「八百長テストで大飯を通すな!」などー 地震と原発事故情報 その324
- 2012年 2月 7日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故
4つの情報をお知らせします(2月7日)
1月27日、中国電力島根原子力発電所2号機が定期検査で停止。
残るは東電1基、関電1基、北海道電1基の計3基、全原発停止へあと一歩
【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月末までに 定検入】
【関西電力:高浜3号 2012年2月20日 定検入】
【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
★1.もんじゅ・西村裁判、最高裁上告棄却に抗議する(案)
もんじゅ・西村裁判を応援する会 世話人 藤田祐司
★2.八百長テストで大飯を通すな!
2・8「ストレステスト意見聴取会」抗議アクション
(福島原発事故緊急会議 杉原)
★3.読者からイベントのおさそい
『原発事故の低線量被ばく、何が問題か …NHK番組を題材に考える』
2012年2月21日(火)午後6時半~9時、東銀座
★4.新聞・雑誌から
◇原子力規制庁、片道出向7ポストのみ
─ 出身省庁戻り大半 独立性に限界
(2012年2月6日 朝日新聞より抜粋)
◇福島2号機 続く高温、80度回避「汚染水増やむなし」
─ 注水を大幅増 保安規定違反
(2012年2月7日 東京新聞より抜粋)
★1.もんじゅ・西村裁判、最高裁上告棄却に抗議する(案)
もんじゅ・西村裁判を応援する会 世話人 藤田祐司
●はじめに
1995年12月8日、動燃(現在の日本原子力研究開発機構)の高速増殖炉原型炉もんじゅで原子炉の熱を取り出す二次冷却系配管から冷却剤のナトリウムが漏れる事故が起きました。動燃は現場を撮影したビデオを公表しましたが、これが編集されたものだということが発覚。また、公表以前に撮影されたものを隠していたことも分かりました。
翌年1月12日の記者会見で、動燃本社はビデオ隠しへの関与を認めましたが、その経緯については不明な点が多く、動燃側は追加調査を約束。ところが、ビデオ隠蔽について社内調査を担当し、その会見に出席していた総務部次長・西村成生さんが翌日、宿泊先のホテル敷地内で倒れているのが発見され、のちに死亡が確認されました。警察は「遺書」があったことから早々に「自殺」と断定。世間の耳目を集めていた事件にもかかわらず、司法解剖もおこないませんでした。
西村成生さんの死には不自然な点が多々あります。
◇「死亡は宿泊先ホテル8階非常階段踊り場周辺からの飛び降りによる」とされているが、そこは地上から約30メートルほどの高さがあり、また衝突面はコンクリートタイルであるにもかかわらず、死体の損傷は極めて軽微である。
◇警察の死体検案書の死亡時刻は1月13日午前5時頃とされているが、深部体温による死亡推定時刻は12日午後10時から13日午前1時頃。ホテル
チェックインは13日午前0時45分頃と報道されているので、その頃にはすでに死亡していたことになる。
◇西村さんの宿泊の事実、チェックイン時刻などについて、ホテル側はなぜか情報開示をかたくなに拒んでいる。また、自殺を踏み切らせたといわれる動燃からのFAX紙の所在はいまだ不明。
◇ホテルの西村さんの部屋にあった3通の遺書のうち、妻宛のものには、事務的なことしか書かれておらず、2人の息子についての記述もない。しかも、本文は西村さんの筆跡だが、端に書かれた時刻は西村さんの書き方と異なっている。
◇理事長宛の遺書を13日の会見で理事長が読み上げるが、のちにその内容は実際のものと異なっており、動燃にとって都合のいいように改ざんされていたことが判明(そもそも遺書の文面自体、「始末書」のような内容だった)。
西村さんの遺族は、その後ホテルや病院、警察を回ったり、動燃の理事長に手紙を出したりして真相究明を試みましたが、かないませんでした。「遺書」の存在を盾に警察は早々に捜査を打ち切り真相を闇に葬ろうとしました。そこでやむなく、2004年10月13日、核燃料サイクル開発機構に対し、「自殺」は雇用主としての安全配慮義務に違反したためだ、として1億4800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。
●裁判の焦点
1月12日、急きょ西村さんも出席することとなった3回目の記者会見で、動燃本社のビデオ隠し関与が分かった時期を、本来「12月25日」というべきところ、西村さんは「1月10日」と発表してしまいました。この「誤発言=嘘」が「自殺」の原因とされています。
西村さんの遺品の鞄から、12月25日に本社のビデオ隠しについて理事長へ報告された旨が書かれた文書が見つかっており、これを動燃も内部文書と認めています。つまり理事長は早い段階で知っていたのです。ところが、問題の3回目の会見直前におこなわれた2回目の会見で、理事長は「(本社のビデオ隠しについて)報告を受けたのは1月11日」と答えており、西村さんが正直に「12月25日」と答えるとトップの発言と矛盾してしまいます。西村さんは、理事長の「嘘」に従って「1月10日」と言わざるを得なかったことは明らかです。
原告は、西村さんのついた「嘘」が明らかになったとき進退に窮することは明白であるから、動燃は西村さんへの何らかの安全配慮義務が必要だった、それを怠った動燃には安全配慮義務違反があるので損害賠償に値すると主張しました。しかし、東京地裁は西村さんの発言を、「事実と異なる内容を公表することを強いられたものとはいえない」、「意図的か勘違いによるもの」である、と西村氏個人に責任を押しつけ動燃には安全配慮義務違反がないと退けました。
2審では証人尋問することは余りないそうですが、丸岡広報室担当役(広報責任者)への尋問が認められました。記者会見の設定を取り仕切っていた丸岡氏は、「13日に記者会見の設定はなかった」、と重大な証言しました。
西村成生さんは13日の福井での記者会見に臨むために、大畑理事とともに「センターホテル東京」に泊まったという動燃の主張は根底から崩れたのです。また、1審の証人尋問で安藤理事と渡瀬広報室長は、「明日の定例記者会見で訂正しよう」と話し合ったと述べました。この2人の偽証が明らかになったにもかかわらず、2審ではこの丸岡証言を、「措信できない」の一言で退けてしまいました。
そもそも真実が明らかになった12月25日の早い時期になぜ真実を発表しなかったのか。また、記者会見でなぜ誰も真実を語らず、また西村さんの誤発言をその場で訂正しなかったのか。
2審判決は、「仮に控訴人らが主張するように上記の善後策をとっていたとしても、果たして成生の自殺を防止できたかは疑問である」、と信じられない言葉で結ばれていました。
そして、2012年1月31日、最高裁は312条の上告の理由に該当しないとの理由で上告を棄却しました。2年も待たされたあげくの形式的棄却です。私達はとうていこの判決に納得できません。強く抗議します。
◇2月10日(金)午後7時から、西村裁判の今後について相談会を開きます
どなたでもご参加いただけます。場所:たんぽぽ舎5階
★2.八百長テストで大飯を通すな!
2・8「ストレステスト意見聴取会」抗議アクション
~傍聴締め出し撤回と利益相反委員の解任を求めます~
(福島原発事故緊急会議 杉原)
1月18日の意見聴取会は、傍聴者と寒空の下で声を上げ続けた人々、そして、保安院の強引な進行をボイコットした2委員(後藤政志さん、井野博満さん)らの懸命の努力によって、その正当性に強い疑問符が付くことになりました。しかし、保安院は2月8日の意見聴取会においても、傍聴者を会議場から完全に隔離し、利益相反の3委員を居座らせたまま、大飯原発3、4号機の審査(「妥当」)に関する意見聴取を強引に終了させようとしています。
この目論見が成功してしまえば、保安院は大飯の審査書を確定させ、今度は「チェック権限はない」と“利益相反の親玉”である班目委員長自らが語る原子力安全委員会による「確認」手続きに移り、さらには「地元了解」プロセスへと進むことになります。
2月4日にびわこで行われた大飯原発の再稼働反対行動は、大きな盛り上がりを見せました。2月8日の意見聴取会は、危険な原発再稼働を止めて、原発稼働ゼロを実現するための正念場です。当日は同室での傍聴を求めて意思表示を行うと同時に、保安院前で緊急アクションを行います。ぜひ多くの皆さんの参加を呼びかけます。転送、ブログ、ツイッター、フェイスブック等で広めてください。遠方の方、ご都合の付かない方はぜひファックスや電話、メールによる要請をお願いします。
◇2012年2月8日(水)保安院前抗議アクション
1)13時30分~15時30分:聴取会直前アクション
13時30分に経産省別館(保安院)前に集合
(霞ヶ関駅C2出口すぐ、経産省の日比谷公園側の建物)
・30分程度、本館(テントのある側)前と別館前に分かれてチラシ配布
↓
・別館正門前にて、アピールやコールなどのアクション
(14時よりグリーンピース・ジャパンによる「市民の目」アクションも予定されています。)
2)18時30分~19時30分:報告&抗議アクション
経産省別館前で、傍聴者による報告も交えた抗議集会
※プラカードや鳴り物など持参歓迎です。
なお、意見聴取会は15時~18時30分まで行われます。
<呼びかけ>福島原発事故緊急会議、東電前アクション、3・11再稼働反対!
全国アクション
[連絡先]ピープルズ・プラン研究所(TEL:03-6424-5748、FAX:03-6424-
5749、E-mail) contact@2011shinsai.info
当日連絡先:090-6185-4407(杉原携帯))
★3.読者からイベントのおさそい
◇『原発事故の低線量被ばく、何が問題か …NHK番組を題材に考える』
2012年2月21日(火)午後6時半~9時
築地社会教育会館・視聴覚室(東京都中央区築地4-15-1)
(最寄駅 地下鉄・東銀座駅近く)
講師 科学ジャーナリスト・塩谷喜雄さん(元日本経済新聞社論説委員)
定員 80人・先着順
資料代 500円(学生300円)
主催 日本ジャーナリスト会議(JCJ)
★4.新聞・雑誌から
◇原子力規制庁、片道出向7ポストのみ
─ 出身省庁戻り大半 独立性に限界
(2012年2月6日 朝日新聞より抜粋)
4月に新設される原子力規制庁の職員のうち、出向元省庁に戻さない「ノーリターン・ルール」の適用は審議官級以上の7ポストに限定することがわかった。ノーリターン・ルールは組織の独立性を保つ狙いがあるが、対象が限られるため、原子力推進行政を狙う経済産業省などの影響力を排除できるか未知数だ。(中略)
細野豪志原発相は1月末の記者会見で「利用と規制の分離の観点から、一定クラス以上の幹部職員はノーリターン・ルールを適用しなければならない。とくに推進側からの組織の分離は徹底したい」と語っていた。(中略)
ノーリターン・ルールは、1998年に旧大蔵省から分離独立した金融監督庁(現金融庁)にも局長級以上を対象に導入されたが2009年に事実上破られた。
◇福島2号機 続く高温、80度回避「汚染水増やむなし」
─ 注水を大幅増 保安規定違反
(2012年2月7日 東京新聞より抜粋)
東京電力福島第一原発2号機の原子炉の温度上昇が続き、東電は六日、同日深夜から非常用の注水口からの注水量を毎時3.8トンから毎時6.8トンに増やすと発表した。福島第一の保安規定では、注水量の増加を「24時間あたり毎時1トンまで」と定めている。今回の注水量変更は保安規定に抵触する上、汚染水を増やすリスクがあるが、原子炉の冷却を優先したという。(中略) 東電によると、温度が上がっているのは原子炉下部の温度計。1月下旬まで50度程度で安定していたが、2月1日に52.0度を記録。6日朝には73度を超えた。(中略)
このため、東電は原子炉への注水量を一気に増やし、再臨界防止のために中性子を吸収するホウ酸も注入する方針を固めた。
なぜ温度が上がり続けるのか。東電の担当者は「注水の流れに変化が生じ、うまく燃料付近に当たっていない」とみている。(中略)
東電は「汚染水は処理して循環させるので増えない」と説明。一方で、処理水が増えることで、処理施設のフィルターなど高濃度の放射性廃棄物が増えることを認めている。
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[編集部より]
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