「スペースたんぽぽ・学習会のお知らせ」など 地震と原発事故情報 その190
- 2011年 10月 3日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
3つの情報をお知らせします(10月2日)
★1.スペースたんぽぽ・学習会のお知らせ
「東京電力を刑事告発して」、ほか
明石昇二郎(ルポライター)、広瀬 隆(作家、ビデオ出演)、
槌田 敦(物理学者)
★2.マルマガ読者からの質問と回答
汚泥処理に伴う放射線量について
★3.米原子力空母横須賀基地母港化3周年抗議デモに参加して
★1.スペースたんぽぽ・学習会のお知らせ
日 付:10月3日(月)
テーマ:「東京電力を刑事告発して」、ほか
お話し:明石昇二郎(ルポライター)、
広瀬 隆(作家、ビデオ出演)、
槌田 敦(物理学者)
資料代:1000円
18:30 開場
19:00 開演
★2.マルマガ読者からの質問と回答
汚泥処理に伴う放射線量について
初めまして。
横浜市のE.I子と申します。メルマガ希望です。
五年、三年、二年の小学生と三歳になる子どもの母です。たんぽぽ舎さんの勉
強会などに伺いたいのですが、思うように動けません。
うちの子ども達が通う、横浜市立長津田第二小学校は西約100メートルに町
田市の成瀬クリーンセンターがあります。手持ちのSOEKS-01M ver 1.ALとプリピ
ャチで計測していますが、明らかに高過ぎる数値が出る日があります。クリーン
センターの職員の方々はとても協力的で、力を合わせてなんとかしたいと連絡を
取り合っています。最終的には核の処分場をフクイチ周辺へという考えはお互い
ありますが、まだ先の話です。
ドイツの環境研究所で聞いてきてもらった話だと、汚泥を焼却なんてとんでも
ない。汚泥は原子炉用のバグフィルターがついてる施設へ運ぶべきとのこと。ま
してや、そんなところで校庭で授業などありえない、とのこと。学校長、横浜市
教委会、PTA、自治会、横浜市会議員、町田市会議員へと、注意喚起をお願い
していますが、3ヶ月たっても何も変わりません。
クリーンセンターが検査に出している鶴見の同位体研究所の話だと、高温で焼
却した放射性物質は周りとくっつきやすくなるのでは?とのこと。逆に細かくな
り、マスクでは防げなくなるという話も聞きます。いずれにせよ、線量のモニタ
リングをして、高い日はマスクを呼び掛けられるようにしなくてはなりません。
町田市、横浜市共に「ここら辺はクリーンだから対策は必要なし」というスタ
ンスです。煙突からの排出放射線量の測定の指示が6月に出ましたが、湿式でフ
ィルターがありません。敷地内の空間線量は7月半ばより、週に一度木曜日に町
田市より貸し出されたDOSERAE2で計測しています。
職員の方々は、放射性物質が入った脱水汚泥焼却灰を扱っており、線量計も持
たされずとても心配です。今、運動会の練習が本格的に始まる前に、なんとかし
たいと動いています。
排出煙の測定をして、数値を出し、だからマスクをして欲しいと話を持って行
きたいと考えています。2μSv/hを超えた日もありますが、こちらは素人です。
常に高い訳ではないので、成瀬クリーンセンター由来なのか、フクイチ由来なの
か、また別の要素なのか判断がつきません。毎日測定して比較してマスクをさせ
ています。
全てが初めての事ばかりで多くの情報を必要としています。焼却炉の仕組みや
松葉の事など、勉強しながらやってる状態です。下水処理施設からの放射性物質
飛散の件で、読むべきものがあれば是非お知らせ下さい。
どうぞ宜しくお願い致します。
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E.I子様
たんぽぽ舎の坂東と申します。
お問い合わせの件についてですが、私が清掃労働者のため、回答することにな
りました。町田の成瀬クリーンセンターは下水処理場ですが、清掃工場も抱えて
いる問題は同じなので、私の見解を述べさせていただきます。
焼却炉の形式・規模がわからなかったので調べていて遅くなりました。これに
ついては若林ともこ県議の8月4日の視察レポートがあったのでわかりました。
成瀬クリーンセンターは町田市と横浜市の境界に近いところに立地していま
す。
そこでで使用されている焼却炉は、流動床炉2基(45T、50T)バグフィ
ルターではなく水冷のようですが、小型なので一般的な処理と思います。尚、町
田市のHPによれば、成瀬クリーンセンターの汚泥と汚泥焼却灰の値は、5月2
0日測定で汚泥のセシウム合計626ベクレル、焼却灰のセシウム合計5123
ベクレルとなっており、この後の6月30日の焼却灰は合計916ベクレルと推
移しています。
私は東京23区の清掃工場等(中間処理)にかかわる仕事ですが、ご承知とは
思いますがやはり工場の焼却飛灰に高い濃度で濃縮されているのが判明し、関係
部署はてんてこ舞いです。(ちなみに東京23区では今21工場稼働中です。)
下水処理場も同じです。
公害対策として、基本は生物に害のないようにすることなので、希釈する(薄
くする)か、害になるものを集めて無害化処理する、のがほとんどです。今は後
者が主流です。
そのため、排ガスに出ないように集塵装置でできるだけ集めて、環境に溶け出
さないように処理しています。水に溶け出さない安定した化合物にするとか、キ
レート剤(かにの爪という意味)で捕まえて逃げないようにするとか、高温で溶
かしてガラス状にして閉じ込めるとか。重金属やダイオキシンなどはこの方法で
処理してきました。
しかし今回はこれが裏目に出ています。がんばって集めているのだから濃くな
るのは当然です。でも、放射性物質から放射線を出さないようにするのはできな
いからです。防ぐしかありません。
もともと、家庭から出るごみや、下水に放射性物質が入ることなど想定してい
ません。あるわけがないものだったからです。周囲のものを集めてくるものです
から、この値はいかに私たちの周りや雨が汚染されているかの証拠でしかありま
せん。
なお、飛灰の扱いは、飛散しないように厳重な保管が義務付けられています。
運搬に関してもです。そのため、いまの設備はかなり厳重です。報告の写真を見
ると、フレコンパックのような袋に入れて保管しているようなので、破けなけれ
ば飛散しないでしょう。保管している灰の近くでは、当然ですが線量は高くなっ
ているようです。作業のあり方、安全性も課題になっています。
ここで少々技術的・専門的な話となりますが、「焼却灰」による汚染と「焼却
した際に排出される排ガス」の汚染の問題、と二つにわけて少々詳しく見て行き
ましょう。
(1)「焼却灰」の汚染の問題
都市の場合は、廃棄物(ゴミ)や汚水は基本的に処理施設で処理します。大量
に出るため、自然の力で自然に戻すというのが無理なのと、いろいろな化合物や
プラスティックのような自然で分解しないものが増えているからです。
廃棄物の焼却(汚泥も基本的には同じ)の主目的は衛生的に処理し、カサを減ら
すということです。
◎臭いは摂氏600から650度程度で分解しますし、細菌も死にます。
◎かさは約20分の1になります。
◎ダイオキシンのような有機物も摂氏850度以上でほぼ分解します。
その残った焼却灰を主灰 (燃えがら)と言います。
新しい焼却炉は大体摂氏900度位で燃やすので、揮発しやすいものはほぼガ
ス化して飛灰として排ガス・煙突方面に流れます。
このガスを冷やす (熱をとる) ため、大型の焼却炉はボイラを付けて蒸気を作
って発電しています。
小型のものは水をかけて冷やします。ちなみに融点の低い重金属はほぼ飛灰と
なって、ガスと一緒に流れていきます。セシウム(※1)も同じとみています。
(2)「焼却した際に排出される排ガス」の汚染の問題
燃やした後のガスをそのまま煙突から出すと、細かい灰(ばいじん)がそのま
ま出てしまうので、いろいろな公害対策設備を通してきれいにして出します。
現在大型焼却炉はダイオキシン対策のため、いろいろなテクニックを使いま
す。
1.バグフィルター(ろ過式集じん機)に入る前に急激に温度を摂氏150度位
に下げる(ゆっくり下げるとダイオキシンを再生成する心配がある)。
2.バグフィルターでちりを落とす(性能は99.5%以上)。落とした灰を集
じん灰(飛灰)と言います。これは前出の主灰(燃えがら)と一緒にしては
いけないことになっています。
3.そのあと塩化水素や硫黄酸化物を取り除くために湿式除去設備を通します。
水をかけて温度を下げ、苛性ソーダ(水酸化ナトリウムNaOH)と反応さ
せ中和させます。ガス化で残った重金属にはキレート剤を吹き込んで捕まえ
ます。
4.そのあと窒素酸化物を減少させるため、温度を上げてアンモニアを吹き込ん
で触媒脱硝装置に通します(ダイオキシンも分解する)。
5.そのあと勢いをつけて煙突から放出します。
鉛等、重金属は2.と3.の過程でほとんど取れています。今回問題となって
いるセシウムもここで取れています。
ちなみに23区では毎年バグフィルターの前後でばいじんを測り能力の確認を
しています。そのため、排ガスにはほとんど混入していないと考えています。
しかし、現在広い範囲に放射性物質がばらまかれています。高濃度でなくても
集めてくるのですから、そのために下水で沈殿させた汚泥や焼却灰、清掃工場の
燃えがらや飛灰に濃縮してくるのは当然です。
もともと日常生活の快適さを守るための都市施設に放射性物質が入ってくるな
ど想定していません。これこそ「想定外」です。でも原発が事故を起こせばこう
なるのは当然の結果です。
そして、現地近くは高濃度汚染です。対策は全く違うものになります。
追記
この見解を書いている間に、「10万ベクレル以内の焼却灰等に関しては通常
の埋立廃棄を行うといった政府決定がなされた」旨の報道が飛び込んできまし
た。
この事についてその問題性について触れておきたいと思います。
8000ベクレル以上は通常の埋立をしないようにとの暫定の方針でした。で
は、それ以下はいいのかということですが、8000ベクレ以下は住宅地利用し
ないことを条件に埋め立てを認める方針を既に示しています。ということで自前
の処分場があるところは各自治体の処分場へ今までどうり通り持っていっている
ところが多いです。まあ、正式の処分場は埋立後も管理が義務付けられ、住宅な
どには利用しないのでこの条件はクリアします。しかし、今までの例では埋立終
了後公園などにしているところが結構あります。適当にばらまくと後で確実に問
題になります。
また、コンクリート固化などするとかさが増えて、(薄めるのだから)結果的
に濃度は下がります。で、8000ベクレル以下になったら今でも埋め立てOK
です。なし崩しにばらまきで薄めることにならないよう後のことを考えきちんと
させるべきです。
今、市民が問題にしているのは8000ベクレを超えたからでなく、あること
そのものを心配をしているのだから、これを基本に考えるべきです。住宅地に近
いところに処分場があるところも多いからです。
仕方がないから、実態に合わせ基準を変えているのではと勘繰られても仕方あ
りません。「8000ベクレルを決めたのは」にはそれなりの説明がついていま
したた。では10倍を超える今回の件ではどうなるのでしょうか。働く人たちの
安全も含め多角的に検討していかなければならないと思います。
ちなみに、環境省が16都県に対し測定を要請しました。計469焼却施設の
うち、7都県の42施設で基準値を超えていることがわかりました。東京、福
島、千葉以外に基準値を超えたのは栃木(4万8600ベクレル)、茨城(3万
1000ベクレル)、岩手(3万ベクレル)、群馬(8940ベクレル)、等。
報道によれば、「環境省は27日、東京電力福島第1原発事故で放射性物質に
汚染されたがれきやごみの焼却灰のうち、これまで一時保管するよう求めていた
放射性セシウムが1キロ当たり8000ベクレルを超えるものについて、10万
ベクレル以下の場合は一般の最終処分場での埋め立てを容認する方針を決めた。
地下水への汚染防止策などを講じることで、安全な処理が可能と判断した。
具体的には、焼却灰をセメントで固めたり、屋根付きの処分場を利用したりす
ることで水との接触を防ぎ、セシウムが流出しないようにする。埋め立て後は、
処分場の排水や周辺の地下水の監視などを行う。
同省はこれまで、8000ベクレル以下を埋め立て可能とし、この基準を超え
たものは、処分方法が決まるまで一時保管する方針を示していた。10万ベクレ
ルを超える灰の扱いは、周囲をコンクリート壁で覆った産業廃棄物用の『遮断型
最終処分場』への埋め立てを軸に検討する。」と報じています。
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たんぽぽ舎 坂東様
お忙しい中、詳細に調べていただきまして大変ありがとうございました。
職員のかたがたは線量計ももたされず、マスクと簡易防護服で積みなおし作業
をされていると伺いました。もう本当に一体どうなってしまったのかと思うよう
なことばかりです。
頂いた情報を職員の方と共有したいと思います。本当にありがとうございまし
た。
★3.米原子力空母横須賀基地母港化3周年抗議デモに参加して
横浜市金沢文庫在住・松岡 チカヨ
○25日ジョージ・ワシントン原子力空母の母港化反対デモにタンポポ舎の皆さ
んと参加、暑さも和らぎ行進も楽になりました。
東電や経産省のデモは警官の数に驚きますが、横須賀はソコソコでほっとしま
した。それでもこれ以上逮捕者を出したくないと思い、音楽隊の軽快なリズムに
乗って、年甲斐もなく若い方と一緒にステップを踏んだりして、明るく楽しいデ
モを演じて見たりしました。午前(一部)午後(二部)と大勢の参加となりまし
た。
○解散後以前から耳にしていたGNF社を地元の市会議員の方がご案内下さると
か、又とない機会と参加させて頂きました。久里浜の山の上たどり着いた会社の
ゲートは2重で怪しげ、監視カメラも。
休日で社はひっそり、受付に人影がチラりと見受けられました。伺うところ情
報公開の殆どされていない会社とか、事故も度々で昨年の事故以来見学も中止さ
れてしまったとか。門横の壁には東芝 日立 GEの表示が掛っている。
帰宅後仲間達にGNFに行ったとメールすると数名から早速返信あり。情報の
少ない会社、各地の原発に燃料を送っている、米のジョージ・ワシントンにも関
係あり、MOX燃料も扱っている?
英国セラフィールド社撤退、六ヶ所村の貯蔵満杯、などを考えるに、この会社
は大変危険性をはらんで居り、もしウラン濃縮があるならなお危険で目が離せな
いと。しかも最近盛んに言われている三浦の活断層の至近距離にあり、山城先生
のお話では昔湿地で地盤が軟弱な上に工場が建てられている。周りには住宅も、
学校もあるそうな。地元の方もどこまでこの会社の恐ろしさをご存じか。
○福島みずほさんはジョージ・ワシントンを55基めの原子炉と言われました
が、もう一つGNFが加わるのでは。身近にこんな恐ろし工場があったなんて驚
くばかりです。夜中にコソコソと危険な燃料が陸路で運ばれている、おちおち寝
てもいられない。見学者の皆さんも唖然。
いつの間にか、先進国、経済大国、安心安全の仮面を被せられ、浮かれ、踊
り、平和ボケしていた。その上傲慢になった者も。そして若者に断食までさせて
しまった。ただ反省あるのみ。知らぬことの恐ろしさ、知ろうとしない罪、愚か
さを深く深く思い知った貴重な一日でした。
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[たんぽぽ舎 編集部より]
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