母の味
- 2010年 7月 3日
- 交流の広場
- ノーテンキー
初めて夫の実家を訪れたとき、義母(以下 母)の手料理が美味しかった。特に煮物の砂糖と醤油味のはっきりした、やや濃い目の味が嬉しかった。義父(以下 父)が言った。「○○子(妻の名)さんが嫁いで来て初めて作った味噌汁を私の母に『薄い、お味噌を足して』と言われ、素直に従った。その他色んなことを『はい、はい』と聞き入れたので私の両親にとても可愛がられた」と。嫁教育と思っただけだった。その父が数年前に他界し、それ以後の母の味が薄味に変わった。、それはそれで素材の味がよく分かり美味しい。訊けば父の死後同居するようになった娘の「濃い味付けは好きじゃない」の一言で変えたと言う。それを聞いて今では死語だと思っていた「女 三界に家なし」が蘇り唖然とした。尤も今日では「老いては医者に従え」が大部分なのだろう。娘(義妹)は医者の言うことを守らない母を何とかしなくちゃ!と思ったのかも知れない。また思い出した「吉凶は糾える縄の如し」
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。