テント日誌7/11日経産省前テント広場―305日目…飛ぶように流れて行く日々の中で
- 2012年 7月 12日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
雨に降り込められているかと思うと夏の日射しの日が訪れる。まぁ、こんな風に梅雨を凌いで真夏日と呼ばれる日々がくるのだろう。でも、梅雨の晴れ間でもどこか肌に涼しく感じられる日が多いから今年は猛暑にならないのだろうか。長期の元気予報で調べたわけではないので勝手な思い込みだが、天候のことに敏感になっているのはこの間の電力不足キャンペーンの疑念が頭から消えないからだ。
大飯原発3・4号機の再稼働のために関西電力が流した情報を私は信じてはいない。データーを独占している電力会社や政府機関は本当の情報を流さないからだ。大飯原発再稼働は関西電力の利益確保のためであり、「電力不足」は本当の理由ではないと思う。だが、これをうまく使ったように思える。自治体の関西連合が再稼働を容認するにはこれ効いたように推測できるからだ。今年の天候が猛暑でなければ、それを前提にした電力需要論は崩れるわけだが、その場合に関西電力はどうするのだろう。適当にデーターを変えたりして辻褄をあわせるだろうが、このキャンペーンの欺瞞を忘れないために天候のことは気をつけていたいと思う。電力不足を各地の原発再稼働のための理由に使わせないためにも、このことを検討し続けて行く必要があろう。暑さの到来の中で健忘症にならずに、天候や季節のことを原発再稼働のためにどう利用したかを考えていきたい。そのうちに、冬の寒さで電力不足になるというキャンぺ―ンも出て気かねない。
テントの周辺では深夜に水道工事があってなかなか眠れない。テントの中はまだ暑苦しくて眠れないということはないが、深夜の雑音は気になる。眠れぬままに周辺に散歩に出掛けた。国会通りを日比谷公園の方に向かって歩いて行ったのだが周辺は相変わらずタクシーが並んでいる。そのうちに経産省からの深夜帰宅の群れに出あった。彼らが乗り込むタクシーは特定の業者のもので列をなしている個人タクシーは蚊帳の外のようだった。こういうところも官僚的なのだと妙に感心した。個人タクシーの面々はどういう客を乗せるのだろうか。
深夜にはタクシーが列をなす国会通りだが、上のところ(登り切ったところ)が首相官邸であり、下の方には東電等がある。経産省前はそのちょうど中間あたりにある。だからテントもその場所にある。毎週金曜日の首相官邸前アクションに参加した人々は国会通りを埋め尽くした。首相官邸前からテントのある経産省前まで意志表示する人々の群れでいっぱいだった。ということは国会通りの半分は人々で埋まったということであり、毎回これは長くなっているが、そのうち日比谷公園辺りまで人々で埋まるかもしれない。
警察が分断規制をしようとし、それが露骨さを増すから混乱を招くのであるが、参加者はよく判断して対応していると思う。毎週金曜日の意志表示で出来る空間とテントという空間は形態こそ違え、脱原発の意志空間として重なりあっている。こういう政治的意志空間の出現と持続は画期的な事であり、その政治的影響が広がるのはこれからである。国会や官庁に脱原発の動きは広がってきている。また、この金曜日の意志表示の空間は大阪、札幌、福岡など全国で展開される気運になってきている。人々の意志表示が場をなし、場が人々を意志表示の行動に促すという循環が各地で、様々の形態で登場することを期待する。これは日本で政治を変えていくはじまりである。 (M/O)
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