東電株主代表訴訟、9月13日 第二回口頭弁論開かれる、など―地震と原発事故情報
- 2012年 9月 28日
- 交流の広場
たんぽぽ舎です。【TMM:No1591】
2012年9月28日(金)-2 地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.東電株主代表訴訟、9月13日 第二回口頭弁論開かれる
取締役の反論がないまま原告側のプレゼンが続く
そして、第三回からは「取締役の責任を巡る攻防」 (山崎久隆)
★2.<テント日誌9/26(水)―経産前省テントひろば382日目>
蝉の声から虫の声に変わっているはずだが (M/O)
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◇9月29日(土)13:30から、於・スペースたんぽぽ、参加費800円
隠ぺいされた福島原発事故 第5回『東電に対する告発状から「加害」の事実
について』講師:槌田敦さん
詳細はこちら→http://tppsa.sakura.ne.jp/wp/?p=1483
いつもより、質問タイムを多くとります。事前質問も受け付けています。
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◇『東海村臨界事故』を忘れない! 9・30 13周年東京圏行動
9月30日(日)第1部 午前10時~ 経済産業省前で犠牲者追悼と抗議行動
第2部 午後1時半~講演集会、スペースたんぽぽ
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┗■1.東電株主代表訴訟、9月13日 第二回口頭弁論開かれる
│ 取締役の反論がないまま原告側のプレゼンが続く
│ そして、第三回からは「取締役の責任を巡る攻防」
└────(山崎久隆)
通常、裁判というものは「訴え」があり「反論」があるものです。東電株主
訴訟側は既に訴状においてその「訴え」をしています。次は被告側の「反論」
なのですが、未だにそれがありません。
そこで、取締役が自分たちの言い分を書いて出してくるまでの間、こちら側
が「とっても狭い地震大国で大量の原発が作られ続けた結果、どんな危険があ
るか」と「それだけ原発を作り続けたわけ」を裁判所と傍聴人と被告(ただし
口頭弁論には被告は誰も来ないので実際には弁護人に対し、ですが)を行うこ
ととしました。
第2回口頭弁論期日はまだとっても暑い9月13日に開かれました。
まず河合弁護士による原発推進の歴史が紹介されました。
ポイントはやはり「核武装への野望」と、見果てぬ夢「無限のエネルギーを
開発する」そしてそれを支えてきた「原子力ムラの構造」でした。
核武装の野望があったから巨大な原子力利権構造が構築され、莫大な税金が
及び電気料金(いずれも私たち国民から巻き上げたお金です)が投入されてき
ました。それを支える日本と米国の核兵器開発企業群と原子力マフィアとも言
える産官学マスコミ労働組合、実に日本の基幹産業の7割近い規模がこれに関
わってきたことを図で示し説明されました。それにはマスコミや広告代理店な
どが自治体も一体となり「安全神話」という名の教育を含めた洗脳が行われ、
原発の根拠なき安全性が拡大再生産されていきました。
次は、日本各地の原発裁判に取り組んできた海渡弁護士による原発の危険性
が解説されました。
原発の構造は、電力や国が出す図や、それを引用するマスコミの報道からは
かけ離れた複雑で、脆弱かつ複雑なものであることを実際の写真や見聞で説明
されました。
例えば制御棒駆動機構は、地震に遭遇すれば3秒以内で直ちに炉心挿入され
るとされ、それに呼応するように一般に見られる図では高圧の空気で一気に挿
入できるように書かれていますが、実際には長い距離を直径数センチのパイプ
で圧力を送り、ようやく挿入できる装置です。その配管は100本以上が束で
引き回され、大きな揺れに遭遇すると破断してしまうような脆弱なものと指摘
されました。
また、実際に地震に遭遇した柏崎刈羽原発の当時の状態を紹介し、地盤沈下
などの衝撃的な有様を裁判長以下、法廷の人々に示して、説明をされました。
長時間ではありませんでしたが、福島原発震災以来誰もが疑問に感じてきた
「地震大国がなぜ原発大国になったのか、その原発はどんな装置なのか」が明
確になったと思います。
次回以降は、いよいよ取締役の責任を巡る攻防が始まるでしょう。
第3回以降の期日が以下の通り、指定されました。
第3回 11月16日(金) 10時30分 東京地裁103号
第4回 12月13日(木) 10時30分 東京地裁103号
第5回 1月10日(木) 10時30分 東京地裁103号
第6回 2月21日(木) 10時30分 東京地裁103号
どうぞ、多くの皆さんの傍聴をお願いします。被告や東電取締役はもちろん
のこと、東電以外の原発を持つ電力会社全てに対しての大きなプレッシャーに
なっています。原発訴訟はこれからもどんどん起こされますが、そのうちに再
稼働した原発で事故が起きたら、その責任はこれまで以上に重く問われること
になる、それでも原発の再稼働をしたいですか、という問いかけになっていま
す。その訴訟で傍聴人やマスコミで常に満席になる。そのような取り組みにし
ていきたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。
東京電力株主代表訴訟Blog http://tepcodaihyososho.blog.fc2.com/
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┗■2.<テント日誌9/26(水)―経産前省テントひろば382日目>
│ 蝉の声から虫の声に変わっているはずだが
└──── (M/O)
毎年、秋のお彼岸には墓参りに行くのだが今年は機会を逸してしまった。そ
れだけ頭の中が原発問題に占められているからだ、というのは格好のつけ過ぎ
か。気にはなっていたのだが、忘れてしまっていたというのが実際だが、週末
になると何かと誘いも多いのである。脱原発の運動が浸透している結果であり、
歓迎すべきことなのではあるが…。
お彼岸も過ぎて急に涼しくなってきたが、また、暑さもぶり返すのであろう。
テントの周りではいつの間に蝉の声は消えて虫の声になっている。虫といって
も賑やかな秋の虫というよりはコウロギの声が僅かに確認できる程度だが。深
夜の散歩のついでの日比谷公園で耳を傾けてみたけれど、確かに虫は鳴いてい
たが虫の声がうるさい程ではなかった。
9月22日(土)のいわき市の集会へのバスツアーの中でSさんは飯館村に出
掛けたが川には魚影も見えず、藪にはクモの巣もなく、野原で虫の声も聞こえ
なかったと報告していた。小動物や植物が放射能汚染で異変に見舞われている
のではないかという僕らの想像は現実の事として進行しているようだ。
テントの中では外で鳴いている虫が何だということから、この話になったの
だが、原発の事故が未だ収束せず、何をもたらしているのか知るべきだ。福島
の現状は政府や官僚やメディアの意向もあってなかなか伝えられないし、現実
から目をそらせていたという人々の性向もあって忘れられがちだ。
多くのニュースが僕らの関心を拡散させてしまうこともある。
だが、人は時には意識的に頑固になってある事柄から目を離さないことが重
要である。今、福島の現状から目を離さないことである。メディアなどの動き
に抗して「尖閣や中国問題よりも、福島であり原発問題がより重要な問題であ
る」と言わねばならない。9月30日(日)には福島の現状が伝えられる会もある。
霞ヶ関や国会の周辺では毎週金曜日の官邸前行動とテントひろばが脱原発運
動の場を形成しその役割を果たしているが、この界隈では週末だけでなく連日
何かしらの行動がある。
月曜日24日には官邸前でのオスプレイ配備に対する抗議行動が雨の中で展
開された。25日は経団連に対する抗議が、またアメリカ大使館に向けた抗議が
なされた。26日には文科省前の行動と原子力規制委員会への行動があった。門
前市をなすということではないが、この日本の権力の中枢において国民の意思
表示が展開されていることは重要なことであり、これが常態化して行くことを
願っている。
11月11日には百万人での国会包囲が提起されているが、同時にこうした常態
化した行動がその裾野をなすのであり、それを可能にする。テントの持続、そ
の日常的な保持は困難なところもあるが、こうした運動で支えられている。元
気づけられるのだ。
9月19日から国会周辺で1カ月の断食を伴った座り込み行動を展開している
Fさんのことは既に前日の日誌でも取り上げられているが、Fさんは2007年
に安倍内閣の憲法改正の動きに抗して全国行脚をしたとのことである。『憲法
第9条を守る「ねずみ男」の日本縦断』は2007年4月沖縄からスタートし、足か
け1年以上の行脚となったとのことである。
かつて僕らも憲法9条擁護で全国行脚を考えたこともあった。この実践者が
既にいたわけである。その安倍晋三が自民党総裁に返り咲き、再び憲法改正が
浮上しそうな時に何か縁めいたものを感じる。何処かで会えば話をしてみるの
もいいと思う。テントで見かけることもあると思う。(M/O)
【訂正】
一昨日、9/26(火)として発信したテント日誌は、9/25(火)の間違
いです。訂正します。
★9月30日(日)
3・11福島原発事故に学ぶ
~脱原発のうねりの中で、福島ー首都圏交流の集い~
事故後1年半たった今、事故の原点に立ち返り、福島の現実を理解すること
が、現下の状況においてとくに重要と考え、福島ー首都圏の交流集会が開催さ
れる。
発言は、原発いらない福島の女たち、飯舘村村民で伊達市の仮設住宅に避難
中の方、浪江町希望の牧場、借り上げ住宅にお住まいの方、子どもたちを放射
能から守る福島ネットワーク、ふくしま集団疎開裁判の会。双葉町町長からは
メッセージ。
午後1時開場 1時半~5時 (開会まで「原発の町を追われて」を上映)
日比谷図書館地下コンベンションホール、資料代300円
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