孫崎享氏のTwitterより“中国評価、TPP、中国海軍戦略、自国民殺害許可、日米関係、イラク、原発立地補助金”など
- 2011年 10月 11日
- 時代をみる
- 孫崎享
■2011年10月10日(月)
中国体制評価
・中国(体制をどう評価するか):講演で中国が民主主義でないことをどうみるかの質問。その時の答え。英国にロバーツという歴史家。.彼は全10巻からなる『世界の歴史』を記述。中国の勃興が世界の注目を集めるはるか前、1998年に次の記述。・ 中国革命は、人類が行った最も壮大な試みの一つ。七世紀のイスラーム教の拡大や、一六世紀以降のヨーロッパ文明の世界進出以外に匹敵。中国革命が大きく異なっていたのは、それが特定の指導者(毛)にコントロールされ、方向性が定められていた点。中国人は伝統的に権威を重んじ、その権威に高い精神性を求めつづけた人びと。これは西洋で遠い昔に失われた現象。個人よりも集団が重視されるべきこと、政府が国家の事業のために国民を動員する権限をもつこと、公共の利益のために行使されているかぎり政府の権威は絶対・中国では権力は「天」から授かったもの、統治者は民衆のために善政を行い、伝統的な中国文明の価値観を守るかぎりにおいて、その正当性を民衆から認められるという文化的伝統」 世界の長い歴史を研究してきたロバーツは「中国政府が民主主義という枠に該当しているか、否か」で中国政府の正当性を論じていない。現在行われている政策がどこまで「公共の利益のために行使されているか」を尺度。
「中国は民主主義体制でない」と批判する人々は日本と中国とどちらが「公共の利益のために行使されているか」を問えば良い。誰も日本の政府の方が「公共の利益のために行使されてる」と主張できないだろう。数年に一度投票し、約束すっかり無視されるのが日本の民主主義。現在みれば明白。
(10月10日 posted at 16:35:31)
■2011年10月09日(日)
危惧した事態
・TPP:危惧した事態がきた。野田首相の頭には従米で生きのびることしかない。普天間しかり、TPPしかり。日本、米国の属国化の道ひたすら。9日読売「野田首相は、11月APEC首脳会議で、TPPへの交渉参加を表明する意向を固め、関係省庁に参加表明に向けた準備に着手するよう指示
(10月09日 posted at 08:01:26)
中国海軍戦略
・中国海軍戦略:1980年代半ば、中央軍事委員会は「近海防御」と呼ぶ海軍戦略を承認。目的は(1)海からの侵略に抵抗(2)領土を守る(3)海洋権益を守る。中国の経済的、外交的利害が近海を越えることを反映し、中国軍はフイリピン海、及びそれを超えての遠海に軍事的任務を遂行。その中、中国の軍人、第一次列島線、第二次列島線に言及。第一列島線はカムチャッカ半島から、千島列島、日本、南西諸島、琉球諸島、台湾、フィリピンを繋ぐ線。第二列島線は日本からグアム島を繋ぐ線。日本では中国はこれまで第一次列島線内を内海的扱い、それを第2次列島線まで拡大する野心を増強と解説。米国学者コール(国防大学教授)は第一列島線の内側である近海でシー・コントロールを維持し、第一列島線と第二列島線の間ではシー・ディナイアルを意図と説明。シー・コントロールは“自由に海洋を利用し、必要な場所で敵の海洋使用を拒否する環境”を作ること。一方、シー・ディナイアルはシー・コントロールにおいて敵の利用を拒否するのとは異なり、“ある海域を利用する意志または能力を有しないが、敵が当該海域をコントロールすることを拒否する”こと。
(10月09日 posted at 08:27:08)
平山コレクション展
・案内:8日~11月6日―平山郁夫コレクション―ウズベクの布と器・横浜シルク博物館。ウズベク独立後経済困難に。一人当たり月300$が20$程度に。芸術崩壊。陶芸も。各地の貴重な陶芸技法消滅の危機。平山氏に資金提供をお願いし、収集し、作者の活動基盤に。それを持ち帰り今平山コレクション。
(10月09日 posted at 08:46:05)
自国民殺害許可
・暗殺:Awlakiは米国生まれイスラム過激派に属す。9月30日イエメンでドローン機発射ミサイルで殺される。8日NYTは「オバマ政権は昨年殺害許可の文書を作成した。自国民の殺害許可は米国国内法等に抵触のおそれ」
(10月09日 posted at 09:01:14)
巧妙な操作
・属米と繁栄(?):日本人は過去20年ひたすら属米の道を進んだ。不思議に属米で日本繁栄と思っている。しかし過去20年何だったか。日本は経済的に「失われた20年」。「失われた20年」を経験しながら、何故属米が繁栄につながると多くの国民が思うのか解らない。ー答えは巧妙な操作だけど
(10月09日 posted at 09:12:53)
暗殺
・Rall: Obama claims the right to assassinate anyone, including a US citizen against whom no evidence has been presented to the public.
(10月09日 posted at 09:37:19)
■2011年10月08日(土)
日本が負ける仕組み
・TPP;焦点まだ。しかし、今一つ重要な点は米国企業が、日本政府等を訴えられること。裁くのは調停委員会。問題は調停委員会がどうなるか。国際政治では調停委員の構成で結論が大きく左右され、公平性が担保されず、普及しない。ボクシングのジャッジを考えれば良い。日本側、米国側、中立を装う代表。
しかしTPPが基本は米国主導、この中立的な者は基本的に米国寄りが選出される。このことは、調停委員会にかけられれば日本が続々負ける仕組みになる。米国でのトヨタ一つとっても公平期待できず。ここに今、米国内で職を失っている米国弁護士が群がる。
(10月08日 posted at 08:12:49)
薬品業界
・TPP:米国スタンダード導入で、致命的打撃を受ける業界に薬品業界がある。米国企業に席巻されるだろう。
(10月08日 posted at 08:46:44)
治外法権
・米・イラク情勢:米軍駐留は一応本年末まで。今、米国、米軍をイラクに滞在させることで圧力行使。7日星条旗新聞は「イラク側は(戦闘要員でなく)訓練をする者として数千名の駐留を許可する意向。但し治外法権を認めない意向表明。米国側は治外法権認めないなら滞在しないと反発」
(10月08日 posted at 08:57:19)
周辺地域整備金
・原発(周辺地域整備金):周辺地域への財政支出止めれば止まる。しかし政府は相変わらず提供に必至。6日産経BIZ「全国で計画中の原発14基の着工が重なり、地元自治体への立地交付金が不足するのを防ぐ名目で積み立ての周辺地域整備資金、会計検査院は経済産業省に657億円減額できると指摘」
(10月08日 posted at 09:10:17)
交渉妥結断念
・TPP:とりあえず朗報:「TPP交渉参加9カ国が、11月のハワイでのAPEC首脳会議までの交渉妥結を断念」「APEC首脳会議までに”大枠合意”を目指していたが、草案や関税撤廃交渉で各国の意見対立が残る。”重要分野で共通見解に至ったとの発表にとどまる”公算が大」
(10月08日 posted at 11:29:34)
『原発と日米関係』講演会
・講演案内:10月15日18:10孫崎享さん講演会『原発と日米関係』かながわ県民センター参加費500円、主催:時を見つめる会
(10月08日 posted at 20:22:29)
孫崎享氏のツイットhttp://twitter.com/magosaki_ukeru
を許可を得て転載。孫崎享氏は元外交官・元防衛大学校
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1659:111011〕
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