「人に冷たく無能な国で原発をもつべきでない-東海村・村上村長」など 地震と原発事故情報 その194
- 2011年 10月 6日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
5つの情報をお知らせします(10月6日)
★1.「お母さんお父さんのための保育付き講座」のご案内
10月31日(月)、11月14日(月)の午前中!2回連続講座!!
子育て中のお母さん、イクメン(育児をする男性)も
参加しやすい時間帯に開催!
★2.人に冷たく無能な国で原発をもつべきでない-東海村・村上村長
臨界事故の反省なく、教訓も生かしていない東電・国
JCO事故12年、茨城県東海村・村上村長の職員への訓話から
★3.「フクシマに教訓生かされず」JCO臨界事故から12年
★4.1999年JCO臨界事故と2011年福島原発震災の教訓
たんぽぽ舎 山崎久隆
★5.10/7『チェルノブイリ・ハート』上映会と田中優さん講演会
★1.「お母さんお父さんのための保育付き講座」のご案内
10月31日(月)、11月14日(月)の午前中!2回連続講座!!
子育て中のお母さん、イクメン(育児をする男性)も
参加しやすい時間帯に開催!
中村徹(保育士)
たんぽぽ舎では、初めての試みとして、平日の昼間に「お母さんお父さんのた
めの保育付き講座」を開催しました。7月から9月までに3回開催し、多数のお
母さん、お父さん、こどもたちに参加していただきました。
特に3回目の安田節子さんの講演は大好評でした。
もっと続けて欲しい、次はこんな講師のお話が聞きたい…など、多数のリクエス
トをいただきました。
皆様の声にお応えして、「お母さんお父さんのための保育付き講座」をリニュー
アルして継続開催致します。
より多くのお母さん、お父さんたちが参加できるように、午前中に開催!
10月、11月は、たんぽぽ舎の人気講師、原田裕史さんによる、わかりやすい放射
能連続講座です。
テレビや新聞の報道だけでは、よくわからない放射能のこと…。
今、売られている食品は食べても大丈夫なの?
洗濯物を外に干してもいいの?
こどもを外で遊ばせてもいいの?
赤ちゃんを産んでもいいの?
除染ってどうやるの?
ベクレルとかシーベルトとかレムとかグレイとかキューリーとか、どう違うの?
暫定基準値ってどういう基準で決めてるの?
外部被ばくと内部被ばくって何?
ICRPって何?
などなど、いろいろな疑問があると思います。
最新情報や映像を使った原田さんのお話で、一緒に学びましょう。
また、今回は一方的な講演だけでなく、質疑討論の時間を長くとりますので、質
問や、不安に思っていることなど、参加されるみなさん同士の意見交換ができ、
交流も深まると思います。
お昼には終わりますので、会場で知り合った方と一緒にお昼を食べに行く…とい
うのもいいのではないでしょうか。皆様のお越しをお待ちしております。
― 記 ―
「お母さんお父さんのための保育付き講座」
日 時:10月31日(月)-第4回、11月14日(月)-第5回・2回連続講座
午前10:00開場、10:30開演、12:00まで。
講 師:原田裕史(たんぽぽ舎)
会 場:スペースたんぽぽ(千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル4F)
参加費:1000円(会場代、資料代、講師謝礼などを含みます)
予 約:不要ですが、保育ご希望の方は、お子様のお名前、年齢、性別、
アレルギーの有無をメール又はFAXでお知らせいただけると
助かります。
主 催:たんぽぽ舎 TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
★2.人に冷たく無能な国で原発をもつべきでない-東海村・村上村長
臨界事故の反省なく、教訓も生かしていない東電・国
JCO事故12年、茨城県東海村・村上村長の職員への訓話から
茨城県東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)で一九九九年、
作業員二人が死亡した国内初の臨界事故から十二年となる三十日、同村役場で毎
年恒例の朝礼があり、百人以上の職員が黙とうをささげた。
村上達也村長は訓話で、「もう十二年前のような経験はないと思っていたが、
最悪の福島第一原発事故が起きた。人に冷たく無能な国で原発を持つべきではな
い」と発言。「原子力に向き合う姿勢を正し、金のために魂を売ってはならない」
と力を込めた。
村上村長は事故当時も首長として収束に当たった。既に脱原発の姿勢を明言し
ており、「事故の、政府や東電の対応を見ると、JCO事故の後も原子力界の安
全神話体質は全く変わっておらず、教訓は生かされていない」と批判した。
朝礼は事故から十年が過ぎた0九年以降、毎年この日に実施。十二年前、バス
で住民を避難させた三十代の男性職員は「緊迫感はよく覚えている。村と原子力
の将来を真剣に考えないといけない」と話した。(2011.9.30東京新聞より転載)
★3.「フクシマに教訓生かされず」
JCO臨界事故から12年
○JCO臨界事故から12年目となる9月30日、各地で犠牲者への追悼や抗議の意
を表す集会が催された。福島第一原発の放射能漏れが今もとまらないなか、参加
者たちは政府や原発事業者らが事故の悲劇から何も学んでいない現実を改めて認
識していた。
1999年9月30日に茨城県東海村の核燃料処理施設で起きた臨界事故は、作業員
2人が重篤な放射線障害で亡くなった。救急隊員や周辺住民ら計667人も被ばく
させられた。
30日には市民団体や労組が都内で「12周年行動」を実施し、約100人が参加し
た。午前中に原子力政策を進める経済産業省前で抗議の声を上げた後、夜には講
演集会が開かれた。
○防災体制不備の共通点
講演した山崎久隆・たんぽぽ舎副代表は、JCO事故の周辺住民が風下の公民
館に避難させられて被ばくしたことと、福島原発事故で南相馬市の住民が飯館村
に逃げたために放射線防護すらできなかった事例を紹介。「いずれも政府が放射
能拡散を予測する『SPEEDI』を機能させずに情報を隠したからだ」と批判
した。
さらに山崎氏は、全国の原発での防災訓練が、JCO事故後も「大量の放射能
漏れは回避されて事故も数時間で収まる」との想定で続けられてきたと指摘。
「もし今後、別の原発で同じようなトラブルが起きても住民は逃げられない」と
言い切った。(2011.10.4連合通信より転載)
★4.1999年JCO臨界事故と2011年福島原発震災の教訓
たんぽぽ舎 山崎久隆
2011年9月30日
1 防災体制
1999年のJCO臨界事故は、日本の原子力史上初めて公衆の被曝を伴う事故
になった。
そのため、原子力災害対策特別措置法が1999年12月に制定されている。
初めての「10条通報」「15条に基づく原子力緊急事態宣言」3月13日発令
しかし本当にこの法律が発動されることは誰も想像さえしていなかった。
原子力防災訓練と言えば、「念のために」「気楽に」「反対派がうるさいか
ら」やるものだと思っていた人も多かった。
予定調和的に数時間後には収束し、放射性物質の大量放出は「回避される」
事になっていた。実際に避難区域として想定されるのは、常に2キロ圏内。
JCO臨界事故で起こった「10キロ圏内屋内退避」の訓練さえしたことは無
かった。
核燃料輸送に関する防災訓練は、そもそも輸送日時やルートが秘密にされて
いるため、想定されてさえいなかった。
2 福島原発震災と防災体制
原発の冷却不能が確認されたのは3月11日の18時33分
原子炉緊急事態宣言は11日19時03分
福島県が20時50分、3キロ圏内避難指示
政府の避難指示は21時23分
しかし翌朝7時になっても住民の避難は完了する見通し無し。
問題は方角の決定方法。文部科学省のSPEEDIが機能していれば、避難
指示に当たり風上方向を選べたはずだが、何ら情報が無いため、避難の方角を
決定的に誤ったケースが存在する。(南相馬市から飯館村等)
22:00の政府資料に依れば、「22:50には炉心が露出、24:50に燃料溶融、27:
20分に格納容器の破損が始まる」と想定されていた。その後このことが報道さ
れることはなかった。後日「メルトダウンがあったか無かったか」という不毛
な論争になった。実際には既に国も東電も予測していた。
3 JCOの時も同じ誤りを
当時は350メートル圏内を避難区域とし、10キロ圏内を屋内退避としたが、
近くの一般的な防災施設に移動したため、舟石川コミセンのように風下に当た
り、雨と共に放射性物質が降下し、却って被曝を招いたケースもあった。
SPEEDIが機能していたら、という問題提起は当時からあった。
JCO臨界事故の際はそれでもモニタリングポストは機能していたので、放
射能の流れはリアルタイムで把握が出来た。また、線量も比較的低かったので、
屋内退避でかなり防護できた。
しかし福島原発震災は、モニタリングが全く機能せず、唯一風向きや放射性
物質の流れをシミュレートすることが可能だった、130億円もかけて作った
SPEEDIのデータは国によって隠蔽されたため、避難誘導に全く生かされ
なかった。
4 情報を隠蔽した理由
情報を隠蔽した理由は「パニックを恐れたから」だという。むしろパニック
に陥っていたのは政府だった。隠し通せるはずも無いのに、肝心なときに情報
を隠蔽し、その結果無用な被曝を大勢の市民に強いた責任は、いずれ問われね
ばならない。
起きるはずの無い放射能大量放出の恐怖の前に、原子力を推進してきた省庁
の官僚はほとんど思考停止状態になっていたとしか思えない。その典型的な例
が斑目原子力安全委員長の言動だった。
5 JCOの教訓を生かせなかった国
臨界事故の際に、最も大きな問題となったのは「事故の収束を誰がするか」
だった。結局は原子力安全委員会の委員長代理が陣頭指揮を執り、JCOの職
員と近くにあった原研の職員が臨界を止めた。沈殿槽を取り巻く水を抜く作業
をしただけで臨界は止まったのだが、それでも最大120ミリシーベルト被曝を
した人が居た。
この教訓は、法定被曝限度を守っていたら、事故の収束は出来ない場合があ
ることを示していた。そのため緊急時にある程度の被曝を覚悟で事故収束をす
るメンバを募らねばならないという大問題が発生する。しかし福島原発震災が
起きるまで、この問題には誰も何もしなかった。暗に事業者の責任と言うこと
なのだろうが、手に負えないような場合をそもそも想定しないので、それで収
束できると勝手に決めつけていたのが現実だ。
発電所の職員では到底手に負えなかったチェルノブイリ原発事故では、旧ソ連
軍兵士の中から志願者を募ったが、60~80万人の兵士のうち1万人以上が既に
亡くなるという過酷な事態を生んだ。リクビダートル(清掃人)と呼ばれる彼
らの運命は、日本の福島原発労働者の将来の姿でもある。
そして、今後もこのような体制が続くならば、第二第三の福島原発震災と同様
の事態が発生するだろう。その時は誰が事故収束を行うのだろう。
JCO臨界事故で死亡した従業員と被曝した労働者と住民を、十分ケアしな
かったツケが、今に現れている。そのことは強調しなければならない。
★5.メールマガジン読者からの投稿
10/7『チェルノブイリ・ハート』上映会と田中優さん講演会
東京平和映画祭 イラク戦争8周年特別企画
『チェルノブイリ・ハート』上映会& 田中優講演
& トコトン質問コーナー with きくちゆみ
日 時:2011年10月7日(金)
18時30分開場、19時開演(全自由席)21時30分終演予定
場 所:国立オリンピック記念青少年センター センター棟102号室
定 員:200名(先着定員制)
申し込み:http://www.peacefilm.net/info/20111007.html
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[たんぽぽ舎 編集部より]
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