今年の連休は再稼働阻止のためにテント前ひろばへ
- 2012年 4月 23日
- 交流の広場
- 9条改憲阻止の会
2012年4月20日 連帯・共同ニュース第248号
■ 4月に入っても崩れたような天候の日が多い。何となくそのような気分になっているだけのことかも知れないが春らしい実感が湧かない。国会は政局という恒例の政治に足を取られ混迷を深めている。問題を提起はするが全部中途半端にしか処理できない野田政権は出口のない袋小路に入りつつある。5月5日を前にした大飯原発再稼働も結局のところ同じ道にある。これだけはと政府が再稼働で暴走することを警戒しつつ僕らは5月5日の全原発停止(原発ゼロ)に向かう。
■ 再稼働阻止(原発ゼロ)の実現は予想以上に大きな出来事であり、今後の脱原発運動に新たな展望を開く。「3・11」と福島第一原発事故は原発安全神話を崩壊させ、原発についての国民の意識を大きく変えた。そして原発の存在を見直す人々の声は大きくなり、街頭での意思表示も増えた。しかし、こうした脱原発運動の裾野の広がりの中で、どのような径路を通して脱原発が実現して行くのかは明瞭であるとは言い難かった。経産省や原子力ムラはそれを見越して原発再稼働→原発保存というシナリオ《戦略》を描く。なし崩し的な原発再稼働と時間のよる事故の風化で、脱原発の意思や声を抑え込んで行けると思ってきたのだ。彼らのこのシナリオ《戦略》との闘いは決して容易ではない。脱原発の長い道のりを考えればなおさらである。しかし、この困難な中で、再稼働阻止をこちらの大きな径路にできれば事態は幾分か変わる。再稼働阻止→原発廃炉という径路が現実性を持ってくるのだ。再稼働問題を中心にしながら、原発の存在をめぐる議論を深めて行くこともできる。安全神話から電力不足に至るまで原発存続のために存在してきた神話を壊して行ける。体制―権力の原発存続のための根拠の一つひとつを再稼働の是非をめぐる議論の中で解体して行くことができる。彼らが粗雑な理由や根拠で事を急げば自ら首を絞めることになるだけである。再稼働問題は原発の存続の問題を深めて問うし、経産省や原子力ムラなどの推進派のシナリオを壊して行く。こちらでは原発が存続する地域住民の課題にどう応えるかという問題など多くのことが浮上するだろう。それらの重い課題を背負いながら脱原発運動は新たなステージに入る。再稼働に反対する人々の声は原発に対する人々の意識を確実に変えている。これは脱原発を現実的に考え出したということである。僕らは再稼働阻止という径路を一層具体的にすることでこれに応える。再稼働阻止の動きの高まりの中で国民や地域住民に生れている意識の変化に注目しよう。今年の連休はテントを中心にスケジュールを。 (文責 三上治)
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