加藤哲郎のネチズン・カレッジ(2012年7月5日)
- 2012年 7月 7日
- 交流の広場
- 加藤哲郎
2012.7.5 待望の公的フクシマ調査報告です。国会原発事故調査委員会の報告書が、ダイジェスト版、要約版、本文、英語版と簡単にダウンロードできます。いい内容です。フクシマ原発事故は収束していない現実から出発し、被災した市民の目線で、東電、政府、保安員、原子力安全委員会などの制度的・体制的弱点を指摘し、「人災」と断定しています。マスコミはもっぱら管首相と東電の指揮関係に焦点を当てていますが、事故の原因について地震による配管損傷などの可能性も認め、いわゆる原子力村の体制の抜本的改革を提言しています。野田内閣がなぜか原発再稼働を急ぎ、原子力規制委員会法案を急いで国会通過させ、夏の電力供給に論点を誘導しているのも、この国会報告書が出るのを予測した駆け込みだったのではないかと思えてきます。原子力基本法案や再稼働安全基準は、せっかく国会も会期延長されているのですから、早速この報告書に基づき見直されるべきです。さしあたり、国会原子力常置委員会の設置、引き続き事故原因を解明する原子力臨調の設置は、ただちに開始すべきです。明日7月6日の首相官邸前金曜デモ(午後6時)は、活断層調査もせずに動き始めた大飯3号機の再稼働反対のほか、この国会事故調報告にそった国策転換への第一歩にしたいものです。30万人なら60年安保闘争最高潮期なみです。7月29日脱原発国会大包囲まで、毎週・毎週、大きくなっていくでしょう。
「加藤哲郎のネチズンカレッジ」から許可を得て転載 http://www.ff.iij4u.or.jp/~katote/Home.shtml
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