「事故は収束していない」双葉町長の見解を再稼働を急ぐ政府は受け止めよ
- 2012年 3月 9日
- 交流の広場
- 9条改憲阻止の会
2012年3月9日 連帯・共同ニュース第234号
■ 3月8日(木)新聞朝刊2面で、埼玉県加須市に役場機能ごと避難している福島県双葉町長の井戸川克隆氏が、福島第一の事故現場を視察して、「事故は収束していないという判断に至った」と言明した事を報道している。「東京電力側から『1~3号機の炉内の状況は分からない』と回答された」故であろう。国内外で野田首相が、事故収束宣言をしている一方で、福島県の地元の代表は、「事故は収束していない」と言っている。 昨日は、関西電力の大飯原発再稼働をめぐっての安全委員会の4回目だった。東京新聞の双葉町長の未収束見解報道の隣に、「東電会長・社長3・11 被災者に語らず」という強い調子の見出しが並べられている。安全委員会では、傍聴者を入れたはいいが、「第二次評価について知らせよ!」という傍聴席の国民側の切望は完全に無視された。目の前にいるものの傍聴者へ全く反応・回答しようとしない関電社員、安全・保安委員・識者代表のお歴々は「みざる、いわざる、きかざる」である。
■ この対話交渉の絶交状態、この奈落この静寂(しじま)こそ、加害者側と被害者側の決定的差異にほかならない。フランスでは、玄葉外相のフランス政府の福島第一事故の収束への支援と協力への謝辞が、テレビを通じて、放映されていた。デモのとき、不当弾圧されたフランク夫妻は、いま、フランスにいて、こうしたニュースを視ていた。早速、テントへ状況報告と外国メディアの取材に当たっては、福島の現実・真実を絶対に伝えてくれなくては困る、という要請を頂いた。十月十日未来を孕む女の座り込み中の椎名千恵子さんは、おりしもパリで収束情報を得て、飛んできたラジオ局のひとに、まず、福島へ行ってきてほしいとお願いした。 ラジオ局のために取材活動をしているジャーナリストは、翌日、福島へ飛んだ。そこで、フランス国営テレビのクルーと合流し、「こどもを放射能から守る会」の佐藤幸子さん、市民放射能測定室の代表、主婦代表、京都グリーンアクションのアイリーンさん、ピースボートの豪州女性などから熱心なお話を聞くことになった。外国人メディアのために、英語版のメッセージが造られており、今後、対応に難渋することはないほどの受け入れ態勢だった。男権的な攻撃性に対して、受容的女性のひとつの協力・連携能力の特質が、みごとなまでに開花しているようだった。 政府の「収束宣言」を日本の国民は疑い信じていなくても外国では流通している。こうした事態に対して現実を見てもらうことが一番大事である。それを実感させた。 (文責 須藤光郎)
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