尖閣は日米安保の対象、中国の出方を注視─米統参議長が記者会見で
- 2010年 9月 24日
- 時代をみる
- 尖閣列島問題日米安保の対象鈴木顕介
2010年 9月23日
アメリカのゲーツ国防長官とマレン統合参謀本部議長は23日午後(日本時間24日午前)
ともに臨んだ記者会見で,質問に答える形で日中間の領有権をめぐり係争となっている尖閣諸島が日米間の安全保障取り決めの範囲内であることを改めて確認した。
記者会見での質疑はワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワードが新著「オバマの戦争」で、アフガン新戦略決定の際ホワイトハウスと国防総省が鋭く対立したことを暴露したため、アフガン問題に集中した。尖閣問題は、記者会見の後半に出された一つの質問への答えで、その全文は次の通り。
問い:中国の温家宝首相は22日ニューヨークで漁船の船長を帰さないなら日本に対して行動を取ると脅したが、アメリカの安全保障の傘は尖閣諸島に及ぶのか。
マレン:アメリカはこの脅迫をとても、とても注意深く見守っている。間違いなくアメリカのこの地域へのコミットメントは変わっていない。政治的、外交的努力がこの緊張を緩和することを期待している。私が思うに、警報レベルをそれ以上に上げるようなものは見当たらない。言うまでもなく、われわれはご存知のようにこの地域の同盟国、日本をとても、とても強く支えている。
ゲーツ:アメリカは同盟の責任を果たすつもりだ。
尖閣諸島の領有権問題が前面に出る形となった今回の中国漁船衝突をめぐる日中間の対立激化は、船長の処分保留、釈放で一応沈静化に向かうことが期待される。この記者会見でのアメリカ軍首脳の発言は、尖閣諸島が日米安保条約の適用範囲に含まれることを再確認することで、事態が中国による軍事的挑発にまで発展するのを防ぐ狙いがあったと受け取れる。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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