄い汚染が出る、ウニ、あわび、海草には高濃度汚染が出る、海洋国家は、これを受け入れるしかないのです。躊躇するのは海草で、猛烈な汚染があると思われる、データが公表されず、きのこに匹敵する汚染の可能性があるのです。その汚染に躊躇するのです。
森さん、チェルノブイリの測定を行った人の話で、ウニに20ベクレル出ている、三陸のわかめ、小出先生検出しているとのことです。
被曝量の容認のレベル、1950~1960年の核実験、地球が汚れている、どれだけの放射能が出たか数値として出ていない、広島原爆と、福島の数値が出たが、昔の核実験の数値について、小出先生、大気圏内核実験、アメリカはネバダ、ビキニ、ソ連はセミパラチンスク、北半球の温帯でやっており、汚染は北半球の汚染で起こり、南半球はあまり汚染されていない、累積で、1平方メートルあたり1000ベクレルの汚染がある、チェルノブイリ、1平方メートル100ベクレル来たのです。今の、福島は1平方メートルあたり何万、何十万ベクレルで、これがこれからも続くのです。
食品の全量検査、東電をつぶしてもいい、東電の責任でやらせるべき、買い取らせるのではなく、どれだけ汚れているかを東電に潰れるまでやらせるべきと、小出先生、語られました。
以上、13日に私の速報で出来なかったものもお伝えいたしました。
なお、17日に、大阪で、いつもお伝えしているうずみ火の原発イベント、イラクの子供を守る会の西谷さん講演会、まだ席があるそうです。
http://uzumibi.com/shop/index.php?ustr=2113&back_no=125&news_no=5
以上、お伝えいたしました。
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