小出先生、原子力委員会「話にならない人たちだ」
- 2011年 10月 27日
- 交流の広場
- 原子力委員会原発小出裕章松元保昭
永岡です、毎日放送ラジオ「たね蒔きジャーナル」、今日はMBSアナウンサーの上田崇順さんの司会、毎日新聞専門編集委員の近藤勝重さんの案内で放送されました。
原発のニュース、東海第2原発で圧力容器から放射能を含む水が漏れ、外部への放射能漏れはないと言うのです。水漏れの警報があり、ねじを誤って止めたためで、4人が放射能の水をかぶった、200トン漏れたと言うことです。
そして、小出先生のお話、リスナーの質問の特集です。茨城の人より、日本では10月26日が原子力の日であり、京大実験所でイベントはあったかについて、「何もない」と言うことです。原子力の日は、動力試験炉(実験炉、東海村)の動いた日なのです。IAEAへの加盟の決定した日でもあるという近藤さんの指摘もありました(このことは小出先生ご存じでない)。小出先生には忌むべき日なのです。原子炉実験所は基礎学問のところで、原発推進ではない、今日何もなかったのです。
大阪の人より、あちこちで放射能が見つかっていますが、日本中で検査したら、高いところが出てくるかについて、福島事故による汚染では関西は少ないが、ホットスポットのできる可能性はある(雨どいの下など)。関西は限定的、関東、東北は全体がホットスポットのところもあり、雨水が集まり、高濃度になります。関西で調査を行政に依頼しても難しい、放射能の測定は技術が要り、簡易型の測定器では正しい測定は出来ないからです。
岩手の一関の人から、某有名教授が70ミリシーベルトに達する可能性、風向きが悪く、福島の放射能が北の風下になり、ホットスポットになっている、地域の汚染はあるが、年70ミリもの汚染にはならないとのことです。専門家に測ってもらわないといけない、市内でも高いところ、低いところがあるのです。
所沢の人より、狭山茶の産地であり、全銘柄の検査があり、お茶にセシウム137が400ベクレル、大丈夫かについて、放射能に大丈夫と言う言葉を使わないで欲しい、被曝は微量でも危険、どこまで我慢するか一人一人が判断するもので、お茶は汚れている、神奈川も、静岡も汚れている、100~200ベクレルは「あきらめないといけない」、お茶は日本人に必須,断てないので、我慢するしかないのです。
牛乳も、大丈夫ではないが、子供には汚染の少ないものを選び、大人はあきらめるしかないのです。が、買う牛乳にどれだけあるか分からない、東電が全部測定して知らせるべきで、しかし政府、東電も野放しであり、消費者に正確な情報がない、注意は、産地を見て、子供には東北、関東のものは与えない方がいいのです。
海外、チェルノブイリでは、表示もあり、「日本は困った国だ」、政府、東電もそうする責任があるのに、やっていないのです。それは、結果が悪いと、原子力行政に悪影響と意推測されるのです。
愛知の人から、冬になり、雪が降る、土壌の放射能を遮断すると言われたことについて、原理的には本当で、積雪が何mもなら遮蔽されるが、普通の生活では何mも積もらない、10cmくらいでは効果はないのです。また、雪は子供が食べて大丈夫か、空気中に放射能が漂う時(3月)は食べてはダメ、今はなく、今の雪は大丈夫、地面に積もったら、雪に汚れが移り、触らない方がいい、雪解け水に放射能が入るのです。
東京・品川の人から、ガンダーセンという人の話で、セシウムの再揮発が東京であると言うのですが、これについて、また、再揮発でホットスポットの出来る可能性について、再揮発は使ったことはない、再浮遊を使っている、地面に積もったものが風で舞い上がる、降ったセシウムが土にあり、風で舞い上がり、別の場所に入ることはあるが、揮発はないとのことでした。
今日はリスナーの質問への回答の特集でした。
=====九州講演から=====
永岡です、10月22日に小出先生、九州で2か所でも講演され、その映像がネットに載っていました。
川内原発を抱える川内市内での講演内容が7つに分かれて、また第14回脱原発講座、原発の立地を認めることの意義と題してのもの(合計2時間半ほど)が載っています。小出先生の講演内容は過去と類似しており、後者から、最後の質疑の部分を書き起こししましたのでお知らせいたします(前者の質疑応答も後日アップされるそうです)。
(1) 福島原発事故の海への汚染について:東が海であり、陸の汚染は調べられ汚染地図もできるが、広島原爆170発分と分かったが、海の方は分からない、陸ほど正確には分からない、空気の汚染が海にもあり、汚染水が膨大にあり、地下にしみだして、汚染を海に広げている、膨大な海水で汚染は希釈されるものの、なくなるのではない、これから汚染は広がり、食卓に出てくる、海草に出てくる、福島の海草は汚れるが、それを公表したら福島の漁業は崩壊するものの、政府はデータを公開しない、汚染した魚が出てくるのです。文科省を含めて変わっていないのです。
(2) 3号機のM0X燃料、混合酸化燃料で、プルトニウムも使う特殊なもの、プルトニウムは最強の毒物であり、1/100万gで肺がんになる、そんなことをやってはいけないのにMOXをやっている、玄海でもやっている、3号機の破壊が一番ひどい、プルトニウムの流出が懸念される、MOXを使わなくても、原子炉を使えばプルトニウムが出来る、1,2号機にもプルトニウムがあった、3号機は付け加えた、1,2号機も心配であり、セシウムだと、2号機の破壊が一番心配なのです。
(3) 除染作業:日本の国はきれいになるかの幻想を振りまいているが、除染は出来ない、放射能は消せない、どこか場所を移すだけであり、きれいにならない。しかし除染はやれと言っている、子供たちを被曝から守るため、学校の校庭、幼稚園、家庭の庭は表面の5cmの土をのけたら被曝は9割減る、それはやってほしいと思っている、どけた土をどこかに移さないといけない,川内市が汚染されたら、全体、田畑、川べりも放射能に汚染されたら、除染は出来ない、土をどけてもなくならない、除染できれいにならないのです。
(4) 建屋の覆い:カバーを作っているが、大量に噴出したのは事故後10日であり、風に載りあちこちを汚染した、大地を汚した、10日以降は収まっている(1/100万、しかし安全ではない)、仮設の覆いを作っているがあれではだめ、チェルノブイリのように石棺がいる、25年たち、石棺もボロボロ、それを第2石棺で覆わないとダメ、福島は仮のカバーであり、石棺がいる、小出先生の生きている間に見られるが、25年たちダメになる、その第2石棺は小出先生は見られない、若い人は第2石棺、その次の石棺も見ることになる、何十、何百年続くのです。
(5) 瓦礫の扱い:全国にばらまいているが、正しくない、福島の周辺での震災瓦礫、放射能で汚れて、膨大な量であり、福島だけで処理できない、子供も住んでいる、これは早急に何とかしないといけない。日本には瓦礫の処理施設は各地にあり、しかし、今の状態で瓦礫を処理したら放射能をばらまく、放射能を防ぐ装置を付けてからでないと、瓦礫の処理をしてはいけない、全国で瓦礫を処理しないといけないが、放射能を捕まえても、焼却施設に放射能が残り、汚染の正体は原子炉の中にあったもの、東電の所有物であり、それを勝手にばらまいた、東電に帰すのが筋であり、焼却灰は東電に帰す、東電本社に持っていく(会場拍手)、それが無理なら、石棺を作らないといけない、地下水の汚染を防ぐ遮水壁のためにコンクリートがいる、瓦礫を処理したものを、そのために使えばいい、原発の中の膨大な放射能を閉じ込めるには、こちらの武器として使うのはいいと思われるのです。放射能は拡散させてはいけない、放射能は福島に帰すべきなのです。
以上、小出先生のお話をお知らせいたしました。
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。