小出先生、6万人デモに嬉しい「一人ひとりが出来ることをすると、原発はなくなる」
- 2011年 9月 21日
- 交流の広場
- 原発小出裕章松元保昭
みなさまへ
「たね蒔きジャーナル」および永岡さんが知らせてくれる小出先生の情報、すこし滞ってしまいましたので、まとめてお送りします。
18日の九州講演の核廃棄物、18日の原発作業員Tさんのお話、19日と20日の「たね蒔きジャーナル」です。
政府と東電の「工程表改訂版」、相変わらず「冷温停止」などという馬鹿げたことを言って誤魔化そうとしています。
6万人デモとドイツ・シーメンス社の「原発撤退」という朗報もある一方、野田総理、原発推進の国連演説、TPP推進という悲観材料もあります。
また、「除染」というきわめて限定的な効果をセットに利用して「避難準備区域解除」をして、さらなる被ばく者を生み出そうという政府は、国家自身の犯罪を拡大しているというほかありません。「チェルノブイリよりひどい」は、もはや現実です。
●「小出裕章非公式まとめ」に生の声がアップされています。
http://hiroakikoide.wordpress.com/
=====18日の九州講演から======
永岡です、小出先生のまとめブログに、昨日18日に小出先生がどうやら九州で行われた講演の模様が3分ですがあり、これをお知らせいたします。
内容、核廃棄物をいったいどうするのか皆さんにも考えてほしい、無毒化はできない、原子炉は最初に1942年、長崎型原爆のために作ったが、70年間、無毒化できなかったら大変とその時点で気づき、研究したが、無毒化する技術を持っていない。ならば、日本政府は地面に埋めてしまえと、過疎地に埋めようと物色している、対馬、その他を狙っているのです(小出先生、10月に鹿児島で講演されます)。大月半島も狙っている、どこか弱いところを狙い、調査だけで20億やるというが、そこに100万年置かないといけない、自分はせいぜい何十年しか生きない、日本もあと何百年続くかわからないが、この数十年で生み出した核のゴミに100万年、そのためにどれだけのエネルギーがいり、二酸化炭素がいるのか?二酸化炭素は悪ではなく、地球温暖化説は間違いと思っています。
これが3分の内容です、もっと長い動画がアップされたらお知らせいたします。
=====原発作業員のTさん=====
永岡です、関西テレビのニュースアンカーで、ジャーナリストの内田誠さんが、原発作業員の取材をしました。Jヴィレッジから帰った作業員に取材しても取材拒否が多く、喋るなと言っている会社もあるそうです。その中で、20代後半のTさんが、匿名を条件に内田さんの取材に応じました。
Tさん、大熊町の生まれで、生まれた時から原発があり、首都圏の電力を支えているプライドもあり、原発に就職しました、10年原発で働いています。3・11には建屋の中にいたのです。
Tさん、原発の状況は良くなっており、汚染水処理も稼働しているということでした。
が、Tさん、メルトダウンを、爆発した段階で分かっていたということなのです。パニックを押されて、東電、政府、保安院が隠したのだろうとコメントしていました。
そして、現場は分かっているだけで7,8次下請けのいる構造であり、その後思い出したら20次まである可能性もある、一つのところに4,5次下請けは当たり前で、もう現場はむちゃくちゃなのです。
Tさん、大熊町にいて、避難となり、その後、現場に戻ってほしいとなり、福島第1に戻ったものの、現場はむちゃくちゃで、特に青い瓦礫に近づいてはいけない(建屋の外壁)と言われています。この建屋のがれきに近づいたら、それだけで5ミリ、10ミリシーベルトになるのです。
そして、Tさん、造血幹細胞について内田さんから聞かれると、この言葉をこのとき初めて知ったというのです。つまり、大規模被曝に関して、東電も、何も対策をしていないのです。
そして、現場には被曝要員というものがあって、一人当たり被曝量の限界があり、人海戦術でやらないといけない、そういう要因を被曝要員と現場の隠語で言っているそうです。作業員はほかの原発からも呼んでくるものであり、そのため、いずれ作業員が足りなくなる懸念があるのです。
Tさん、自分はいずれ、がんで死ぬと語りました。もう、50ミリシーベルト被曝しています。
Tさん、反原発運動を馬鹿にしていたことがあるそうですが、今では彼らのほうが正しかった、原発は事故を起こしたら周辺に取り返しのつかない破壊をもたらすと語りました。
そして、Tさん、飯館村に申し訳ない、飯館村は大熊町と違い、原発の補助金をもらっていないからです。
内田さんの取材、大変に貴重でした、これが、福島第1原発の、被曝の真実であり、作業員は、がんで死ぬことを覚悟しつつ働いているのです。これを、お知らせいたしました。
======小出先生、19日のお話======
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。
原発関係のニュース、脱原発集会「さようなら原発 5万人集会」に6万人が参加しました。事故後最大の集会で、明治公園に人がびっしり、地面が見えない、女性と若い人が多かったのです。大江健三郎さん、原発に抵抗する意思を政党幹部、経団連に思い知らせないと、と言われました。日本経済のために原発がいるというのをマスヒステリアと大江さん批判しています(イタリアからも石原伸晃批判があります)。山本太郎さんも、電力は足りている、このままだと日本は核廃棄物の置き場になると発言しました。
原発事故、工程表改訂版が明日発表で、当初の目標を前倒しにして、年内冷温停止達成と言っています。圧力容器底の温度が100℃以下になるのがもうなっていると言うことであり、来年初めから前倒しにします。また放射能放出量も明日発表です。前倒しは、収束が順調であることを内外に示すことで、細野氏、IAEAでこれを話しますが、冷温停止は、運転が止まった後に炉内が100℃以下なのですが、メルトダウンしており、いったい何を冷温停止というのか、議論があるのか、なのです。これがはっきりしない中、冷温停止、順調と政府と東電は言うのです。
昨夜、愛知県の花火大会、福島・川俣町(業者は警戒区域の外側)から来た花火を、安全性、放射能に関して懸念があり、実行員会は福島の花火中止を決めました。東北3県すべてやめてほしいという声もありました。
ドイツのシーメンスは原発撤退を決定です。世界で撤退表明は初めてです。ドイツの脱原発決定を受けてのものです。事業協力も中止です。
そして、小出先生のお話、冷温停止宣言について、小出先生笑われて、千葉さんのお話通り、原子炉が正常に動き、核分裂を止め、100℃以下にすることですが、メルトダウンがあり、圧力容器の底が抜けており、これを政府、東電は認め、「冷温停止はあり得ない」、そんなものが使えるのではない、本来なら核燃料が容器にあって冷えているのを言うのに、燃料が容器にない、そうではないという専門家がいるなら、話を聞かせて欲しいのです。
容器に核燃料がないなら、温度は当然下がる、「100℃以下にならないとおかしい」のです。しかし、2,3号機は炉心がどうなっているか確定的にわからない、1号機は水がないことが分かり、メルトダウンが判明したが、2,3号機は建屋に人も入れない、水があるか分からない、炉心が形を保っているなら、水を入れて持ちこたえるしかないのです。作業員も被曝して持ちこたえているのです。しかし、汚染水の処理もいる、汚染水が環境に漏れないようにする、建屋、トレンチのコンクリートの中に汚染水があり、それが地下に漏れている、そんな作業なしで、浄化装置が動いていると言っているのは、大切なことを間違えているのです。
コンクリートにめり込んだ核燃料を取り上げるのは無理で、1~2年で核燃料に触れられない、汚染水があふれている、これをくみ上げて、タンカーに移して、核燃料から汚染されないようにしないといけないのです。
リスナーより、タンカーの話はどうなっていると複数の指摘がありました。
野田総理、明日からニューヨークに行き、国連で原発の安全を最高水準に高めると言い、今までも日本の原子力は世界最高と言っていた、それにみなさん納得するのか、と小出先生笑われました。また、原発維持と野田氏いうのですが、「政治がますます嫌いになる」と小出先生言われました。
津波の高さの読みが甘かったとの発表が相次ぎ、津波対策をしたらいいとなり、原子力学会、原発が津波に襲われたときにリスクを確立する計算の手順をまとめたというのですが、「本当に困った人たちだ」、原子炉の事故は津波、地震だけでなく、内部の事象でも事故が起こる、津波にすべての原因を押し付けて、それをのけたら安全と言いたいのだが、機械は不具合が出るもので、それが安全の重要問題なのに、それを飛ばして津波に持っていく、ここまで来て、また懲りないのか、と言われました。
本についてのリスナーの感想があり、小出さんの話が胸に迫るといい、自分に何が出来るか考えると言い、集会に6万人集まった、行動する人が増えたこと、「うれしい」、変化が起こっている、自分は原子力の専門家で、知れていることしかできない、6万人の一人一人が個性を持ってできることがある、小出先生、絵も描けない、歌も歌えないが、6万人にいろいろできる、それにて、必ず原発は止まると小出先生言われました。
今日の6万人集会の効果は絶大でした。参加された方に、私からも敬意を表します。
なお、明日のサンテレビのニュースに、反原発アイドルが出ると予告があり、これは藤波心さんのことと思いますが、これも見てまたお知らせいたします。
=====小出先生、20日のお話======
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日も水野晶子さんの司会、毎日新聞ほっと兵庫編集長の平野幸夫さんの案内で放送されました。私がこの番組の書き起こしを始めたのが3月21日で、今日でこの番組の追跡を開始してちょうど半年、皆様の応援に感謝いたします。台風関係、上田アナウンサーが神戸からの報告を行い、平野さん、六甲山系は水害との闘いとのコメントがありました(1938年阪神大水害、1967年また大洪水で私も被害)。また、和歌山からの報告もありました。
原発関係のニュース、野田総理、福島事故の収束に全力でやると、国連で演説するのです。平野さん、普天間移設、沖縄県知事がワシントンに行き、アメリカも難しいと言っているのですが、既定路線を踏襲すると言うのに、今はオバマ氏も大変である、沖縄にゆっくり話しするチャンスである、またTPP、農水省も下ごしらえしており、合意なしの推進への平野さんの批判がありました。日本の農家は零細、65歳以上が大半、競争できないのです。
福島事故で、緊急時避難区域、今月中に指定解除であり、官房長官、それを明らかにしています。
そして、小出先生のお話、避難準備区域解除の見通し、住むことは認めるが子供、妊婦はダメ、いざとなったら逃げろと言うことですが、事故の収束かと思うのですが、官房長官、解除の要件が整った、復旧計画を市町村が国にだし、その内容は小出先生もご存じない、除染の計画であり、住民を戻す時期の計画提出なのですが、除染計画、科学的に見て、日本の一般の人は1ミリシーベルト/年以上は法律で禁止、避難区域は20ミリ以上は入れない、準備区域は20ミリには達しないが、1ミリははるかに超える、法律を作った国が、法律を破っているのです。
解除により、子供、妊婦、入院患者も住めるようになると政府はいい、被曝を我慢しろと言っているのです。科学的には、1~20ミリは、小出先生のような特殊な人間への基準であり、子供も含めて放射線従事者になれと言うに等しい、子供にも大人にも危険がある、子供の危険は何倍もある、少なくとも、子供、妊婦には帰ってほしくないのです。胎児にも影響が大きいのです。
政府は除染とセットにしていますが、平野さん、南相馬を歩き、干し草を干せないと言われて、土の上5cmを取っても大変、除染はできないのです。除染できないところに戻るのは、やってほしくない、子供が遊ぶところは除染してほしい、膨大なはぎ取った土は知恵を絞り片づけてほしいのです。
子供に野山に入ってほしくないというのは、子供でなくなるのです。
リスナーより、脱原発は本当にできるのか、上手に原発と付き合っていくべきという意見があり、しかし「どういうのが上手か分からない」のです。安全な原発があると思うなら不思議である、安全と言われてきた原発がこんなに壊れているのです。現実の社会で脱原発は不可能というのですが、「政治家、経済界の人がかしこくなればいいのです」、電力供給に原発は要らない、政府、財界も知っている、今原発をすべて止めても、電気に関しては落ちない、発電所周辺の補助金で生きてきた人、雇用には影響があるが、それ以外は困らないのです。
野田総理、脱原発は不毛と言い、1回事故を起こしたら日本がつぶれるのに、まだ原発は必要なのか、他の方法もあるのです。
なぜ、政治家の口からそういうことが出てこないのか、小出先生、政治家は言うことを聴いてくれたのに、何一つ実現していないのです。タンカーも実現していないのです。
水野さん、何か科学的な根拠があり避難区域解除と思っていたのに、そうではないと感想を語り、平野さん、無責任と言われました。将来の補償もあり、元の住居に戻ると保証しなくていいということなのです。今日のお話は以上です、これを、お伝えいたしました。
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