「ついに一年が経ってしまった」など―地震と原発事故情報【TMM:No1381】
- 2012年 3月 12日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎地震と原発事故情報
2012年3月12日(月) 地震と原発事故情報
転送歓迎
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2月20日、関西電力高浜原子力発電所3号機が定期検査で停止
残るは東電1基、北海道電1基の計2基、全原発停止へあと一歩
【東京電力:柏崎刈羽6号 2012年3月26日に 定検入】
【北海道電力:泊3号 2012年4月末までに 定検入】
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★1.ついに一年が経ってしまった
情報の分析と対応をし続けてきたように思うが、一方で‥
(山崎久隆)
★2. <テント日誌 3/9(金)>
――経産省前テントひろば181日目
聞け、経産省!冷たい雨の中、100人以上集まった原発再稼動反対の声を!
★3.3月11日福島からの報告
◇「原発いらない3・11福島大集会」バスツアー川柳講座 (わかち愛)
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★1.ついに一年が経ってしまった
情報の分析と対応をし続けてきたように思うが、一方で‥
(山崎久隆)
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ついに一年が経ってしまった
福島第一原発震災は、発生から今日で丸一年が経過する。
一年後はどうなっていたかを考える余裕も無く、情報の分析と対応をし続けてきたように思うが、一方で、一年経ってもまだ何も前に進んでいない現実にも愕然とする思いだ。
フクイチの今
福島第一原発1~3号機は、発生直後から温度は下がったものの安定にはほど遠く、原子炉内部はおろか、原子炉建屋内さえどうなっているか分からない状態が続いている。尤も、人が立ち入れない高線量領域が随所にあれば、如何ともしがたい。
1号機は圧力容器と格納容器が共に破壊され、大量の燃料溶融物とがれきの混じった「デブリ」が格納容器内に落下しているとみられる。ここからの放射能は建屋の破損箇所から外部に流出しているのだろうが、その実態は全く不明だ。
2号機は見た目が比較的安定しているようで、実際には最も複雑な様相を呈している。圧力容器は随所で破損しているとみられ、格納容器もサプレッションチェンバ付近が破壊されていると考えられている。そのために全体の7割の放射能がここから出てしまった。2号機からの放射能放出を阻止できていれば、今の汚染は三分の一になったはずだった。
さらに炉内で崩れ落ちているデブリは、まだ非常に不安定であり、注水の勢いや余震でも崩れたり位置を変えたりする可能性がある。その結果、部分的に冷却が出来なくなったり形状の変化で臨界になる可能性があったりと、何が起こるかは見極めづらい。その上、圧力容器の表面温度を測っている温度計も次々に寿命になっている。
もともと400度くらいの温度までしか正常に計測できなかった温度計を、1000度以上の環境に置いてしまったため、温度計としては使用不能になっている。しかし変わりが無いため、やむを得ずいい加減な温度計でも使わざるを得なかった。今測っている温度が正しい保証など元々無いし、圧力容器の表面温度が内部の燃料の温度を正確に捉えられる保証も無い。つまり2号機の温度管理はもはや限界に来ており、注水している以上、冷えているはずという「推測」でものを言っているに過ぎない。
3号機は建屋形状に反して最も安定しているように思える。燃料の破壊は一番少なく、デブリもほぼ圧力容器に止まっているとみられている。しかし安心できる状況では無い。特に心配なのは使用済燃料プールである。ここには燃料が大量に保管されており、3月14日の爆発で建屋が大破した。使用済燃料プール中の燃料が暴走を起こした結果だろう。そのため、大量のがれきがプールに溜まっている。燃料体をこれらがれきが破壊している可能性があり、原子炉内部と同様、こちらの安定性も重大な懸念材料だ。
4号機の場合は主にプールの安定性が問題になる。1535体の燃料が入っているプールは、ずさん工事と度重なる偶然でかろうじて破壊を免れたと思われるが、建屋は水素爆発などで大破しており、余震が来れば倒壊してしまう。
この建屋が倒壊すれば、燃料が地上にぶちまけられる。水から出てしまった使用済燃料には人は容易に近寄れない。大量のγ線を発散させるため、遠巻きに放水する他は手段が無い。臨界や核爆発の恐れは無いが、溶融する危険性はまだ高く、いったん露出してしまうと手の付けようが無いのだから、一刻も早く破壊された建屋から撤去する必要があろう。
5、6号機は、電力供給が止まらなければ、このまま冷却が出来るが、やはり余震や津波の影響を考えないわけにはいかない。
このような場所に立地したために、長期間にわたって脅威を与え続ける原発。原発震災の本当の怖さは、今からつづく放射能との戦いの中で、改めて感じざるを得ないことになるだろう。少なくても「まだ被災していない」44基の原発を、一日も早く安定的に止めることを追求すべきなのだが、恐ろしいことに一年経った今でも動いている原発はあるし、再稼働するなどと、性懲りも無く政府も一部立地自治体も私たちを危険にさらし続けている。
続々と法廷闘争に
東電に対しては、株主運動を中心に、株主代表訴訟が提起され、5兆5000億円余の賠償請求を起こした。広瀬隆さん、明石昇二郎さん、槌田敦さんは東電取締役や旧経営陣や国や学会のメンバーを告発している。原発被災市民のための弁護士グループも作られ、補償交渉に当たることになった。法廷闘争は避難の権利を巡る仮処分申請を含め、数多くが提起され、さらに関電大飯原発に対する再稼働差止の仮処分も申請される。
いずれも簡単に勝てるものではないが、数多くの法廷闘争が責任ある者たちを追求する場になっていくことだろう。
原発を止めるにはまだまだ・・・
一年経っても、スタートしたばかり。そんな思いが強くなる一方だ。遅々として進まぬ補償。筋違いのがれき放射能汚染物の各地への押しつけ。次々に様相を変えて食卓に上る放射能。地上の汚染地図も書き換え続けなければならない。海の汚染はこれからが本格的な危機をもたらす。東京湾や河川の汚染は2年後がピークとなるだろう。
このような中、原発を止めるにもあと何年もかかるかもしれない。再稼働を阻止し続けられれば、脱原発への道は近くなろうが、抵抗勢力の巻き返しも激しい。「金の切れ目が縁の切れ目」ということで電源三法交付金などを使った地域振興予算を阻止して、巨額の工作資金が原子力マフィアから流れないようにすることが重要だろう。
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★2. <テント日誌 3/9(金)>
――経産省前テントひろば181日目
聞け、経産省!冷たい雨の中、
100人以上集まった原発再稼動反対の声を!
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この日は、朝9時30分から経済産業省で、伊方原発のストレステストの意見聴取会が開かれ、 昼の12時~と夕方17時~経産省前で抗議行動が行われる事になっていた。
午前中は、抗議行動に行くまで、自宅でストレステストの意見聴取会のUsream中継を見ていたが、相当違和感を感じる内容であった。途中までしか見る事は出来なかったが、全体の印象は、井野先生を始めとするストレステストの評価委員の質問について、保安院の担当者が、まともに答えていないという印象。正確に言うと、まともに答えられていないという印象を受けたというべきか。
特に(1)今回のストレステストの評価対象である3号機、4号機以外の1号機、2号機以外も含めた複合的な災害についての評価が不明確、井野先生も指摘していた (2)ストレステストに使用したモデル作成のプロセスに関して保安院の説明が不明確(今回は、特に設計時と実際の「安全率」の評価の違い)(3)保安院の担当者が、現在の問題であると指摘された点に関して、今後の課題として検討すると回答している点については、全く納得がいかない。(1)、(2)については、大飯原発のストレステストの評価(確か原子力安全委員会)でも同様のやりとりがあったように記憶している。
果たして、この様にいい加減なストレステストで、きちんと「安全性」を評価していると言えるのだろうか。今のような状況で「妥当です」と言われても全く信用出来ない。担当している保安院の皆さんは、ぶっちゃけどう思っているのだろうか?腹を割って話をして欲しい。
12時半頃に経産省の正門前につくと、冷たい雨の中で、すでに四人の方が抗議をしていた。平日の昼の時間帯に来れる方はさすがにあまりいなかったが、忙しい中、わざわざ抗議に集まって下さった方々には感謝したい。抗議行動の最後に傍聴をされていた方の話を聞き、13時過ぎに昼の部の抗議行動を終了した。
その後、夕方の抗議行動まで時間があったので、近くの喫茶店に行って、置いてあった週刊誌に掲載されたテントひろばに関する記事に目を通す。「うーん、刺激的な内容」。記事の最後の方にテント広場代表の話を掲載しているが、全体として、批判的な内容で、ほとんどが伝聞。しかもかなり誤解を生むような書き方になっている。記事の最後が「もっと真面目に脱原発をやれ」と締めくくられていたが、「もっと真面目に取材して報道しろ」「もっと真面目に原発を報道しろ」と言いたい。この週刊誌は今後一切買わないことにする。
17時少し前に経産省前まで戻って来ると、すでに10人程度の人が集まっていた。テントへ戻り、荷物を置き、すぐに抗議の中に加わった。夕方になって、寒さが増してきたので、たんぽぽ舎のHさんが持ってきてくれた使い捨てカイロとテントへ寄付してもらった使い捨てカイロを抗議に参加していた皆さんに配ってまわった。先日、経産省前で一人で抗議をしていたHさんも自分で買ってきた使い捨てカイロを配ってくれていた。寒い中で、長い時間の抗議をするので、こういう細かい心配りは、参加する方としては有難いと思う。
参加メンバーの顔ぶれは、若者中心のツイッターデモの有志の呼びかけだったために若い人が中心だったが、年配の方、お子さん連れの方もちらほら。若い女性の方の参加者が多かったのには、驚かされた。
1時間程度して、18時過ぎた段階で参加人数は50名くらいになり、その後続々と人数が増えていった。2時間程度立って19時を回った段階で、人数は100人を超え、経産省の前の歩道の道路側を多くの人達が埋め尽くす状態となった。抗議の最中は、ツイッターデモの主催者が進行を務めたが、多くの参加者が、自分の意志でマイクを握り、それぞれが、それぞれの言葉で、経産省に対して原発の再稼働の反対を訴えた。特に若い妊娠中の女性、若いお子さんがいるお母さんが、涙ながらに強い口調で訴える姿には、胸をうたれた。
マイクアピールの途中に「原発いらない」「再稼働反対」とシュプレヒコールも入れ、途絶える事なく抗議を行い、終了予定時刻の21時まであっという間に過ぎてしまった。21時を過ぎても多くの人達が暫くの間経産省前に残り、マイクを使わずにシュプレヒコール、アピールを繰り返していた。 多くの一般の市民が、すでに原発・放射能の危険性、原発の利権構造、産官業の癒着による原発推進の仕組みについて理解し、原発は必要ないと確信を持ち、行動を起こしている。経産省の職員の方は、我々の姿を見て、我々の声を聞き、どう思ったのだろうか?少しでも心に響いたのであれば、原発を止めるために今すぐ行動を起こして欲しい。
明後日は、3月11日、東日本大震災から一周年を迎える。全国各地で追悼の集会や抗議集会等様々なイヴェントが予定されている。東京でも各地の集会、デモの他、14時~日比谷公園で集会とデモ、16時~人間の鎖による国会抗議行動が行われる。その後、経産省前テントひろばでも18時~朴保さんのライヴが行われる予定。東日本大震災で犠牲になられた方への追悼の思いを胸に、原発を止める事を訴える一日にしたい。
最後になるが、夕方の抗議行動の間に、テントにいたOさんが、私がテントを離れている間に、テントの撤去を求める乗用車がテントひろばの歩道へバックで突っ込んで来たと教えくれた。原発の再稼働を巡り、公聴会や各種の集会デモなどが開かれ、テントひろばを巡る環境も厳しさを増す事が想像されるが、不測の事態に備え、出来る限りの対応をする必要があるだろう。全原発停止もテントもこれからも正念場、今まで以上に気を締めなければならないと思う。
( Toku-san )
3月9日 テント日誌( Q記 )
8日夜Fさんの運転で、佐藤幸子さんをお乗せして、福島市へ。朝、福島市のFさんの定点で、計測。除洗の効果の無いことを知って、わかっていたけれどがっかりした。そんな保育園を再開するということで、さらに、ショック。
佐藤さんに同行して、日本ペンクラブの渡利の人々との情報交換会を覗く。椎名さんたちのオフィスで準備作業など参加させていただく。昨年の事故収束宣言の嘘の犯罪性をどのように周知させるか闘志を燃やす。
☆「ひろば─全国・全世界から ~交流・討論・共感~」
(郵便は〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-3-1 経産省前テントひろば
メールは tentohiroba@gmail.com へお送り下さい)
☆テントひろばに寄せられたハガキとメール――
経産省前テントひろばHPをご覧ください。
http://tentohiroba.tumblr.com/
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★3.3月11日福島からの報告
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◇「原発いらない3・11福島大集会」バスツアー川柳講座 (わかち愛)
「原発いらない3・11福島県民大集会」に行ってきました。(16000人が参加)たんぽぽ舎の計らいでバスツアーが用意され、快適な旅ができました。スタッフのみなさんありがとうございました。バスはさながら動く学習会、4時間はあっという間でしたね。
川柳講座には14名が投句、39句が集まりました。選者:乱鬼龍さん(川柳作家・レイバーネットTV・不満自慢のコメンテーター)
<最優秀句>
雲に聞く今日は地震があるのかい? /鳶一組(トビハジメグミ)
<秀句:5句>
春の風被爆覚悟の再除染 /輪廻展作
三一一視えない毒牙攻めてきた /わかち愛
脱原発上げたコブシが子を守る /乱調
放射能食わせて税をむしりとる /遠藤竜太
逃散は許さないぞと今領主 /遠藤竜太
<佳作:6句>
再稼動地震がこわい地獄道 /柳田真
福島でパワートゥザピープル命(ヌチ)結び /おふさ
球場に百万本の脱原発 /星尼亭
冷温停止新辞典が必要だ /樋口
大丈夫安全ですよと被爆する /乱調
再稼動国破れて山河なし /輪廻転作
乱鬼龍さんの1句
国策という過ちがあり余り
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わかち愛の感想 ─ 10・11日の集会の内容は他のみなさんが報告してくださるので、川柳のみにさせていただきます。最優秀句はなんと若い女性です。たんぽぽ舎ボランティアスタッフとして活躍している方でした。のびのびとした広がりのあるいい句ですね。
『がつんと1句』と鶴彬のてぬぐいを贈呈。最優秀句に選ばれたこと、記念品贈呈を喜んでくださいました。
鳶一組さん、ぜひ感想を。お待ちしています。
川柳講座、やっぱ、やってえがったぁ・・・。
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【編集部より】
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