「ピースおおさか」館長 あて: 2013年5月10日 「ピースおおさか」リニューアル構想説明会開催申し入れ
- 2013年 5月 10日
- 交流の広場
- 「ピースおおさか」の危機を考える連絡会
「ピースおおさか」リニューアル構想説明会開催申し入れ
貴館におかれましては此の度、「ピースおおさか」の展示リニューアル構想を発表されました。
それに関して、設立当初より「ピースおおさか」の設置理念に深く関心を持ち続け見学・学習に参加してきた私たちに、リニューアルの趣旨と構想内容について、ぜひとも公開の説明会を開いて頂き、平和教育の意義の共通理解を図っていくことが必要であると思っています。
「ピースおおさか」の設置理念によりますと、「第2次大戦において、大阪では50回をこえる空襲により、市街地の主要部分が廃墟と化しました。……数多くの日本国民が尊い命を失い、傷つき、病に倒れました。同時に8月15日に至る15年戦争において、戦場となった中国はじめアジア・太平洋地域の人々、また植民地下の朝鮮・台湾の人々にも多大な危害を与えたことを、私たちは忘れません。」とあります。
しかしながら、今回のリニューアル構想においては、「展示については……「残酷」「偏向」「自虐的」といった批判もある。」「戦争の悲惨さを的確に伝える展示を念頭に置きながら、感受性豊かな子どもに過大な負担をかける展示ではないか、ストーリー上不可欠なものか、専門家の意見も聞きながら検討するものとする。」のような文言が見受けられ、リニューアルに取り組まれる姿勢に、疑念を抱かざるを得ない状況が起きていると考えています。
現在の大阪大空襲の展示においても、一層充実させるために、大阪の都市基盤整備や軍事施設けんせつには在日朝鮮人・中国人の多大な労働があったこと、その結果、大阪空襲で多くの朝鮮人・中国人の被害があったことの調査と展示が必要不可欠です。
かって日本が、朝鮮、中国をはじめとし、アジア太平洋地域でおこなった侵略は、南京大虐殺、三光作戦、日本軍「慰安婦」、強制連行など、じつに『残酷』をきわめました。これは歴史の事実です。『偏向』ではありません。加害の歴史の事実を正確に伝えてこそ、若い世代がこの国の未来がどうあるべきかを考える資料となります。
今、中国、韓国だけでなく、米・英・独などのメディアは日本の歴史修正主義に疑惑のまなざしで報道しています。「ピースおおさか」が、「大阪府民・市民と国内外の人々との間の相互交流を深めることを通じて、大阪が世界の平和と繁栄に積極的に貢献する」(設置理念)ことを目的とするならば、世界に通用しない歴史を歪曲した展示や、あるいは、かっての自国の侵略や植民地支配の事実に言及しない展示では、世界から信頼を得ることは出来ません。また、恒久の平和を希求する大阪府民・市民、ひいては国民の願いを裏切るものでもあります。
自国の歴史の過ちを認め反省することは、決して『自虐』ではありません。むしろ道義に満ちた史観であり、私たち日本人がアジアをはじめ、世界の信頼を取り戻し平和に共生する道です。
今回のリニューアル構想に際して、「ピースおおさか」の設置理念をどのように具現されようとしておられるのか、リニューアル構想の各項目について具体的に説明されますよう、公開の説明会の開催を申し入れます。
なお、 5 月 31 日までにご返答下さるよう、お願いします。
「ピースおおさか」の危機を考える連絡会
連絡先 080-3822-0404
FAX 067-635-5711
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。