オスプレイの事故検証抜きで、配備を急ぐ
- 2012年 7月 14日
- 時代をみる
- 池田龍夫
米海兵隊のオスプレイ(垂直理離着陸機MV22)配備への不安が広まっている折、7月11日米国南部で訓練中に緊急着陸するトラブルがまたも発生。回転翼の不調が重なって発生して不時着したらしいが、重大とことだと言わざるを得ない。
沖縄県知事、重ねて配備中止を要請
仲井真弘多沖縄県知事は7月12日、防衛省に森本敏防衛相を訪ねて会談、「沖縄への配備中止を再度要請する。事故原因を究明し、県民の不安を払拭してほしい」と迫った。「首相官邸と相談する」と答えただけの森本氏の姿勢に、仲井真氏は「(防衛相からは)いい返事をいただけず、失望した」と、憤懣をぶちまけていた。
「グアムに一時陸揚げして再考を」
12日の衆院予算委員会でも、多くの議員がオスプレイ配備に関する質問を森本防衛相に浴びせたが、「米側の配備計画に変更ない模様で、米側からの事故原因報告を待っている」と、相変わらずの消極的答弁を繰り返していた。
「オスプレイを載せた輸送船は現在、太平洋のどの辺にいるか」との質問に対し、森本氏は「グアム付近と聞いている」と答弁。すかさず、「それならグアムに一時陸揚げして、再考すべきではないか」と追及された森本氏は「米軍が民間会社に依頼した船について、日本が口を出すわけにはいかない」との逃げの姿勢に、失望させられた。
藤村修官房長官も11日の記者会見で「緊急着陸、予防着陸はオスプレイに限らず民間機でも少なからずある。こういう事例はしょっちゅうある。防衛省が念のため(米側に)
照会すると聞いている」と、まるで他人事のようだ。
山口県知事も、岩国への陸揚げに反対
米側は山口県・岩国基地にオスプレイを陸揚げする方針だが、二井開成山口県知事は「ますます安全性に疑問が出てくる。安全性が確認されてない状況で(陸揚げの)日にちの通報があっても反対する」と述べており、〝試験飛行〟の対象地域となる本土自治体の反発も強い。
沖縄、本土を問わず国民の不安感が高まっているのに、真剣に打開策を示そうとしない野田佳彦政権の対米追従姿勢への不満は募るばかりである。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1994:120714〕
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