第4回テント村談話室6/25 高良留美子さん「リブ再考―3.11から考える」
- 2012年 6月 19日
- 催し物案内
- 脱原発生活者の会・テント村
テント村談話室 -脱原発から新しい生活文化の構築へー
話題提供者・高良留美子さん 「リブ再考―3.11から考える」
●日時・6月25日(月) 午後3時から5時まで
●場所・経済産業省前・反原発テント広場
●資料代500円
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─リブ再考─
田中美津の発言
「男と女のかかわりを制度化するバカバカしさ、不自然さは、男と女を欺瞞的な、よそよそしい風化した関係に作りあげた。」
「男にとって女とは、母性のやさしさ=母か、性欲処理機=便所か、という二つのイメージに分かれる存在としてある。」
「やさしさの性と官能の性を一体としてもつ〈女〉は、私有制経済の要請で作りあげられた男の分離した意識のまえに解体され、部分として生きることを強要される。」
「男と女が相関関係にある以上、女の性のみじめさは男の性のみじめさであり、それは現代社会のみじめさの象徴なのだ」(ぐるーぷ・闘うおんな「便所からの解放」一九七〇年)。
一九六〇年代の高度成長期
戦後を通して、この時期ほど女の「育児天職論」や結婚幻想の煽りたてや、「女らしさ」の強調が行われたことはなかった。産業社会は、女性を低賃金の産業予備軍として扱いながら、イデオロギー的には「女らしさ」や「母性」や「結婚」、「マイホーム」や「消費」の神話を振りまきながら、女の本来の場所は家庭にあることを徹底させた。
ベトナム反戦運動のなかから
ウーマン・リブと総称される新しい女性解放運動は、広い意味でベトナム反戦運動のなかかれ生まれた。一九六八、九年の学園闘争と反戦運動がピークを過ぎたころ、何らかの意味でこれらの運動に関わった女性たちのあいだに、女性解放の自覚が芽生えた。新左翼や既成左翼の男の活動家や、組織体制のなかにもつづいていた根強い女性差別と男性中心主義にたいする怒りを原動力とし、アメリカのウィメンズ・リベレーションにも触発されて、いくつかの女性解放のグループが形成されていった(高良留美子『高群逸枝とボーヴォワール』亜紀書房、一九七六年)。
個人的なことは政治的である コンシャスネス・レイジング
運動においては、“個人的なことは政治的である”というスローガンのもとで、自らの経験や意識のなかで、自らの行動や身体を拘束する社会規範や価値観があることを自覚し、自己解放していく試みが盛んに行われた。女性同士が互いに批判することなくそれぞれの体験を語り合うことを通じて、自分だけの問題と思っていたことが多くの女性に共通する問題であることを認識していくコンシャスネス・レイジングは、そのために開発された最も重要な相互学習・教育プロセスであった(『女性学事典』)。
女(わたし)のからだはわたしのもの、産む産まないは女(わたし)が決める
七〇年代初頭のウーマン・リブ運動にとって、性のこと、からだのことは大きなテーマであった。それまでの婦人解放運動で語られることの少なかったこれらの問題を、リブ運動は陽の当たる場所へひきずり出して、からだごとの解放を求めていった。それは、既成のおんならしさをはぎとり、自分のおんな性を受け容れること、女としての自己肯定と結びついていた。また天下国家の問題として女の解放を語るのではなく、具体的な日常のありようにこだわり、そこから変えていくという志向性とも関連していただろう。
リブ運動の中からは、からだに関する具体的な試みやグループの活動が生まれていった(大橋由香子「産む産まないは女(わたし)がきめる――優性保護法改悪阻止運動から見えてきたもの」『講座女性学3 女は世界をかえる』一九八六年)。
「女」のなま身の全体性の回復
平等がいわれてもなぜ抑圧はなくならないのか、女はなぜ十全に〈女〉として生ききれないのか、なぜ〈女〉であることそれ自体がスティグマになるのか。
日本のリブは「男なみ化」を目指したことは一度もない。それどころか社会が男の基準に合わせてできあがっていること、その中で「男なみ」をめざすことは、産業社会の価値に加担し、ベトナム戦争やアジアへの侵略の共犯者になることだ、ということをはっきり自覚していた(上野千鶴子「日本のリブ――その思想と背景」一九九四年)。
第二派フェミニズム
第二派フェミニズムは、社会的・文化的・意識的変革の重要性を主張し、家族など指摘領域における男性支配や家事労働の搾取などを問題化するラディカル・フェミニズム、近代啓蒙思想の男性中心性を批判するポストモダン・フェミニズムなどを主要な理論として採用している。異性愛中心主義批判、ナショナリズム批判、西欧中心主義批判をも伴っている(『女性学事典』)。
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