「『日本原子力発電』株(原電)をどうする?」など-地震と原発事故情報
- 2013年 2月 5日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No1737】
2013年2月5日(火)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.「日本原子力発電」株(原電)をどうする?
提案・「解体撤去」ではなく原発の廃炉「管理会社」にする
3つのメリット-放射能ヒバク減少、費用減少、雇用保障
これこそが原発の正しい「終わり方」だ
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.新聞・雑誌より2つ
◆東電支援3.2兆円に 追加7000億円認可 3月期赤字1200億円
(2013年2月5日東京新聞より抜粋)
◆断層調査 前審議官 面会は8回 報告書案漏えい、原電修正
(2013年2月5日東京新聞より抜粋)
★3.テント日誌2/4(月)経産省前テントひろば―512日目
放射線医師が梅干しを持ってきてくださった
(I.K)、(K.M)
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※2/6学習会にご参加を!
『地球温暖化の真実』第1回「日本海を温暖化させたのは、原発温排水!」
講 師:平松健男さん(平松技術アドバイザ事務所 代表)
日 時:2月6日(水)19:00より
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
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┗■1.「日本原子力発電」株(原電)をどうする?
| 提案・「解体撤去」ではなく原発の廃炉「管理会社」にする
| 3つのメリット-放射能ヒバク減少、費用減少、雇用保障
| これこそが原発の正しい「終わり方」だ
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
○ 日本原子力発電(以下原電)の将来は、発電会社としては終わった。
全電力会社と電源開発が株式の全てを保有する国策会社なので、市場で株価が
暴落することもないし、直接消費者が「選択」出来る会社でもないので不買運動
などとも無縁だから、一ワットも商品が売れない(生産できない)のに、存在そ
のものが問われることもない。しかし東電社員の給料の額を問題にするのならば
(するなと言うのではない。あくまでもバランスの問題という意味だ)日本原電
に支払っている年間あたり1000億円もの費用は、さらに問題にすべきことだ。
東電の経営再建計画では実に今年度から三年間にわたり合計3000億円を原電に
支払うとしている。この間、電気は一キロワットアワーも送電されることはない。
この状態は東電だけではない。東電以外にも原電と電力供給契約を結んでいる
関電、中部電、北陸電、中国電などが合わせて2011年度で1443億円も支出をする。
2012年度も原電が1月に発表した上半期決算では「762億3500万円」もの「収入」
がある。
○ おかげでこれら電力会社は全て「赤字」(ただし単年度/単独決算において)
であるのに、原電は史上最大の「黒字決算」である。2012年度上半期の黒字額は
実に「209億7300万円」ちなみに2010年度は一年間で「わずか」8億1200万円の
黒字だったというから、焼け太りも甚だしい。
理由は電気など送電しなくても契約に定められた「料金」(それは料金とは言
えないだろうに)を電力側は支払い続けなければならず、一方、原発が全部止ま
ったおかげで検査や補修にかかる費用が減っているからだそうだ。
この会社に社外取締役として天下ったのが勝俣元東電会長である。
直ちに破たん処理をしろと叫びたくなる会社だが、3つもの原発を抱える会社
であり、一定の技術力もあることから、別の役割を持って存続させるのが良いだ
ろう。
○ 実際に、原電が生き残るには、次の三つの道が考えられる。
まず、運転不可能になった3原発の代わりに敦賀3,4号機を増設し、それで
存続を図る方法。しかしこれでは「新増設はしない」という方針に逆らうことに
なる。今の内閣がどうであろうと、もはや新増設など認める人は少ない。
敷地の整地も終わり建設するだけになっていようとも、建設が進むとは到底考え
られない。また、当然ながら敦賀3、4号機の立地地点は浦底-敦賀断層や白木
-丹生断層などの影響を受ける。断層調査、津波対策、防災体制など、計画は一
から見直し。仮に建設強行をしても運転できるのは何年先になるか見当もつかな
い。これでは会社はとうに倒産している。つまり非現実的だ。
次の方法は、実質的に経営破綻をしている東電の柏崎刈羽原発などの原発を原
電に譲渡し、そのいくつかを再稼働して発電会社として存続する方法だ。勝俣元
東電会長が日本原電の社外取締役に就任した秘密がそこにある。などというとま
るで三文小説だが、方法論としてはあり得る。しかし東電の原発にしても、再稼
働などできるとは考えられない。まさしく自殺行為になる。
○ 第三の方法は、日本各地にある電力会社所有の原発を所有権移転することだ。
ただし運転を再開するためではない。安全に「廃炉」にするためだ。つまり原電
は「にほんげんしりょくはつでんしょ『はいろ』かんりがいしゃ」になるのである。
福島第一原発を除き、48基ある原発を各電力会社ごとに所有したままで廃炉
措置をすると、電力会社ごとの「体力」次第で安全性が左右される可能性がある。
資金ショートした会社では安全に管理さえ出来ない危険性が常にある。
特に事実上経営破綻をしている東電が一番危険だ。
そうならないためには、3基の原発を保有してきた原電に、各電力会社から原
発の職員ごと「異動」するのが効率的だろう。合わせて人材の確保も可能になる。
電力ごとに原発職員を養成しなくても良くなる。
この会社には電力会社はもちろんのこと、国も出資し、安全な管理を行うよう
にする。もちろん使用済燃料も原電で管理するが、当面は発電所敷地内での乾式
貯蔵を進めるほかはないだろう。その後のことはみんなで話し合って決めるしか
ない。
○ 少なくても原発の整理統合が図れることで、これまで定期検査などで従事し
てきた労働者のかなりは、継続雇用が出来る。徐々に減っていくことになるが、
それは当然のことだろう。
当面、解体撤去しないで密封管理することで、二つのメリットが生まれる。
一つは直ちに巨額の費用を必要としないこと。使用済燃料の管理を最優先に、
放射化した原発は密封管理をするので、費用は解体撤去に比べれば圧倒的に少な
くて済む。
直ちに解体撤去しないので、被曝労働は大幅に低減できる。運転時の構内より
もきれいになるので、管理と補修では大きな被曝事故は起こらない。
圧力容器や主要配管など汚染のひどいものは密封して時間とともに減衰するの
を待つ。放射性物質の最も安全で安価な管理法は「減衰を待つ」ことだ。それを
実施すれば良い。
いずれは解体するときが来るだろうが、その時にはコバルト60など放射化さ
れた物質はほとんど残っていない。つまり放射能は消えている。
使用済燃料が破壊さえされなければ、原発そのものが持っている放射能は時間さ
え経てば、さほど危険ではない。
○ これを原電を改組して出来る新会社で行えば良い。
それこそが原発の正しい「終わり方」だと思う。
■山崎久隆さんの講演=『危険な原発大解剖 第9回総集編(第1回から第8回
のまとめと追加新情報)』は、2月26日(火)19:00より、「スペースたんぽぽ 」
で開催です。参加歓迎です。
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┗■2.新聞・雑誌より2つ
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◆東電支援3.2兆円に 追加7000億円認可 3月期赤字1200億円
実質的に国有化されている東京電力は四日、福島第一原発事故の被害者に賠償
金を支払うため国に申請していた約七千億円の追加の資金援助について、茂木敏
充経済産業相から認められたと発表した。追加支援は三回目。これまでの総額は
大阪府の年間予算規模にほぼ相当する三兆二千四百三十一億円にのぼる。
現在の賠償の仕組みは暫定措置で、政府と電力各社がつくった「原子力損害賠
償支援機構」が五兆円を上限に立て替え、東電が黒字化達成後に返済する仕組み
になっている。
しかし、東電は昨年十一月、賠償額は十兆円を超える可能性があるとして、国
に対して費用負担を要求している。(中略)
経産省は昨年、東電が原発を再稼働できない場合は簡単に電気料金を上げられ
るよう審査基準を変更している。
東電の広瀬直己社長は今後の収益改善策について「必要な対策は打って黒字を
目指すが今は新たな値上げについて申し上げられない」と電気料金の値上げにつ
いては言及を避けた。(2013年2月5日東京新聞より抜粋)
◆断層調査 前審議官 面会は8回 報告書案漏えい、原電修正
日本原子力発電敦賀原発(福井県)の断層調査をめぐる報告書原案漏えい問題で、
日本原電は四日、原子力規制庁の名雪哲夫前審議官との面会がほかにも三回あり、
計八回だったことを明らかにした。(中略)
原子力規制委員会の調査団による現地調査直後から、直下の断層が活断層と判
断されることに危機感を強めた日本原電が、頻繁に名雪氏との接触を図ったとみ
られる。(中略)
年明け後も「年始のあいさつ」などとして一月四、十一日に面会。名雪氏は二
十二日に執務室で市村常務らに原案を手渡した。
一人で事業者と面会するのは内規違反で、名雪氏が翌二十三日に自ら申し出た
という。(2013年2月5日東京新聞より抜粋)
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┗■3.テント日誌 2/4(月) 経産省前テントひろば―512日目
| 放射線医師が梅干しを持ってきてくださった
└──── (I.K)、(K.M)
頑張って10時少し前テント到着。まだ陽が当たらず風はとても冷たい。テト
ト前にはいつものようにWさんが正座していた。まもなくたんぽぽ舎でボランテ
ィアをしていると言うOさんが短時間ですけれど、と言って座って下さった。昨
日たんぽぽ舎で開かれた「テントを守ろう討論会」にも参加していたと言う事で
話が弾みました。12時すぎると太陽が訪れ昨日ほどではないけれど、暖かくな
りました。椅子を陽のあたる場所に移動して談笑。今日は節分、テント前にはど
なたかがヒイラギを飾って下さっていた。昔はヒイラギにいわしの頭など付けた
んですよね。などと会話していたら、恵方巻きの差し入れがあり、今年の恵方は
どっち?など言いながら楽しくご馳走になる。
しばらくして放射線の医師だと言うSさんが梅干を持ってきてくだり、Kさん
と長時間話して帰られた。内部被爆の治療に発酵食品が良いのだとか?彼女は皆
さんに放射能の事をお話できるかもしれないとのこと、そういう機会がもてたら
いいですね。2時過ぎ若い男性が興味深げにテントを見ていたので、「原発どう
思いますか?」と声をかけたらやっぱり「難しいですね」との答えが返ってきた。
彼は今まで原発の恩恵を受けていた東京、大阪の人が原発に反対するのはおか
しいのではないか?新しいエネルギーを確保してから段階的に止めるべきではな
いのかと言うご意見でした。第2テントのHさんが彼の意見を真摯に聞きながら
原発のいけない訳などを丁寧に説明して下さいました。若い人が原発の事を真剣
に考えてテントをのぞいて下さることは嬉しいですね。そして反原発になってく
れるとなお良いけれど・・・・・
会話の大切さを感じます。夕方になるとやはり寒かった通りがかりの人が一つ
だけれど、とホカロンをくださったのに感激でした。(I.K)
節分の夜。国産豆を肴にEさんの渡航土産のワインを味わいながら話が弾んだ。
1月28日に沖縄代表団が来て安倍首相に「建白書」を提出し、2日には安倍首相
が仲井間知事と会談したが、オスプレイ反対と普天間基地閉鎖・撤去に燃える沖
縄に日米政府はどう対応するのか。逆に沖縄側からの次の切り札は? 東京では
「辺野古の海を殺すな!公有水面埋め立てを許さない2.24集会」開催予定。
頻繁に沖縄に行っているTさんが、「シネマdeテント」にぴったりの沖縄のビ
デオを紹介するとともに、沖縄―宮古の関係、今の沖縄の基地反対運動の状況を
論じた、多摩弾薬庫に核があるのか?の議論も。さらに、元農林省の方も来訪し
原発反対を主張され、続いて都区内に住むFさんが手作りの恵方巻きを沢山持っ
てこられ、「ひろしま」など観たくなる映画をいくつも紹介してくださった。カ
ラ―フルな太巻を頂きながら映画談議が続く。「シネマdeテント」担当は大喜び。
11時近くなって、皆で豆まきをする。「鬼は外」「原発は外」と声を張り上げ
て経産省に向かって豆を撒き、夜のおしゃべり会を閉じた。
ところで、「原子力規制を監視する市民の会」から:名雪審議官を内規違反と
して訓告処分したが、ノーリターンルールを犯して急遽出向元の文科省に返した
だけで、報告書草案を渡された原電には事情聴取せず、他の検討チームなどでも
同様の癒着が無いか調査しない。明らかに、トカゲのしっぽ切りかつ臭いものに
蓋。真相解明と事業者癒着反対と「原子力ムラ」専門家一掃を訴えよう。
規制委員会は5日(火)に非公開臨時会議が、6日(水)午前には定例会議が
開催される。(K.M)
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【編集部より】
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