小出先生、「原発再開容認の世論に絶望…」
- 2011年 10月 3日
- 交流の広場
- 原発小出 裕章松元保昭
みなさまへ 松元
いつも「たね蒔きジャーナル」を紹介してくださる永岡さんは、ときおり他のところでの小出先生の発言も紹介しています。
今回は、女優の松田美由紀さんのインタビューと松山での講演の一部をお届けします。
=====松田美由紀さんのインタビュー=====
永岡です、映画監督の岩井俊二さんの作品で、小出先生に、女優の松田美由紀さんがインタビューしたものが公表されています。動画は以下のところで観れます。
http://iwaiff.com/201110/jp/friends/friends_after_311_movie_koide.html
内容をご紹介します。
松田さんに、小出先生と呼ばれて照れておられます。松田さん、お会いしたくて、講演を見て多くの人が勇気と希望を感じていると思われているのです。しかし、小出先生、事故を防げず謝らないといけないと言われました。
松田さん、3・11以前は原発のことを知らず、多くの人にショックを与えたと言い、小出先生、そうであってほしいが、これでも、みんな分かっているのか、不安である、福島では戦争よりひどいことが進行している、ほとんどの人が気づいていない、関西の人は他人事である、電気がいるから原発がいると思っていると言われました。
小出先生、絶望したら負け、人生は1回しか生きられないと言われ、そのため住みたいところに住みたい、危ないところでもおいしいものを食べたいと思っていると松田さん言われました。チェルノブイリ、40万人移住させられたが、移住はいやだと、故郷に住みたいと思っている人はお年寄りを中心に戻ってきた、それでいいと小出先生思われるのです。それで放射線の被害を受けても、生きるのはいい、でも子供たちは汚染地帯から逃がさないといけない、子供を逃がして親がそのままなら家族が崩壊する、家族ごと逃げられない、汚染してしまった世界で選択を迫られる、どれだけ汚染しているか正確に知ってほしい、それを提供するのが小出先生の使命と語られました。
小出先生、夢を持ち原子力に入ったが、危険を感じ止めた、周りの推進している人と対立し、そういう人は経済を発展させ、軍隊を持てば豊かになると言う夢に取りつかれた人であり、経済は成長しないといけないと政府は言っている、それが狂っていると小出先生思われるのです。政治、経済の人は、金持ちになればいいと思っているのです。
松田さん、小出先生の後継者がいるかについて、原子炉実験所で原子力に反対していた6人がいて、文化大革命の時代で、4人組になぞらえて熊取6人組と呼ばれた、学生でも小出先生と仕事をしたい人がいるが、そうなるとその人は就職できないと、他の大学に託したこともあるのです。松田さん、それは間違っている、山本太郎さん、俳優の仕事が出来なくなる、それを認めてはいけないと語られました。
みんな、3・11を機に、原子力を監視して、小出先生、自分がついている、みんな来いと言ってほしいと言われました。この事故を日本中が見て、若い人に、これを解決したいという人が出る期待は、これから5,10年たって研究したいと言う子供が出ることを期待していると岩井さんは言われました。
小出先生、原子力に夢を持ち入った、しかしそうではなかった、原子力に夢を持つ人は減ってきた、若い人も夢を持たない、原子力は衰退する、原子力の生み出した核のゴミは膨大にたまり、それに立ち向かう仕事に、若い人に向かってほしいのですが、ごみの始末、負の面に直面し、それに自分の命をかける若い人がどれだけあるか不安、しかし、希望はあるのです。小出先生、もう一度生きられるなら、それをしたいのです。 これからの困難な仕事に、もう一度生きられるなら、やりたいのです。
松田さん、多くの人が小出先生のことに勇気を持ち、立ち向かおうとしていると最後に言われました。小出先生の厳しい話を聞きたいとみんなが思っているのが希望だと、岩井さん言われました。
これを、お伝えいたしました。
=====10月2日松山講演の一部=====
永岡です、小出先生、10月2日に、松山、愛媛で講演され、その動画が以下のサイトに乗っています。
http://ggtms.com/p/koide.html
松山の講演、2分にも満たないものです。書き起こしします。
避難所の準備もして、自主的に逃げろと言っても人間に逃げる手段はない、いったいどういう政府なのか、避難所に閉じ込められ、お年寄りが命を落としていく、悲劇が福島で繰り返される、いったいどうしたらいいかと思う。避難しないといけない、避難したら生活が崩壊する、どちらを選んだらいいか迷うのです。
何としてもそんな選択を迫られないようにしたい、そのためには原発をなくさないといけないのです。
565万人の人を避難させないといけないのです。
他方、松山での公演、2時間20分もあります。全部の書き起こしは無理だし、過去にも小出先生のお話された内容と重なるので、最後の20分を書き起こしします。
1次産業を守りたい、日本の国は今回の事故を起こした犯罪者であり、自分の罪を隠すため、暫定基準値を超えたら流通させないとしている、放射能に問題はない、汚染の真実を国が隠していて、日本人は騙されているのです。基準値以下、何の問題もない、しかし、1kg500ベクレル以下、冗談ではない、1kgあたり499ベクレルならOKとはどういうことか、到底認められない。
強制的に避難させられている地域が琵琶湖の2倍、農業も出来ない、失われるしかない、緊急時避難準備区域、放射線管理区域にしないといけないところで農業もやり、農産物は汚れている、農業者が踏みとどまり、被曝して農業を維持するなら消費者は彼らを支えないといけない。東電が買い取るというなら、捨てるだけで、捨てるものを作れない、誇りをもって農業をやっている、消費者が受け入れて、放射能は食べさせたくない、安全な食べ物はない、国のように線を引いても、程度の差はあっても汚れている。1kgあたり400,300ベクレルの汚染はある、そういう食べ物に向き合うしかない。
汚染しているものはもともと東電の原子炉の炉心にあったもので、東電の所有物である。東電にできるなら返したい、東電が自分の所有物をどこにどれだけ行っているか調べるのが責務、どの食べものがどれだけ汚れているかを調べること(大変なお金がかかる)こそ東電の責務であると思う、汚染物を買い取るより金がかかるが、それが責務。コープは国、東電の代わりに放射能を測っているが、本来は東電に測らせないといけない、定期的に汚染を調べて、汚染の度合いがわかり、子供を守りたい、汚染ゼロのものはないが、福島の学校給食に猛烈に汚染されたものを使っている、福島の子供に愛媛の、沖縄の、きれいなものを食べさせないといけない。
映画で18禁がある、食品に対してつくり、汚染の度合いごとに60禁、50禁とする(会場で笑い)、どんな汚染も受け入れる責任がある、東電と国に最大の責任があり、東電の社員食堂、国会議員の議員会館も猛烈な汚染物を置く、四国電力もそうする、そうして、子供に汚染の少ないものを回す、子供を守るなら、汚染されたものは大人が食べないといけない、自分、自分の親には、汚いものを食べさせる責務がある。
被曝の度合いと被害の関連があり、原爆被爆者のデータであり、ある程度以下の被曝は分からないと日本政府は言っており、100ミリシーベルト以下は大丈夫と言っている、一定の被曝以下は容認できると政府は言っている、そんなこと、政府に決めてほしくない。くわえられる被害を他人に決められたくない、一人一人が考えてほしいのです。それが変わり果てた世界でやるべきことなのです。
これが、愛媛での講演内容です。
この他、原発再開容認の世論に絶望されています。
訴えたいこと、小出先生1970年に原子力はダメ、やめさせようとした人間であり、事故が起きると警告してきた、起きてしまった、起きる前に止めたかった、願いは届かなかった、言葉がない。こういう事故が進行中なのに、日本で原発が動いている、停電したらいやと日本人に多い。それは、データを付けて即刻原発を止めても支障なしと主張しているが、それもどうでもいい、電気が足りようが足りまいが原子力はやってはいけないのです。
以上、小出先生の主要な発言をお知らせしました。小出先生、週末ごとに講演され、どうぞ、お元気で。
(以上転送終わり)
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