フクシマ・アクション・プロジェクト~IAEA(国際原子力機関)は福島県で何するの!?
- 2012年 12月 12日
- 評論・紹介・意見
- IAEAの正体吉田明子
今週末郡山で開催されるIAEA閣僚会合。
原発推進のIAEAがやってくることへの懸念から、佐々木慶子さんなど
福島の市民を中心に、フクシマ・アクション・プロジェクトが立ち上がりました。
11月下旬から行なっているIAEAや福島県への働きかけ、
今週末の動きなどをお伝えします。
なお、昨日のFFTVでもIAEAについて取り上げています。こちらもご参照ください。
http://goo.gl/27svW
・IAEAとは、チェルノブイリで何が生じたか?
・竹内さん電話インタビュー 15分ごろ~
・IAEAの放射線基準(阪上さん) 24分~
・フクシマ・アクション・プロジェクトとは(慶子さん電話インタビュー) 50分~
・お知らせ
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フクシマ・アクション・プロジェクト、スタート!
原子力推進機関IAEA(国際原子力機関)は福島県で何するの!?
-事故の過小評価は許しません-
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Index:
◆IAEAが福島県にやってくる?!
◆フクシマ・アクション・プロジェクトは
◆15日要請書提出~18日のアクション
◆12/16 フクシマ・アクション・プロジェクト 市民会議
◆フクシマ・アクション・プロジェクト活動経緯と外務省との対話
◆ Nuclear Free Now 2012
◆参考
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◆IAEAが福島県にやってくる?!
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福島県は、三春町と南相馬市原町区に、除染技術開発、放射性物質の移動経路
の解明、有害物質の化学分析などの①モニタリング ②調査・研究 ③情報収
集・発信 ④教育・研修・交流 を行うために、福島県環境創造センターを設置
し、国際原子力機関(IAEA)を招致すると発表しました。
IAEAは福島県内に常駐して、福島や日本の政策決定に重大な影響を与える
研究や決定に関わる予定です。
12月15~17日、日本政府が主催しIAEAが共催する「原子力安全に関する福島閣僚
会議」が郡山市のビッグパレットで開催されます。IAEAは福島県の要請に応じて、
福島県とともに除染と健康管理に関する共同研究プロジェクトを行うとされてい
ます。
しかしIAEAは、原子力推進を強力にすすめ、チェルノブイリ事故後の健康影響
を過小評価してきた組織です。
こんな巨大権力組織が福島に来て、何をkuオようとしているのでしょうか。
この動きに対して、立ち上がったのが、フクシマ・アクション・プロジェクトです。
◆フクシマ・アクション・プロジェクトは
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IAEA(国際原子力機関)が2013年に、福島県に研究拠点を設置することに対し
て、IAEAとは何か、何のために、どんな研究をするのかを知って関心を高め、
原発被災者のために真に活かされるかを見極めると共に、原発被災地から望む
ことをIAEAに届けます。また、福島第一原発事故を終息させ、「第2のフクシ
マ」を繰り返さないために最善を尽くすようにIAEA・日本政府・福島県に働き
かけます。
上記の目的を達成するために、次の活動を行います。
①原発被災者としてIAEAへの関心を高めるために講演会・学習会・キャンペー
ン活動などを行う。
②原発被災地からの要望を集めてIAEA・日本政府・福島県に届け、その実行を
求める。
③IAEAの研究が透明性をもって行われ、真に原発被災者のために活かされる
ように働きかける。
詳細はこちら:http://npfree.jp/fukushima.html
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◆15日要請書提出~18日のアクション
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15日 8:30 記者会見 @ビッグパレット前(原発いらない福島の女たち)
9:00~14:00ごろ 県内外の団体との連帯行動 @ビッグパレット前
11:30 IAEA担当者へ申入れ@ビッグパレット前
★みなさんぜひご参集ください!
13:00~17:00 脱原発をめざす首長会議 @郡山労働福祉会館
18:00~20:30 市民交流会 @ビッグアイ
16日 14:00~17:00 フクシマ・アクション・プロジェクト市民会議
@郡山女子大学・建学記念講堂小ホール
18: 00~20:30 市民交流会 @ビッグアイ
17日 午前~午後 IAEA専門家会合傍聴
16:00 記者会見 @調整中
18日 18:30~20:30<東京・青山>GEOCセミナールームにて、
フクシマ・アクション・プロジェクト報告会を開催
その他のイベント・アクション一覧
http://npfree.jp/fukushima.html
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◆12/16 フクシマ・アクション・プロジェクト 市民会議
海外からみた福島原発震災、福島から考える未来
http://npfree.jp/fukushima.html
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16日の市民会議では、IAEA、世界保健機関(WHO)の実態について、各機関の
本部立地都市(ウィーン、ジュネーブ)の活動家より共有を行い、福島の置か
れている状況と私たちがいまなすべきアクションについて、国内外および福島
の視点から議論します。ぜひご参加ください!
○日 時 : 2012年12月16日(日)14:00~17:00
(開場 13:30)
○場 所 : 郡山女子大学・建学記念講堂小ホール
http://www.koriyama-kgc.ac.jp/access
(駐車場台数に限りがあるため、できれば乗り合いや公共交通でお越
しください)
○参加費: 500円 ※申込み不要
○プログラム:
開会、趣旨説明(佐々木慶子)、挨拶(フランス議員団より)
第一部:IAEA、WHOの実態と現場の市民アクション(14:15~15:15)
・ラインハルト・ウーリヒ(GLOBAL2000(FoEオーストリア))
IAEA設立の歴史、福島事故後のIAEAの対応、ウィーンでのアクション
・クリストフ・エラン(Independent WHO)
WHOの真実、IWHOの活動(WHO前での沈黙のアピール)、
厚生労働省前アクション
第二部:私たちのアクション~福島原発事故は終わっていない(15:30~17:00)
・モデレーター:武藤類子(フクシマ・アクション・プロジェクト)
・天木直人(元駐レバノン特命全権大使)
・ラインハルト・ウーリヒ
・クリストフ・エラン
・オリビエ・フロラン(EU 緑の党,ヴォクリューズ県議会副議長)
まとめ、東京・日比谷の「Nuclear Free Now 脱原発世界会議2」との中継、閉会
(司会:人見やよい)
○主 催 : フクシマ・アクション・プロジェクト
○問合せ(事務局): 080-5563-4516(佐々木)
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◆フクシマ・アクション・プロジェクト活動経緯と外務省との対話
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フクシマ・アクション・プロジェクトは、11月24日(土)に福島市(コラッセ
ふくしま)にて結成集会を開催しました。崎山比佐子さんから放射線の人体影
響に関する基調講演、竹内雅文さんからIAEAの実態について報告し、ディスカ
ッションを行いました。80名以上が参加し、その場で約30名の入会もありまし
た。
○県との交渉 ― 県は会議内容に関与していない?!
これに先立つ11月22日には、福島県に対し質問書を提出しました。
・閣僚会議の内容や市民参加、県民の声は届けられるのか
・福島県とIAEAが共同で行う除染等のプロジェクトについて
被災者の健康と権利を守るために県としてどのような手だてを考えているか
これに対し、福島県は会議の共催ではないのであまり関与していない、との回
答ではありましたが、「被災者の声を届けるべき」という市民の指摘を外務省
に伝えてほしい、との声は伝えられました。健康管理については、県立医大が
担当しているとのこと。
○外務省との交渉 ― 要請書の直接手渡しが実現!
続いて 11月29日には、外務省の原子力安全福島閣僚会議準備事務局を訪問し
ました。こちらでも、市民の参加と被災者の直接の声を聞く場について質問
し、IAEAのスタッフに直接要請書を手渡す場の設定を求めました。
被災者の声を聞く場については「真剣に検討している」とのことでした。この
交渉での要請が契機となり、急きょ12月9日(日)に郡山市のビッグパレット
で「地元説明会」が開催されることとなりました。
会合の告知は、2日前と前日に地元紙に掲載されました。直前かつ十分とはい
えない告知のなかで、約20名が参加しました。
この説明会の場で、外務省からはついに、被災者の意見表明を閣僚会議のプロ
グラムに入れることを具体的に検討する、人選提案をしてほしい、との回答を
得るにいたりました。(12日時点の回答で、意見表明は難しいが、メッセージ
の貼り出しを行なうことに。)
また要請書の手渡しは、【15日11時30分に会場駐車場にて】ということで決ま
りました。
これらはまさに、フクシマ・アクション・プロジェクトの働きかけによる変化
であると言えます。
説明会では、浪江町から避難されている方から、切々と思いが訴えられまし
た。家のローンを負いながら狭い部屋で苦しい生活をしている。非常につら
い、これまで県や政府にたくさんの手紙も書いてきたが一向に返事がない。声
が届かないことがむなしく、国も政治家も信用できなくなっている。
参加したフクシマ・アクション・プロジェクトメンバーからも、「原子力安
全」ではなく原子力の危険性である、被災者の声を届けなければ福島で開催す
る意味はない、などと訴えました。
一つわかったのは、外務省の担当者のみなさんが、IAEAとWHOとの結びつきや
チェルノブイリ事故後の健康被害の実態について知らなかったと答えたこと。
メンバーから、チェルノブイリ後の実態についての資料を渡しました。外交の
実務は市民の懸念と異なった次元で行われています。すぐに変わらなくても、
こうしたギャップを埋めていくこと、様々な角度から市民の声を伝えることを
訴えていくことは欠かせないと実感しました。
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◆ Nuclear Free Now 2012 http://npfree.jp
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12月15~16日(土・日)、東京【日比谷】と福島【郡山】にて
「Nuclear Free Now」を開催します。
「Nuclear Free Now」は、『脱原発世界会議2』や、
『さようなら原発世界大集会』『脱原発世界大行進2』など、
各イベントやデモが同時に行われる国際イベントです。
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◆参考
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◇IAEAとは
IAEA(国際原子力機関)は、1957年に設立された国際機関で、“原子力
(核)の平和利用”(発電など)を推進することを使命としています。
◇IAEAやWHOが チェルノブイリでしたこと
1986年にウクライナのチェルノブイリの原子力発電所で起きた事故は数万人に
のぼるといわれる死者と様々な健康被害を生む悲惨なものでした。国際社会で
健康を守り被害者の救援の先頭に立つはずのWHOは、IAEAからの規制を受け
て、30数人の死者しか認めず、子どもの甲状腺癌もなかなか存在を認めませ
んでした。やっと認めた後も、甲状腺癌はたいして重い病気でないと言ってい
ます。また被害の大きな地域の各国政府が避難区域を拡大しようと準備してい
た時に、過剰な評価であると言って妨害したのもIAEAです。
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<連絡先>
◆フクシマ・アクション・プロジェクト事務局
〒960-8055 福島市野田町 6-12-21 (佐々木方)
Tel: 080-5563-4516 Fax: 024-535-0909
◆Nuclear Free Now 事務局
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1 B1
ピースボート内 「Nuclear Free Now」事務局
Tel: 03-3363-7561 (担当:越智・小鍋)
Fax: 03-3363-7562 mail: office@npfree.jp
Twitter ID:DATSUGENPATSUtw
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion11067121212〕
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