「汚染者負担の原則は東電を許さない (1)」などー 地震と原発事故情報 その317
- 2012年 2月 2日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
4つの情報をお知らせします(2月1日)
★1.汚染者負担の原則は東電を許さない (1)(槌田敦)
★2.<テント日誌 1/30(日)>
今日は“テントから社会が視える”一日だった
― 経産省前テントひろば 142日目 ―
★3.たんぽぽ舎の風景―今日は特別に賑やかだ
ボランティアの皆さんが封筒発送やパンフレット作成など…
★4.メルマガ読者から、講演会のお知らせ2つ
イ.エネルギー勉強会連続セミナー第2回
ロ.2/12矢ヶ崎克馬さん(琉球大学名誉教授)講演会
「隠された内部被曝の危険」
★1.汚染者負担の原則は東電を許さない (1)
槌田敦
【毒物まいて「無主物」という東電の主張】
2011年8月、二本松市にあるゴルフ場が、東電に汚染の除去を求めて仮処分裁判を起こしたが、東電は、「原発から飛び散った放射性物質は、東電の所有物ではなく無主物であり、東電は除染に責任をもたない」と回答した。東京地裁の決定は敗訴であった。
裁判所は「無主物」には立ち入らなかったが、もしも裁判所が「無主物」との東電の主張に与することになれば、これまでの公害裁判の歴史は一挙に否定されることになる。
【汚染者負担の原則PPP】
OECD(経済協力開発機構)は、1972年、公害対策に出費した企業と公害対策をしないで費用を節約した企業の不公平を解決するため、汚染者が汚染により生ずる費用を支払うという原則(poluter-pays principle PPP)を勧告した。
1969年に水俣病患者はチッソを被告として第一次訴訟を起こしていたが、この「汚染者負担の原則」を掲げて勝訴することになる。
日本では、この原則を、企業と企業の関係だけではなくて、被害者と加害者の関係にも適用し、「汚染原因者の負担」という意味で多くの公害裁判で使われることになった。汚染による損害の「支払い」だけではなく、支払いを含む広義の「負担」をする原則である。今回の福島第一原発事故による災害についても、この汚染者負担の原則により、解決が進められることになる。
「汚染者負担の原則」は、具体的には、刑法と民法の適用で実施される。刑法204、205条(致死傷罪)に加えて、刑法第211①条(業務上過失致死傷罪)が規定されている。また、民法709条(故意または過失による損害賠償責任)、710条(財産以外の損害賠償)が規定されている。この条項によって精神的苦痛に対する慰謝料の請求が可能となる。(以下、次号に続く)
★2.<テント日誌 1/30(日)>
今日は“テントから社会が視える”一日だった
― 経産省前テントひろば 142日目 ―
1月30日(日) 快晴。
国会前で座り込みをしていると、テントから情報が入った。在特会(在日特権を許さない市民の会)がテントに押しかけてくるという。時間ははっきりしないが午後の早い時間らしい。留守番を残してテントに向かった。彼らが現れたのは午後1時過ぎ30人弱か。
ヘイトスピーチの名に恥じぬ差別、排外、罵詈雑言を我鳴りたてる。日本語という言語をこれほどまでに下品・下劣なものにものにできるのか・・・と思える程。
他の民族派団体の諸君はどう感じているのだろうか。
テントは徹底して沈黙。これは、単に挑発に乗らないという防御姿勢と解すべきでない。彼らのあまりの低劣さに対する黙殺である。黙殺は防御ではなく攻撃だ。彼らはこの黙殺に苛立ち、眼を血走らせて挑発するが、やがて疲れて無力感に陥る。
天に唾するとはこのことだ。暴力の温床は差別である。差別の裏側に怯えがある。
関東大震災のときの朝鮮人虐殺はこの怯えに突き動かされた。在特会の妄言もこの類いである。
テントの巨匠乱鬼龍の至言“テントから社会が視えた”“歴史が視えた”1日だった。( T/E )
テントひろばにメールで寄せられた便りです。
(メールの送り先はtentohiroba@gmail.com 地域名・性別・年齢をご記入いただければ幸いです。)
◎テントのみなさま
凍てつく日々、底冷えにどんなに耐えていらっしゃることかと案じております。
谷さん すっかり元気になられましたか。抗議大集会の折久しぶりにお顔を拝見してほっといたしました。
“枯れ木”でも必要なことが起きましたらいつでもお声をかけてくださいませ。
どうぞくれぐれもお身体お大切に。 O・T(女性 埼玉県新座市)
◎経済産業省前は福島反原発闘争の最も大切な拠点ですね。デモや集会も大切だが人々がいざという時に集まれる「確定された場」としてこれからも大きな意味を持って行くと思う。頑張りましょう。
◎お忙しいところ恐縮です。27日16時からのデモに参加させて頂きました○○と申します。当日、人が多くテントに近づくことができませんで、ご様子が分からない状態での申し出で恐縮です。添付画像にある床に敷くタイプのマットが22枚うちにあります。色は茶色と薄いピンクの二種類ありま す。
もし、お役に立つようでしたら明日29日(日曜日)、テント広場まで運ばせて頂きたくお願い申し上げます。小さい子がいるので平日に荷物持参 で伺うのは難しいので、伺えるとしたら週末になります。どうぞよろしくお願いいたします。
★3.たんぽぽ舎の風景~今日は特別に賑やかだ
ボランティアの皆さんが封筒発送やパンフレット作成など…
柳田真
たんぽぽ舎は、多くのボランティアの心温まる支援労働で何とか大量の仕事をこなせている。特に昨年の3.11大震災後の、山のように押し寄せる問い合わせ、講師依頼、食品や水、牛乳などの放射能汚染調査など大半がそうだ(たんぽぽ舎の専従者は財政事情もあり、一人)。
1月31日(火)は特に賑やかだった。20人強の人々がいくつもの班に分かれて労働。反原発自治体議員市民連盟の定例事務局会議とボランティアで10人余、メルマガ発信やたんぽぽニュース発送や印刷、丁合いなどにも10人強で、計20人を超すと、80平方m弱の事務所が狭く感じられる。
ボランティアのA子さんから発送作業の後、小出裕章さんの著書「子どもに伝えたい―原発が許されない理由」(2011年9月刊、東邦出版、130頁、1200円+消費税)を10冊贈呈したい(広めて欲しい)という嬉しい話があった。子どもたちに伝えたいとして、4章からなる、やさしく書いた本であり、私も初めて見た。
原発の誕生と現実~恐ろしい破壊兵器(1章)から始まり、4章:今私達がすべき事~安全な未来へ向けて、の内容で大人にも読みごたえのある内容だ。ボランティアの人びとからの諸々の情報が貴重だ。
全体に女性が圧倒的で、男性が少ない。男性である私はもう少し、男性ボランティアに来て欲しいと思うが、いかんせん…。
数少ない男性ボランティアのYさんは事務職員という経歴だけに事務作業の手際の良さは凄い!毎週、火、水の2日間来ていただいている。廃原発一筋で25年間やってこられた。たんぽぽ舎はこうした人々に支えられて、正念場の2012年を努力してやり抜こうという思いになる。
身体も(年相応に)、フトコロもだいぶ”ガタ”がきているが、しかしボランティアの心意気に励まされて自分の精神の高まりを感じる。日々、充実しすぎる毎日の人生を送れる自分は幸せ者かもしれない。忙しいけれども…。
★4.メルマガ読者から、講演会のお知らせ2つ
イ.エネルギー勉強会連続セミナー第2回
【差し上げます、「便利」と「安全」-オールジャパンで原発輸出
-危険と不安のおまけつき】
原発の問題は、日本国内だけを見ていても解決しません。
原発問題を広い視野をもって考えてみませんか。
●日 時:2012年2月11日(土)13:00~17:00
●会 場:早稲田奉仕園リバティホール
http://www.hoshien.or.jp/map/map.html
●参加費:無料
●講 師:田辺有輝さん(「環境・持続社会」研究センター)、
満田夏花さん(FoEJapan、メコン・ウォッチ)
●共催:アジア太平洋資料センター、APLA、アーユス仏教国際協力
ネットワーク、開発教育協会、日本国際ボランティアセンター、
メコン・ウォッチ
●協力:「環境・持続社会」研究センター、日本大学法学部佐渡友ゼミ
お申し込み、詳細は
http://www.dear.or.jp/getinvolved/e120128.html まで
ロ.2/12矢ヶ崎克馬さん(琉球大学名誉教授)講演会
「隠された内部被曝の危険」
日 時:2月12日(日)14時半~17時
場 所:ニコラバレ9階(四ツ谷駅麹町口1分)
資料代:500円 申し込み不要
「年間100ミリシーベルト以下の健康被害はわからない」と信じている方、それは「わからない」のではなく「隠されて」きました。
核戦略のためにかくされた歴史と、内部被曝のメカニズムを知って、子ども達を守っていきましょう。
心配しているお母さんは勿論、「大げさじゃないの?」と思っておられるお父さんにこそ、是非聞いていただきたい講演です。
<脱原発・自然エネルギーを考えるカトリック市民の会>
連絡先:三上 090-4396-7446
http://www.labornetjp.org/EventItem/1328011633722takaheims
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[編集部より]
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