社会政策学会の大会で原発労働者の分科会を開催
- 2013年 5月 7日
- 催し物案内
- 社会政策学会
一般の方もご参加できますので、
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社会政策学会第126回大会第2分科会
〔特別プロジェクト「東日本大震災と社会政策」原発関連分科会〕
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日時:2013年5月26日(日)9:30〜11:30
場所:青山学院大学青山キャンパス17号館17510教室
(表参道駅or渋谷駅)
座 長・コーディネーター:高須裕彦(一橋大学)
予定討論者: 菅井益郎(國學院大學)
報告者:
1.取材を通じて見えてきた原発作業員たちの労働実態と思い
池座雅之(NHK 制作局)
2.東電福島第一原発における労働者被ばくと安全問題
飯田勝泰(特定非営利活動法人東京労働安全衛生センター)
参加費:500円(本分科会のみ参加・非会員)
※大会全体に参加する場合は3000円となります。受付(17号館1階ロビー)で、本分科
会にのみ参加される旨申し出下さい。
事前の申込みは不要です。
大会プログラムは以下からダウンロードできます。会場地図が掲載されています。
社会政策学会のウェブサイト
http://sssp-online.org/
<分科会設立の趣旨>
東日本大震災をきっかけに発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故は、2 年を
経過しても収束の見通しがたっていない。収束作業に従事する労働者たちは、
地元福島はもちろん、全国各地から動員され、重層的な下請構造の下で働いている。
その労働は、偽装請負や下請業者のピンハネ、割に合わない低賃金、不十分な
安全教育、高線量被ばくを強いる危険な作業、いい加減な被ばく管理や健康管理
など多くの問題を抱えている。今後は労働者確保の困難さが予想されている。
そこで、本分科会は、福島第一原発で事故収束作業に従事する労働者の実態と課
題に焦点をあて、問題解決のために必要な取り組みや政策課題を明らかにする。
報告者は二人とも非会員であるが、本テーマに関して調査研究を行っている会員
がいないため招聘する。池座雅之さんは、NHK の番組制作を通じて、数ヶ
月にわたり労働者たちにアプローチをし、彼らの働き方や思いを取材している。飯
田勝泰さんは、長年、労働安全衛生に取り組んできた専門家として、労働者被は
゙く問題に取り組んでいる。この二人の報告を受けて、前記の問題について議論し
たい。
■池座雅之(NHK 制作局)
「取材を通じて見えてきた原発作業員たちの労働実態と思い」
2011 年 3 月に起きた福島第一原発事故後、事故処理にあたった原発作業員たちの姿
は、海外メディアでは「フェイスレス 50」などと称賛されたか
゙、その実際の労働状況や作業員たちの姿が「顔出し」で伝えられる機会は極め
て少なかった。彼らのほとんどが、東京電力から何次にも連なる下請け構造の
末端で働く作業員であり、事故後も収入を原発での仕事に依存せざるをえな
い状況に置かれてきたためである。
報告者は、2011 年 8 月 19 日放送の NHK・ETV 特集「ルポ 原発作業員」で、下
請け企業 2 社の協力を得て、数ヶ月に及ぶ密着取材
を行った。そこから見えてきたのは、時に 1 日に 2mSv 近い被ばくを伴う仕事を下
請け各社が「分け合う」ようにして働いている実態である。また、
法令上の被ばく限度である 5 年で 100mSv を超えた場合に、その後の生活保障
がないことに下請け企業・作業員ともに強い不安を抱えている現状
だ。取材の過程で、現場の作業員たちにどのようにアプローチを試みたか、
また、彼らの現状を伝える上で何がネックになっているのか、実際の番組で
の映像を交えて報告する。
■飯田勝泰(特定非営利活動法人東京労働安全衛生センター)
「東電福島第一原発における労働者被ばくと安全問題」
3・11 東電福島第一原発事故は原子力の安全神話を木端微塵に吹き飛ばした。原子
力緊急事態宣言が発令される中、厚労省は電離放射線障害防止規則の特例措
置として事故対応の緊急作業にあたる原発作業員の放射線被ばく線量を 100mSv か
ら一挙に 250mSv に引き上げた。その結果、緊急作業に動員さ
れた東電及び協力会社の作業員約 2 万人は、ズサンな被ばく線量管理によって
被ばくさせられた。2012年 3 月末までの 1 年間、福島第一原
発の作業員の総被ばく線量は、通常時 1 年間の国内原子力施設の作業員に比して
3 倍にものぼっている。
これまで原発労働は闇の世界と言われてきた。事実、放射線障害で労災認定を受
けた事例は過去 11例にとどまっている。今回の原発事故を契機に、原発労働
の闇に切り込むことが問われている。
報告では、第一に原発労働者の放射線被ばく規制の変遷をふまえ、第二に福島第
一原発事故の作業員の被ばく管理と安全対策を検証する。最後に原発労働者の健
康と安全、権利の確保なくして事故収束、廃炉は展望できないとの見地から、今後
求められる取り組みを考察する。
以 上
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