孫崎享氏のTwitterより“TPPでない。円高対策だ/「ダレスの恫喝/えせ愛国者は、緊張を高めることを愛国と勘違い”など
- 2012年 2月 7日
- 時代をみる
- 孫崎享
エジプト 外国人の金銭的選挙介入を禁止
エジプト:エジプトでは外国人の金銭的選挙介入を禁止。これに違反したとして外国人逮捕中。6日WP「外国人40名、内19名米国人の訴追予定。米国の民主党、共和党系双方の民主化促進NGO。内、米運輸長官の息子も。クリントン長官、一三億ドルの対エジプト支援に影響が出ると脅し」
2月6日
TPPでない。円高対策だ
円高:今、日本の政治家や経済界や官僚が知恵を総動員して真剣に対処しなければならないのは増税でない。TPPでない。円高対策だ。歴史を見れば、1985年のプラザ合意以来、米国は意識的に円高にし、日本の輸出を止めてきた。5日読売「ものづくり大国に危機…製造業、決算総崩れ」
2月5日
ロシア・デモ 道路全部使いクレムリンへ
ロシア・デモ:「プーチンなきロシア」の垂れ幕持ち、デモ。-20度の中12万人参加。2時間クレムリンへ1.6KM行進。道路全部使い、介入無し。我々はロシアは民主化遅れていると思ってる。でも東京で道路全部使い行進できるか。警察取り囲む。少なくともデモで意思表示はロシアが日本より民主的
2月5日
「ダレスの恫喝」
北方領土:新しい息吹。ある団体会長の本年度所信表明です。【戦後レジームからの脱却による精神的な自立~北方領土問題解決に向けて~】北方領土問題の歴史を紐解くと、1945年に日本がポツダム宣言の受諾後、北方領土はソ連が占領。51年に日本はサンフランシスコ平和条約に調印、ソ連は調印していないとはいえ、この条約で千島列島の記載が曖昧だった事が、この問題を複雑にしている第一の要因。その後56年、重光外相は、色丹島・歯舞諸島の2島返還を受諾し日ソ平和条約を締結する決意を固めたが、これを最終的に遮ったのは、ダレス国務長官、「日本が2島返還で日ソ平和条約締結なら、米国は沖縄に永遠に留まり、琉球政府の存続も認めない」と日本を脅し平和条約締結を阻止。俗にいう「ダレスの恫喝」、時あたかも冷戦、太平洋を支配したい米国にとって当時、日ソ平和条約締結は脅威だったと推測出来る。千島列島の記載を曖昧にし、問題の火種となったサンフランシスコ平和条約の草案にもダレス国務長官が深く関与の事実も含めて、北方領土問題は様々な軍事的策略の思惑が絡み合っており、私はこの問題解決も我が国が戦後レジームから脱却するための絶対条件であろうと思っている。」事実を直視し発言出来る人が出てきた。
2月5日
「米国に追随が何よりも大事」
5日読売社説批判・沖縄:この新聞ここまできてるか。「安易な対応を重ねれば、政策課題に真剣に取り組んでいる官僚の士気をくじき、防衛行政自体を弱体化させかねない」だから国家公務員法違反の疑いを軽く見ようと、「違法行為はなかったとの防衛省判断は、基本的に妥当」「日米関係を不安定化」
読売社説の言っていることは「米国に追随が何よりも大事。そのため公務員は法を犯るぎりぎりをしてもいい、これを咎めることは追随に邁進している公務員の意欲削ぐから、法違反は大目に見ろ」ということ。法律守る事より追随が大事だというのだから大変な社説だ
2月5日
枝野氏やっぱり原発再稼働に動き出す
原発:しばらく低姿勢だったが、枝野氏やっぱり原発再稼働に動き出す4日時事「ある程度の時期までは原発を使わざるを得ないと指摘。安全性の確認を経て再稼働を進めると強調」、現在の原発稼働状況と発電量みれば、脱原発は現実的に可能。「ある程度の時期までは原発を使わざるを得ない」でなくいける
2月4日
イラン・石油
様々な駆け引き進行中、4日AP「イランは、サウジ及び他の湾岸諸国に対して、イラン制裁分に見合う石油の増産を実施するなと警告。また現在制裁分を埋め合わすため新規輸出契約中と発表」
2月4日
小沢氏が勝負に出てきた
増税・小沢:小沢氏が勝負に出てきた。増税反対、野田降ろしの宣言。4日共同「小沢氏、増税法案に造反明言」「国民の理解が得られないとして、野田首相が衆院解散・総選挙で信を問うのは困難とも主張。次期衆院選が後継首相の下で早期に実施される可能性に言及」
2月4日
「今春イスラエルがイランを攻撃する」
イラン:どっかが狂っている。CNN「ペネッタ国防長官は今春イスラエルがイランを攻撃すると信ずる」
イスラエルのイラン攻撃を架空の想定としてでなく、現実の計画として、米国国務省報道官インタビューで論議している。そして、問題だという指摘はほとんどない。一体どうなっているんだ。国際社会は。武力の行使を慎む国連憲章の精神は何処へ霧散したのだ。
2月3・4日
防衛省:何が起こっている
3日朝日(15時)「田中氏は3日朝、防衛省幹部に真部氏の交代を調整するよう指示」と報じ、同紙(20時)は「真部局長の更迭、結論先送り」。未明に環境評価書を持ち込み、普天間基地の県外移転を主張する伊波氏の当選を妨げる工作を評価する層に押し切られたか田中さん
沖縄:真部沖縄防衛局長を功労者とみなすか。「未明評価書持ち込みや選挙誘導をやった功労者を見殺しにするな」か。防衛省の論理ならそうなる。田中大臣、無知、無能に徹する以上に踏み出さされる。4日読売「沖縄防衛局長の決着先送り…宜野湾市長選以降に」
2月3・4日
新刊予定(東アジアの安全保障)
一流学者から連絡いただきました「孫崎様、この度、3月刊行予定本の原稿頂き有難うございました。一気に拝読させて頂きました。おそらく、この重要なテーマに関し、これだけ包括的で、かつリアルに実証的に分析された研究は他にないと感服致しました。刊行されますと大きな反響がよせられると信じますし、世論に影響が及ぶ事期待してます。特にオフショアーバランシング戦略(中国を敵と位置付け。自分は出ず日本等に敵対的に対処さす)は、ジャパンハンドラー達の戦略そのものと得心。ニクソン・キッシンジャー以来で考えれば尖閣問題こそ、その焦点と確信」
私は新刊で「中国は大国化」「この中、米国は東アジアで最も重要な国を今や日本でなく、中国とみなす」「日本は米国依存で繁栄し安全を確保出来る状況が消えつつある」を主張。この主張点を「実証的に分析」。ただ多くの国民には見たくない事実。大手メディアも学者も無視するでしょう。
2月4日
田中大臣は希有な存在
田中防衛大臣:嘘を聞きたい人は官房長官の発言に耳を傾けよう。本当を知りたい人は田中大臣の発言を聞こう。嘘つきオンパレードの内閣のでは田中大臣は希有な存在だ。3日読売「普天間、具体的な移設時期は想定せず…官房長官」
2月3日
ロムニー「私は最貧層は気にしない」
米大統領選挙・ロムニー:1日ABC等「ロムニー発言”私は最貧層は気にしない。彼らには(助ける)安全ネットがある」。奇妙な発言。安全ネットが機能してれば最貧層で、もがかない。しかし多くの米国人は超富豪のロムニーと一体と思っている。最貧層と同じ問題抱えてるのに。プロパガンダの力。
2月3日
然るべき座に然るべき人を配置出来ない社会
田中防衛大臣:現在の日本社会の縮図。本来、任にあたるのは、知識・判断力それが備わる最強が就くべし。首相、経団連会長、会社社長、どこもかしこも然るべき座に最適任の人が就いていない。これは田中防衛大臣の問題だけでない。日本社会全体が然るべき座に然るべき人を配置出来ない社会になってる。
2月3日
えせ愛国者は、緊張を高めることを愛国と勘違い
読売社説批判・尖閣問題:双方が領有を主張している地域では、いかに緊張を低めるかが一番の国益だ。えせ愛国者は、緊張を高めることを愛国と勘違いしている。そしてそれを煽る読売新聞、罪が重い。「尖閣無人島命名 領土で中国の圧力に屈するな」。私の主張点の一つ。2002年11月署名された中国とASEAN間の「南シナ海の行動宣言」は「領有権紛争は武力行使に訴えることなく、平和的手段で解決する」「現在(当事国に)占有されていない島や岩礁上への居住などの行為を控え、領有権争いを紛糾、拡大させる行動を自制する」の項目を有している。中国とASEANはこれだけの理性を持っている。残念ながら、日本の多くの人は逆の発想をしている。「岩礁上への居住などの行為を控え、領有権争いを紛糾、拡大させる行動を自制する」ことが正しいとは判断せず、自己の領有権をより明確な形で示すことが正しいとみている。しかしその行動は、相手国にも同じ行動をとらせることとなる。その結果、軍事紛争に発展する可能性を持っている。尖閣の領有権の問題では米国は中立の立場をとっている。同盟国米国すら、日本の主張が全面的に受け入れられるべきと思っていない。土曜日夜10時BS11、田中康夫のにっぽんサイコーで領土問題対処の論理面、論じます。
2月3日
田中防衛大臣 精一杯迷走して
いいんじゃないか。本来政府が隠すことを次々暴露してくれて。防衛省は困る。教えりゃしゃべる。逆は立ち往生。「田中防衛相は予算委員会で、辺野古への移設問題に関連し、”私はその手順書を持っている”と述べた。官房長官は、埋め立て申請の時期について”決定した事実はない”」
田中防衛大臣:どうせ、大臣は実質的に政策を決定してはいないんだ。米国とそれを忠実に実施する防衛省の代弁が大臣の役目。そう考えれば田中大臣が機能しなくても何の支障もない。精一杯迷走して、防衛問題の実態暴いて、みんなで防衛問題を真剣に考えるいい機会をくれる。是非生き残って下さい。
2月3日
孫崎享氏のツイットhttp://twitter.com/magosaki_ukeru
を許可を得て転載。孫崎享氏は元外交官・元防衛大学校
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1815:120207〕
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。