都の教育委員たちは、どのようにして育鵬社教科書を選んだか?
- 2011年 10月 8日
- 交流の広場
- 増田都子育鵬社教科書都教育委員
本年7月28日の東京都教育委員会会議録がやっと公開されhttp://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/gaiyo/gijiroku/2312teirei.pdf
件名内容が明らかになりました。
●6人の教育委員は、木村孟(委員長)、内館牧子 、竹花豊 、瀬古利彦 、川淵三郎 、大原正行(教育長)です。 関係する部分のみ以下に貼り付けますが、上記6人は憲法に保障された「請願権」の意味がまるで理解できていない!? ということが、まず、理解できます。「なお、請願に対しては、事務局において適切に対応していただくようお願いをいたします」ですって!? 請願者は、6人の教育委員の集う教育委員会の会議で審議するよう「請願」したのであって「事務局に適切に対応していただくよう」請願したわけではないのですが・・・
次に、教科書採択についての「審議」内容ときたら、内館・竹花・木村さんだけが発言し・・・この程度の内容では数分でしょうね・・・しかも、「66種131点の中学校用教科書見本」本を「丁寧に全ての教科書をチェックして」見たと豪語する内館さんにしろ、チェックしたのは「イラスト・デザイン」だけらしいことです。それだけで、投票!? に入り・・・
結果、一人は歴史・公民とも全て自由社に投票し、歴史では、一人だけ、育鵬社・自由社を選択せず、他の4人が全て育鵬社(彼らは公民も育鵬社)に投票しています。そして日本国憲法下で中学生に「最も適してい」ない教科書を「東京都教育委員会では、(中略)各委員が総合的に検討を行った上で、各都立中高一貫教育校等に最も適している教科書を適正かつ公正に採択しています。」と、厚顔無恥(無知?)にも主張するのです。
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【指導部長】(前略)お手元に配付されております別添の「請願の要旨」を御覧ください。昨日までに11件の請願が収受されております。そのうち、1ページの請願資料1を御覧ください。「東京都教育委員会における中学校歴史教科書の採択に当たっては、教育基本法や学習指導要領が定めた各目標に対して、十分に調査し、認識した上で、適正な教科書を採択すること」などを求める請願で、2ページから8ページにかけて、その趣旨の請願が3件載っております。
また、9ページの請願資料2について御説明申し上げます。「歴史及び公民教科書の採択に当たり、育鵬社及び自由社発行の教科書を決して採択しないこと。」などを求める請願が、9ページ以降、8件提出されております。それぞれの請願の趣旨や請願者氏名等の詳細につきましては、添付された資料のとおりです。
なお、請願には、その趣旨に賛同した署名が添付されているものもありまして、今、私の手元にあるものが原本になります。また、様々な団体や個人から要請・意見等を受けておりまして、請願資料1と同様の趣旨で20件、請願資料2と同様の趣旨で12件、合計32件の要請・意見等を承っております。
説明は以上です。
【委員長】 ありがとうございました。都立中学校、都立中等教育学校(前期課程)及び都立特別支援学校の小学部・中学部用教科書の採択について、御説明をいただきました。ただいまの説明に対しまして、何か御質問等がございますか。
よろしゅうございますか。特に御質問、御意見がありませんようでしたら、議事を先に進めたいと存じます。
なお、請願に対しては、事務局において適切に対応していただくようお願いをいたします。よろしくお願いいたします。
ただいま御説明いただきました件について、教科用図書選定審議会の答申に基づきまして協議を進めていきたいと思います。
(中略)
各委員の皆様には、一定の時間の中で効果的に議案の審議を進めていただくため、既に66種131点の中学校用教科書見本はもちろんのこと、教科書採択資料及び教科書調査研究資料などの資料についてもあらかじめ御自宅等に送付させていただいております。これらの各種資料等を参考にされまして、採択する教科書を十分御自分で御検討いただき、各自御意見を整理いただいているものと考えます。
そこで、委員の方々からの投票の前に、全教科を一括して何か御意見があれば表明していただく機会を設け、その後、審議を行いたいと思います。
【委員長】 それでは、第61号議案から第210号議案まで、都立中学校及び都立中等教育学校(前期課程)で使用いたします文部科学省検定済教科書について審議を行います。
10校の学校ごと、種目ごとに議案として無記名投票によって採決いたしますが、投票に先
立ちまして、何か御意見等がございますか。
【内館委員】 内容の問題では全くないのですが、毎回、採択のたびに丁寧に全ての教科書をチェックして思うのですが、今年も、さすがにこれはどうかなと思ったのは、余りにもレイアウトがうるさすぎることです。全部をぎゅうぎゅうに詰めているばかりか、写真とイラストと漫画、それに最近はゆるキャラまで入っています。また、大事なところには最初からアンダーラインが引いてあったり、字の色が変えてあったりします。これは、教科書という硬いイメージを払拭して、より生徒に親しんでもらおうという工夫の表れだろうとは思いますが、余りにもレイアウトが騒々しくて、必要のない写真が多すぎて、それに漫画が入って、ゆるキャラが入って、アンダーラインが入って、字の色が変わっています。アンダーラインというのは、本来、生徒が自分で引くものですし、字の色を変えるのも自分でマーカーするものであろうと思います。それから、英語では、例えば「dog(ドッグ)」とカタカナが振ってあったりします。ここまでの騒々しい工夫が果たして要るのだろうかと思いました。
私は、丁寧にページをめくりながら、これでは学ぶ生徒たちが、もうわけがわからないのではないかと思いました。後ろの方を見ましたら、プロの集団がレイアウトし、編集デザインをしているわけですが、プロの集団が喜んでこのデザインをしたとは、私、美大卒の端くれとして思えません。ということは、どこかから、これだけのものを全部入れてくれ、こうしてくれ、などの要望があるのではないかと感じました。
どの教科書も全てそうですが、もう一度、生徒のために、きちんとしたレイアウトをして学ばせる必要があるということを考え直していただかないといけないのではと思いました。イラストを見ると、漫画の場合は指を立てて「わかるかな」と言っているんですね。それから、腕を組んで、「わからないわ」と悩んで、顔に汗が出ていたりするわけです。こうした漫画が要るでしょうか。
地図帳などにしても、私は自分が中学生のときの地図帳を今でも持っているので比べてみましたら、昔の中学校用の地図の方がずっとわかりやすいです。これは実際にあったわけではありませんが、例えば、南極や北極に流氷の絵が描いてあったり、ペンギンの絵が描いてあったり、飛行機が飛ぶ絵が描いてあったり、これが要るだろうかと思いました。私は、日本の子供はここまでしなければ教科書を開かないほど勉強をしないとは思っていません。
これは全ての科目の教科書に言えることですが、つくづく、ここは教科書をつくる大人たちが抜本的に考え直す必要があると思いますので、申し上げておきたいと思います。
以上です。
【竹花委員】 内館委員の意見に全面的に賛成します。選ばなければいけないので選んでいますが、子供たちに考える力、あるいは、いろいろ応用する力が大事であると言われているのに、これでもかというくらいで、それはやはり考える力を養う教科書とは違う方向ではないかと思いました。
教科書を作成する方々には、中身もさりながら、子供たちが今置かれている教育の課題に応えるような教科書の表現の在り方について一工夫してくださるように、この場で期待を表明したいと思います。よろしくお願いします。
【委員長】 私も同感です。日本の場合、教科書は無償ですから予算に限りがあるということで1ページに内容を詰め込んでしまうことや、また、イラスト等を多くして生徒をひきつけようとする今の時代の流れに迎合しているということもあるかと思います。前に御紹介申し上げましたが、ある企業が世界中の教科書を集めていまして、私はそれを見せていただきました。私はイギリスにいましたので英国の教科書なども見ていますが、外国の教科書はゆったりしていますね。ほとんどの教科書が大判で、内館委員がおっしゃったような漫画などはほとんど入っていない。多少イラストに近いものがありますが、非常にゆったりしています。日本の教科書を見ていると、満員電車に詰め込まれたような感じがしますね。
つい最近、ケンブリッジで作成している教科書を1シリーズ見ましたが、やはりゆったりしているという感じを得ましたので、何か工夫していく必要があることを、徐々に我々の声として中央に向かって上げていく必要があるのではないかと思います。
よろしゅうございますか。───〈異議なし〉───
それでは、早速ですが、第61号議案から第210号議案まで、都立中学校及び都立中等教育学校(前期課程)で使用する文部科学省検定済教科書の採択について、無記名投票による採決を行います。
第61号議案から第210号議案までの投票用紙の配付をお願いいたします。投票用紙は14枚あります。配られてから御説明いたします。
【委員長】 御確認いただきたいと思います。1枚目が国語、2枚目が書写、3枚目が社会(地理的分野)、4枚目が社会(歴史的分野)、5枚目が社会(公民的分野)、6枚目が地図、7枚目が数学、8枚目が理科、9枚目の左側が音楽(一般)、右側が音楽(器楽合奏)、10枚目が美術、11枚目が保健体育、12枚目が技術・家庭(技術分野)、13枚目が技術・家庭(家庭分野)、14枚目が英語です。
それでは、早速ですが、御投票いただきたいと思います。
【委員長】 よろしゅうございますか。
それでは、回収をお願いいたします。
【委員長】 ただいま御記入いただきました、第61号議案から第210号議案までの都立中学校及び都立中等教育学校(前期課程)で使用いたします文部科学省検定済教科書につきましては、現在集計をしておりますので、その他の教科書採択について審議を進めたいと存じますが、よろしゅうございますか。───〈異議なし〉───
(中略)
【委員長】 それでは、1件ずつ進めます。1ページを御覧ください。
(中略)
次に、社会(歴史的分野)に移ります。
議案第91号、都立白鷗高等学校附属中学校は、育鵬社4、教出1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第92号、都立小石川中等教育学校(前期課程)は、育鵬社4、東書1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第93号、都立両国高等学校附属中学校は、育鵬社4、東書1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第94号、都立桜修館中等教育学校(前期課程)は、育鵬社4、教出1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第95号、都立立川国際中等教育学校(前期課程)は、育鵬社4、教出1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第96号、都立武蔵高等学校附属中学校は、育鵬社4、東書1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第97号、都立富士高等学校附属中学校は、育鵬社4、東書1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第98号、都立大泉高等学校附属中学校は、育鵬社4、教出1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第99号、都立南多摩中等教育学校(前期課程)は、育鵬社4、教出1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
議案第100号、都立三鷹中等教育学校(前期課程)は、育鵬社4、東書1、自由社1で、過半数を取った育鵬社に決定いたします。
次に、社会(公民的分野)に移ります。
議案第101号、都立白鷗高等学校附属中学校は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第102号、都立小石川中等教育学校(前期課程)は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第103号、都立両国高等学校附属中学校は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第104号、都立桜修館中等教育学校(前期課程)は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第105号、都立立川国際中等教育学校(前期課程)は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第106号、都立武蔵高等学校附属中学校は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第107号、都立富士高等学校附属中学校は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第108号、都立大泉高等学校附属中学校は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第109号、都立南多摩中等教育学校(前期課程)は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
議案第110号、都立三鷹中等教育学校(前期課程)は、育鵬社5、自由社1で、育鵬社に決定いたします。
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