9/1防災訓練は原発震災に対し無警戒
- 2010年 9月 1日
- 時代をみる
- 柳田 真
「9月1日・防災の日」の対策に欠けているもの
原発事故-放射能(死の灰)対策が欠落している
M8.7(関東大震災の16倍)の大地震に原発はもたない
●9月1日は関東大震災(M7.9)の起こった日。今年は、東海地震-東南海地震-南海地震の、3地震連動発生を想定した訓練として、はじめておこなわれた。新聞・テレビも大きく報道し、全国で80万人位が参加しているという。
●従来からこの訓練には、いくつかの批判があった。都庁の労働組合は、自衛隊の出動(治安訓練の練習)を問題視し、批判して、ポスター・ビラで主張、現地での監視活動を続けてきた。(近年、米軍参加があり、その批判が加わった)
●私が思うに、地震による原発事故=放射能(死の灰)対策が今回も全く欠落している。3年前の新潟県中越沖地震(M6.8)の時、柏崎市や刈羽村の人々は、真っ先に“原発は大丈夫か?”と心配したという。住民の正直な気持ちの発露である。
今回、3大地震の連動(過去の多くも3大地震が連動しておこった。単独でおこった例は少ない、珍しい)でマグニチュード(M)8.7の巨大地震が起きたと想定しての訓練である。これは関東大震災M7.9の16倍もの大きな地震である。この時、太平洋にある原発群(浜岡原発3基、東海原発1基、伊方原発3基、福島原発10基など)が全部無事か?…という心配である。残念ながら、M8.7の巨大地震が来ても、全部無事と答えられる人はいないはず。原発事故=放射能大量漏出は必至である。その対策が、9・1防災訓練には全くない。むりもない。放射能もれに、対策の立てようがない。唯一の策は、大地震が来る前に、原発を廃止することだ。原発震災(東海地震の提唱者・石橋克彦氏の命名)を防ぐには、早く浜岡原発…ほかを停止・廃止することが最善なのである。
●なお、関東大震災の時、天皇制政府-内務省は、“朝鮮人暴動のおそれ”のデマを流し、多くの朝鮮人が自警団の竹槍等で殺害された。日本史の暗部である。唯一の救いは、少数ながら、朝鮮人の命を守った勇気ある日本人、警察署長(神奈川県内)がいたことである。再びこの過ちを繰り返してはならない。
●防災の日だが、一般人の地震対策の関心が低く、防災グッズの売上げが不振という。熱しやすく、さめやすい日本人の特性か…、日本は地震国であり、それへの対策は困難だが、優先してやるべき事項なのだが。行政と国民の両方が心すべきことだと思う。
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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