ドイツテレビARTE.(海底に放棄された10万トンの核ごみと海底に放棄された3つのロシアの核軍艦、この恐ろしい出来事は忘れられている)
- 2013年 4月 29日
- 評論・紹介・意見
- リヒトナーすみ子原潜廃棄汚染海の汚染
こんにちわ。お元気ですか? この記事をちきゅ座に投稿したいと思います。
ドイツARTEテレビが報道したドキュメンタリーフィルムを2つ和訳(要約)いたしました。
とても重要な内容です。このフィルムはドイツ語ですが、画面を見るだけでもかなり理解できます。
北極海やヨーロッパの海が汚染され続けられていること。放棄されたソ連の核原子力潜水艦は核分裂が始まっており、いつ爆発が起こるか知れないと言う事実。膨大な健康被害が発生することに驚愕いたしました。
少しでも真実を知ってもらいたいと思い、和訳をいたしました。
イギリスの活動家が、世界中が原発の放射線と廃棄物で汚染されていると言う言葉は事実であると思います。
子供達の生命を守る為に私達は原発廃止の戦いを続けなければならないと思います。
http://videos.arte.tv/de/videos/versenkt-und-vergessen–7447586.html
Versenkt und Vergessen(海底に放棄された10万トンの核ごみと海底に放棄された3つのロシアの核軍艦、この恐ろしい出来事は忘れられている)
映画監督、Thomas Reutter さん、Manfred Ladwig さん、ドイツグリーンピースの活動家 Harald Zindler,さんが,海に放棄された核廃棄物の樽を調査するため、特殊な水中カメラで記録したドキュメンタリーフイルムである。チームはイギリス海峡で沈没した核廃棄物も発見している。
このドキュメンタリーフイルムは原発企業、各国政府(IAEAも含む)が無責任に海に核廃棄物を放棄し、今日では犯罪と云える事をしている事実を示している!
1995年以来、海に核廃棄物を放棄することは、世界で禁じられている。しかし、まだ陸から海に放射性汚染水を排出することは許可されている。
毎日何かが起こっていると言うことである。(環境破壊と健康破壊がされている)
再処理工場から液体核廃棄物がアイリッシュ海と英仏海峡に排出されている。
核汚染よる長期的な影響はほとんど不明である。それについての情報もほとんどないことは偶然ではない。
その理由は、指導者たちが、長年にわたって原子力の危険性を軽視し、事実を隠蔽してきたためである!
1970年にフランス、ドイツ、イギリスの原発からの10万トンの核ゴミが海に放棄され、ドイツグリーンピースがそれを阻止する為に行動を開始した。
だが,原発産業界はそれを無視した。セラフィールドの核燃棒も海に放棄されているという事実を誰も知らない。
(核ゴミ放棄の作業をさせられた船員達には、高放射線で危険であることも説明されず、何の防備服も与えられていなかった。)
海に放棄された核ゴミについては、12年間何も調査されていない。
ドイツグリーンピースは昨年1年間、北極海の海底に放棄された10万トンの核ごみと海底に放棄された3つのロシアの核軍艦の調査を行なった。
1隻の核軍艦では核分裂が起こっていることが発見された。(また、核ゴミ、8つのドラム缶を海底から運びだして測定したら、高い線量(プルトニウム)が検出された。)
核分裂を始めている核軍艦が爆発したら、広大な規模の環境汚染を引き起こし、考えられないほどの,健康被害が起こるとドイツグリーンピースの活動家は述べている。
ドイツからノルウエーにいたる領域の海でセシウムやプルトニウムが検出されている。
ヨーロッパはもちろん、世界中が汚染されている状態にある。
ドイツグリーンピースの活動家は、原発産業界に対してその責任を追及したいのだが、誰も責任を持とうとしない!と怒りを述べた。
ジャーナリストは、IAEAの幹部に面談した。
海底に放棄されたロシアの核軍艦が核分裂を始めていること、放棄された核ゴミが腐敗している事を伝えたら、IAEAの幹部は”放射線汚染された核軍艦を取り出しても、どこに運んだらよいのか、そんな場所は無い。だから海底に放置して置くしか方法は無い”とコメントした。
ジャーナリストが、核軍艦が核分裂し爆発して環境汚染することに対して、貴方はどう考えるのかと質問したのにたいして、”そのような物理的なことには答えられない”と述べた。(非人間的で無責任な回答だった。)
物理化学者クリス・バスビー博士が、セラフィールドに近いALDERNEY島の住民たちの白血病の発生率が他の地域の住民よりも10倍も高いというので調査を始めた。
白血病の例。ALDERNEY島の12歳の子供は白血病になっているが、幼児のとき、毎日海岸で砂遊びをしたさいの放射線が原因であると母親は話している。
もう1名は、幼児のとき白血病を患い現在(19才)も白血病を患っている。
脳腫瘍が2名。
セラフィールドでは7歳の子供が白血病。
(病気のデータは当局が秘密にしており、これ以上の調査を続けることは困難である。)
彼は海岸の土壌から、高いセシウムと高いプルトニウムの放射線量を検出した。(プルトニウム106ベクレル/kg,セシウム204ベクレル/kgである)
毎日、海岸の土は削り取られているのだが、毎日、海岸からプルトニウムが検出されている。
セラフィールドでは、人々の体、歯、家の中のほこりからもプルトニウムが検出されている。
だが当局は、何も問題はないと答えている。そして,セラフィールドは清潔な街だと宣伝されている。
クリス・バスビー博士は、ALDERNEYは非常に危険であり、海岸の砂の放射線が体内に吸入されると癌になるおそれがあると警告している。
また、土壌にしみ込んだ放射線は濃縮されて、より高い放射線になると述べている。
ドイツグリーンピースの活動家は、ヨーロッパの各地域の海草の放射線測定をし、海草からは、アレバが発表した放射線量より5倍も高い放射線量を検出した。また、ミミズは通常の規定値より、2000倍から3000倍も,汚染されている事を発見した。
原発から排出された放射線汚染水はセラフィールドからノルウエーまで流れ、ヨーロッパの海は汚染されている状態である。
魚が汚染され、人間にとって有害な食物連鎖が起こることは確実である。
そして、セラフィールドは今までに500kgのプルトニウムを海に排出している。(この事実は誰も知らない)
ジャーナリストはロンドンの保険省の幹部に面談した。
保険省の幹部は、”ALDERNEY島やセラフィールドで発生している白血病については原発による原因ではない”とコメントした。
英国の保険省のメンバーは、ICRPのメンバーでもある。ICRPが基準値値を決め、英国の保険省がそれに従っている。(まさに原発マフイアである)
英国のグリーンピースの活動家は、”私は激怒している!人々は何も事実を知らされていないし、全てロンドンの当局が決めているのである!”と話した。
ドイツの核専門家(ドイツ核防護協会)は、原発を建設するときの報告書には、原発エネルギーは安価であると報告されているが、リスクは原発の放射線により癌、白血病、甲状線癌、その他の病気になり短命であると報告している。政府は原発による健康影響を知っているのである。でも、政府は経済的に思考し、物理的(原発による健康被害)には全く考えようとしないと批判する。
Atomfriedhof Arktis
http://videos.arte.tv/de/videos/atomfriedhof-arktis–7447590.html
(核廃棄物の墓場、北極海)
17万トンの核のゴミ。14基の古い原子炉、3隻のロシアの原子力潜水艦が北極海に放棄された。
1993年にロシアの船が核廃棄物を放棄するのを、4人のグリーンピースの活動家達が止めようと行動した。そして、放棄されるロシアの原子力潜水艦の放射線量を測定しようとしたが、彼等はソ連水上警察に逮捕された。(短期間)
ロシアの核専門家は、放棄した核廃棄物で年間3,7兆ベクレルのセシウムで海が汚染されていると推算している。
だが、ロシア政府は何も危険が無い、我々は引き上げる計画をしていると公式発表している。
ドイツの放射線防護協会の核専門家RENNENBERG氏は、放射線災害は始まっており、ロシアの原子力潜水艦から放射線は漏れ、海は汚染され続けていると述べている。
北極海は、タラの水揚げで世界で最も重要な漁場である。ここから、魚がヨーロッパに送られてくる。
しかし、海底は核廃棄物で汚染され危険な状態である。
放棄されたロシアの原子力潜水艦内に1000個の金属製の箱があり、その箱には放射性廃棄物と使用済み核燃料棒が保管されている。
北極海でロシアの核廃棄物が処分されたことは、軍事秘密で推進され、記録も残されていない。
ロシアの反原発活動家アレキサンドラ・ニクティンは、放棄されたロシアの原子力潜水艦が、北極海の汚染をするという事をロシアで公式発表し、ロシア警察からスパイと思われ逮捕され、10ヶ月拘束された。
科学者たちの国際チームは、3つの古いソ連の原子力潜水艦が放棄された、最も危険な場所を見つけて、現在、地図を作成しようとしている。
あるソ連の活動家が、我々に証拠になるCDを提供してくれた。そのCDは、放棄されたロシアの原子力潜水艦が、いかに錆び、塩水で腐食されているかを写し出している。(危険なので彼の顔写真は見せることができないし、名前も匿名である)
潜水艦の外側は、驚くほど錆び、水中写真で、外側の亀裂を写しているが、多くの場所が塩水で腐食されている。
長年、放射線が漏れていることが事実であることは、測定結果が示している。
ロシアの専門家は、放棄された原子力潜水艦で、制御不能な核連鎖反応が起こりうることを警告している。
ドイツの放射線防護協会の核専門家RENNENBERG氏は、放棄されたロシアの原子力潜水艦では、短期間に核分裂が起こり、大災害が起こる可能性が高いと話した。
1995年、放棄された原子力潜水艦に、放射線が漏れないようにティタンのドアが取りつけられた。(ティタンは30年間だけ放射線を防護するので、30年後に再度取りつけなければならない)
ロシア当局は、少なくとも2014年までに、3つの原子力潜水艦のうち2つを,海底から引きあげたい旨を報告しているが、実際にそんなに早く実現できるのだろうか?
取りだすことは、労力は膨大で,核燃料棒が破損する可能性があり、危険な行為である。
また、現在まで、原子力潜水艦を取りだすためのロシア政府の動きは、全く無い。(ロシアの原発企業が、放棄された原子力潜水艦の中の1つを取り出すための計画文書と、その費用が216億ドルがかかるとロシア政府に計画書を提出しているが、政府からは、何の返事も無いと話した)。
ロシア政府は、 “今すぐの危険”は無いと公式報告をしているが、ロシア政府の内部文書には、環境の大災害が差し迫っていると、真実が書かれている。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion1268:130429〕
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