テント日誌4月24日経産省前テントひろば592日目…「原子力ムラではなく原子力帝国である」という指摘をいただいた
- 2013年 4月 25日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
あまり同じことばつかり言っているのはいささか気が引けるが愚図ついた天気が多い。アベノミクスで幻想をばらまいている日本経済も実態はこんなところであろうか。僕らの日々の暮らしを見ていれば実感できることだ。株もやらないし不動産のことも関係ない暮らしで実感できるとすれば、日常品の値上がりやその気配ぐらいだ。こんな中で「消費増税」に関連するとさせる商品の値引き禁止法案が準備されているとの報道も聞こえてくる。なんだ、やっぱりアベノミクスは消費増税のための法案であることが暴露されているようなものではないのか。それにアメリカのドル暴落を防ぐ援護射撃であり、ドル基軸通貨維持のためのバーズカ砲なのだ。一瞬、春がやってきたような錯覚を呼び起こし桜まで慌てて咲いた気候と同じでメディアが太鼓持ちをしても踊りようもないのがアベノミクスである。アメリカもEUも先行き不安であり、そのうちに連動して国債暴落という洪水に見舞われなければよいのだが…。
友人が送ってくれる季節の草花の写真で気持がほぐしている。愚図ついた天気のせいではないが、なかなか野外には出掛けられない。テントにきた日はなるべく周辺に咲く草花に気をやりながら散歩している。人知れず花を咲かせているそう草木だってこの気候は何か変だと感じているのではないか。せっかく咲いた花を目でながら、でも、まだ花をさかせるだけでもいいのかと思う。
テントの不寝番の時にはいろいろの本を読むが気分の重い時は、椎名誠の探検物と言うか、旅行物を割と読んでいる。昔からの愛読書であるが、ブックオフで見つけてきては読んでいる。彼は世界の各地に旅行しているが日本の離島やあまり知られていない島々を探索していて、読んでいても実に楽しい。焚火をしたり、三角ベースの野球をしたりというのもいいが、彼がさりげなく語る、コンクリートやテトラポットなどで壊された風景についての描写もいい。胸に刺さるのだ。どんな辺鄙なところにも工事を持ち込むというのは日本のゼネコンの力だったのかも知れないが、「国土強靭法案」とやらでそれを繰り返すのだろうか。美しい風景と観光資源をコンクリートやテトラで破壊してきた歴史にもっと目をやっていいのではないか。原発が地域の風景や地場産業を壊してきたことにも通ずるのであろう。原発が存在し再稼働が画策される地域では、以前の美しい自然の復活を願って周辺でキャンプなど含めた集まりを企画したらどうか。多くの人が原発の所在地に足を向ける企画があるといいな、と椎名さんの本を読みながら妄想めいたことを考えていた。椎名さんたちが張るテント程には自由で楽しいテントではないが、同じテントということであれこれと連想した。経産省前テントもまた楽しいんじゃ、と呟いたのだが誰かに聞こえたであろういか。
泊りのメンバーFさんの誕生日が4月25日だというのでささやかなお祝いをした。差し入れていただいたケーキとビールで乾杯だ。ウイスキーにチョコレートではないがこれはこれであうから不思議だ。Fさんおめでとう。これも何かの縁だね。今後もよろしくというところだ。
朝起きたら兵庫からテントを訪ねてきた人があった。「土地明け渡し訴訟」がなされた報道を知って心配し駆けつけてもらったのだが、こういう人は全国各地にいると思う。現在、弁護団の結成など裁判に向けての対応を進めて居るがネットを含めた情報に注目して頂いて、機会があればテントに来ていただきたい。5月23日には11時から第1回の口頭弁論があり、10時からは集会等も予定されている。気がつけば連休が目前なのだが、時間が取れればテントに顔を出して欲しい。それがテントを守る基本であり、一番望まれていることでもある。連休中にテント前ひろばでの催しも企画されている。一例をあげれば4月28日14時から「原発/NO!テントを守れ/川柳句会/」など。反骨の土台支えるテント村、出るごみの行き場もきめず再稼働などが詠まれたものだが、参加して名《迷》句でも作ってもらいたい。連休中の企画についてはまとまり次第お知らせをする。
テント日誌を読んだからいただいたメールにどうも「原子力ムラ」というのは納得できない。ムラ=村ではなく原子力帝国であるというお便りをいただいた。その隠然たる力は村ではなく、帝国だというのはよくわかるが、この村には組織の閉鎖性と排他性が込められていて、その面では捨てがたいネーミングだと僕は思ったりもしている。 (M/O)
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