「九電、公聴会8割動員 05年佐賀 原子力大綱策定で」など-地震と原発事故情報
- 2013年 4月 2日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No1792】
2013年4月1日(月)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
━━━━━━━
★1.多数の福島の子供に甲状腺がんが見つかったことをなかったことのように扱う記事
環境省の甲状腺検査の記事について-読むにたえない内容、大事なデータ無視
冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.4/4講座「わかりやすい放射能の話・2.ICRP解説を中心として」
講師:原田裕史さん 矢嶋理恵(たんぽぽ舎ボランティア)
★3.新聞・雑誌より5つ
◆官邸デモ1年 声上げ続ける 「3・11前に戻さない」 (3/30東京新聞より抜粋)
◆原子力学会 「安全性 慢心あった」 原発事故で中間報告 (3/27東京新聞より抜粋)
◆九電、公聴会8割動員 05年佐賀 原子力大綱策定で (3/28東京新聞より抜粋)
◆浪江・小高原発の計画撤回 福島第一事故後では初 東北電発表 (3/28東京新聞より抜粋)
◆福島事故を調査 専門家と検討会 原子力規制委設置 (3/27東京新聞より)
━━━━━━━
※4/3学習会にご参加を!
地震学者・島村英紀さんのお話『地震・活断層・規制委員会について』
日 時:4月3日(水)18:00開場 18:30より
お 話:島村英紀さん(地震学者)
会 場:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
主 催:再稼働阻止全国ネットワーク(連絡先:たんぽぽ舎気付)
━━━━━━━
┏┓
┗■1.多数の福島の子供に甲状腺がんが見つかったことをなかったことのように扱う記事
| 環境省の甲状腺検査の記事について-読むにたえない内容、大事なデータ無視
└──── 冨塚元夫(たんぽぽ舎ボランティア)
3月30日付けの朝日新聞と東京新聞に、環境省が福島県以外の3市で行った甲
状腺検査結果の記事があります。3市とは長崎市、甲府市、弘前市ですが、福島
県では小さなしこりやのう胞が見つかった割合が41.2%に対し、長崎市では42.5
%、甲府市では69.4%、弘前市では57.6%だった。同等か福島のほうがやや低い
というもの。
朝日新聞の見出しは、「子ども甲状腺調査『福島と大差なし』、3県、環境省
結論」です。この記事では、この間問題になっている、多数の福島の子供に甲状
腺がんが見つかったことをなかったことのように扱っています。
なぜこのようにおかしな記事になったか、明らかです。甲状腺検査では、小さ
なしこりやのう胞(A2判定)よりも大きなしこりやのう胞(B判定)と再検査
(精密検査)が問題です。
福島県の23年度の調査結果ではB判定が186人でそのうち85人に細胞診断が行
われ、10人が癌と判断されました(うち3人は手術終了)。
福島県の24年度の調査結果では548人がB判定ですが、細胞診断の結果は発表
されていません。この発表が待たれています。
3月30日の記事ではこのような大事なデータと問題の所在が無視されており、
読むに堪えない内容です。
┏┓
┗■2.4/4講座「わかりやすい放射能の話・2.ICRP解説を中心として」
| 講師:原田裕史さん
└──── 矢嶋理恵(たんぽぽ舎ボランティア)
先の講座「わかりやすい放射能の話」(2/28)では、放射線の被害評価をしてい
る機関のお話がありました。
評価が厳しい順にECRR→BEIR→ICRP→WHO→UNSCEAR→IAEAとなっており、よく
聞くIAEAは原発推進に立った緩い基準となっています。
この中で、ICRP(国際放射線防護委員会)は放射線防護の国際的な勧告を出し
ており、日本の法律の基礎ともなっています。非常に使いでがあるということでした。
ICRPの基準は原則として人工放射線に関するもので、正当化、最適化、予防原
則、アララの原則を含んでいます。
・正当化=不当な被ばくはNG、医療被曝と今回の被ばくは全く違う。
・最適化=害より益のほうが大きくあるべき。
・予防原則=実際の被害が出たら負け。
・アララの原則=合理的に達成可能な限り、被ばく量は低く。
これらの原則を含んだICRPの勧告から改めて放射能の基準値を考え、いまの日
本の実態と重ね合わせて、放射能の基準値について考え直すきっかけとなればと
思います。
講師の原田さんはとてもわかりやすくお話ししてくださいます。
ぜひ聞きに来てください。
また、お話の間に質問があれば遠慮なく手を挙げて聞いてください。
活発な議論の中に新しい発見があると考えています。
どうぞお気軽にご参加くださいませ。
わかりやすい放射能の話 その2「ICRP徹底解析 なぜICRPにこだわるか」
日 時:4月4日(木)18:30開場 19:00より
お 話:原田裕史さん(たんぽぽ舎)
場 所:「スペースたんぽぽ」ダイナミックビル4F
参加費:800円
┏┓
┗■3.新聞・雑誌より5つ
└────
◆官邸デモ1年 声上げ続ける 「3・11前に戻さない」
毎週金曜日の夜に、首相官邸前で脱原発を訴える抗議行動が始まって1年。手
書きのプラカードを手にする子どもの姿もあった。
29日夜で2年目に突入した東京・永田町の抗議活動。この日、初めて参加した
人たちも少なくなく、国会議事堂前辺りまで長い人の列ができた。春休みで子ど
もと一緒に地方から参加した人もいた。「震災や東京電力福島第一原発事故が起
きた3・11以前の日本に戻させない」「あきらめない人はたくさんいる」。決
意を胸に再稼働や原発反対を訴えた。(中略)
この日の参加者は主催者発表で6千人。前の週に比べ2倍の人が参加した。
抗議活動は、原発事故後、最初の原発再稼働となる関西電力大飯原発の再稼働
に反対し、市民グループ「首都圏反原発連合」が短文投稿サイト・ツイッターな
どで呼び掛け、1年前に始まった。以来、毎週、抗議活動が続けられている。
大飯原発の再稼働が決まった昨年6月16日以降、参加者が急増。同7月29日の
国会大包囲には主催者発表で約20万人(警察発表1万2千5百人)が国会周辺を
埋め尽くした。その後、徐々に参加者が減ったが、政権交代を機に増えてきてい
るという。 (3/30東京新聞より抜粋)
◆原子力学会 「安全性 慢心あった」 原発事故で中間報告
原子力の研究者やメーカー技術者でつくる日本原子力学会は27日、東京電力福
島第一原発事故に関する中間報告書を公表した。(中略)
アンケート調査では「原発の安全性に対する慢心や技術に関する過信があった」
などと反省の弁が並んだ。(中略)
「チェルノブイリ原発事故などから教訓を学ぶ姿勢が希薄で、海外の事故は別
世界の出来事のように取り扱われた」「原発の安全性に問題があると思われては
困るとの理由で、安全にかかわる研究を歓迎しない雰囲気が電力会社にあった」
などの指摘が出た。
学会が抱えていた問題点として、「安全性への言及は自己の足元を崩すような
認識があった」「原発反対派が指摘する問題点を科学的に議論する姿勢に欠けて
いた」などの回答が寄せられた。(後略) (3/27東京新聞より抜粋)
◆九電、公聴会8割動員 05年佐賀 原子力大綱策定で
国の原子力利用の基本方針となる原子力政策大綱策定に向け、原子力委員会が
2005年8月に佐賀市で公聴会を開いた際、150人に動員を掛けていたことが28日、
九電への取材で分かった。参加者の8割に当たる。発言者21人のうち11人が九電
社員(うち1人はOB)だった。
11年6月には玄海原発(佐賀県玄海町)再稼働をめぐる県民説明番組で「やらせ
メール」が発覚しており、地元の意見形成をゆがめる手法があらためて浮き彫り
になった。九電は「真摯に反省している。企業活動の透明化、組織風土の改善、
再発防止に全社で取り組む」と謝罪している(後略)。
(註) やらせメール問題:九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働に向け、九
電が2011年6月国主催の説明番組に賛成意見を投稿するよう子会社などに呼び掛
けていたことが発覚した。九電第三者委員会は番組直前の古川康・佐賀県知事に
よる九電幹部への発言が問題の発端と認定。12年春、当時の九電社長、会長が辞
任した。また国内初のプルサーマル導入をめぐる05年の佐賀県主催の公開討論会
でも、九電が動員や原発推進の「仕込み質問」をしたことが判明した。
(3/28東京新聞より抜粋)
◆浪江・小高原発の計画撤回 福島第一事故後では初 東北電発表
東北電力は27日、浪江・小高原発(福島県浪江町、南相馬市)の新設計画を撤
回すると発表した。予定地が東京電力福島第一原発事故後に警戒区域となったこ
とに加え、地元の理解を得られず、建設は不可能と判断したとみられる。
原発新設計画の撤回は、他の電力事業者を含め、原発事故後初めて。東北電と
しては2003年に地元の反対などを理由に断念した巻原発(新潟県)に次いで2例
目となる。
浪江・小高原発は出力82万5000キロワットで、予定地は浪江町と南相馬市小高
区の計約150ヘクタール。用地は東日本大震災の津波で浸水し、原発事故後に全
域が警戒区域となった。(中略)
東北電は、震災後に運転停止が続く女川原発1~3号機(宮城県女川町、石巻
市)を16年度以降、東通原発1号機(青森県東通村)を15年7月に再稼働させる計
画。(後略)
(註) 浪江・小高原発:東北電力が福島県浪江町と南相馬市小高区にまたがって
建設を予定していた原発。青森県の東通原発2号機の増設とともに、東北電が長
年、実現を目指してきた。1968年に計画を公表し、用地取得に着手。沸騰水型軽
水炉(BWR)で、出力は82万5000キロワットとする予定だった。計画地は東京電力
福島第1原発から北へ約10キロの地点。 (3/28東京新聞より抜粋)
◆福島事故を調査 専門家と検討会 原子力規制委設置
東京電力福島第一原発の事故を調べるため、原子力規制委員会は27日、規制委
と外部専門家らによる検討会を設置した。1号機の非常用冷却装置が地震で壊れ
たかなど、専門家によって見解が異なる問題を中心に調査する。
政府、国会、民間など各事故調が原因を調べたが、被ばくなどの問題で現場を
見ることができないなど、調査は不十分に終わった。
事故調ごとに結論が食い違う部分もあり、規制委は検討会で調べることにした。
(3/27東京新聞より)
──────────
【編集部より】
メルマガ読者からの集会・デモ・講演会のお知らせ、その他投稿歓迎。
「集会・デモ・講演会のお知らせ」に関しては、平等に掲載するため
日時、会場、タイトル及び内容、主催者、主催者の連絡先などを400文字
以内で、またその他投稿に関しては400~800文字以内でタイトル及び
内容をお送り下さい。
宛先は、magazine@tanpoposya.net です。
なお、お送り頂いた投稿は集会・デモ・講演会のお知らせを含めて紙面の
都合上すべてを掲載できない場合があります。予めご了承ください。
──────────
◆このメールマガジンのバックナンバーは、ホームページをご参照下さい。
◆電子メール(Eメール)送ります
たんぽぽ舎では、「地震と原発事故情報」を発信しています。
ご希望の方はご自身のEメールアドレスと氏名をたんぽぽ舎あてに件名を
「メルマガ希望」として送ってください。
登録できしだい発信致します(無料)。
たんぽぽ舎のアドレス: nonukes@tanpoposya.net
◆携帯への送信は、1回の容量が多いためか配信されない例があります。
──────────
たんぽぽ舎 たんぽぽ舎は、月曜~土曜
13:00~20:00のオープンです。
日曜・休日は、お休みです。
〒101-0061
東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
HP http://www.tanpoposya.net/
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。