第6回 杉並近現代史講座「昭和天皇と安保・沖縄問題」
- 2010年 9月 17日
- 催し物案内
- 増田都子
●第6回 杉並近現代史講座「昭和天皇と安保・沖縄問題」
●日時 9月24日(金)午後6時半~8時半
杉並でいごの会 (問合せは、090-1500-9886 まで)
●内容
前回、下の方の感想に見られるように、現代の米軍基地問題=日本の対米属国化=日本の主権侵害&人権侵害問題の根源である「新旧安保条約」に昭和天皇は憲法違反の政治干渉を行い、日本の進路を左右しました。では、その後の沖縄返還問題=日米安保の変質(拡大)の時代に昭和天皇はどんな役割を果たしていたのでしょうか? それは日本国憲法にとってどんな意味をもつでしょうか? 佐藤栄作日記などの資料を基に考えあいたいと思います。
●参加費1000円
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●前回『安保条約と天皇』の感想
猛暑の中、熱い講義ありがとうございました。
今回の講義を一言で要約すれば、「日本最大の売国奴は昭和天皇である」という刺激的なフレーズになりそうです。引用された天皇発言から伝わってくるものは、自分で考え行動する民衆に対する恐怖と敵意、それに反比例するようにアメリカへの手放しの賞賛と親近感です。昭和天皇は、骨の髄までパワーポリティクスの信奉者で、反共主義者だったようです。
増田先生が選んだ天皇発言から浮かび上がってくる昭和天皇のものの考え方は、大元帥の地位を失った後も「軍人」の発想が抜けきらず、主権者たる民衆から支持される立憲君主というより、隷属する臣民に君臨する専制君主の感覚そのものと思いました。
天皇が一番気にかけているのは、「日本国民」ひとりひとりの幸福より、自分を中心にした「国体」の護持らしい。そしてそれを実現する手段は「軍事力」しかないと考えているから、世界最強のアメリカを頼ることになるわけでしょう。本当は、自分の軍隊を持ちたいのでしょうか?
でも皇軍を木っ端微塵に打ち破った米軍の方が、はるかに頼りになるならば、目的のためには手段を選ばない。自衛隊はローカルな私兵で十分。アメリカを味方に付けることが一番安心できる。昭和天皇は、ものすごいリアリストです。彼の発想には「日本らしさ」の片鱗もありません。
とても右翼が期待するような、固有の文化や伝統を何よりも大事にするようなナショナリストではありません。天皇を支持することがアメリカへの隷属に直結しているのは、日本ナショナリズムの大きな自己撞着です。
日本の文化を守るのは、軍事力なのでしょうか、国際協調なのでしょうか。日米地位協定の隷属性は、天皇のある意味の弱腰がある限り、改められる見込みはなさそうです。司法が下級審において「憲法の番人」たる良心を示すのが、滑稽にすら見えてきます。
増田先生の授業を聞いて、天皇自身が「戦争責任」をまるで感じていないことがよく分かりました。生身の天皇をもっとさらけださせて、戦後の日本のあり方を自由に論じなければ何も変わらないと思いました。
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●追伸
諸事情から、増田HPのURLを変えました。
新しいURLは以下です。
http://masudamiyako.com/
http://www.masudamiyako.com/
どちらでもだいじょうぶです。お時間のあるときに、のぞいていただければ嬉しいです!
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