12年度版「エネルギー白書」の欺瞞
- 2013年 6月 22日
- 時代をみる
- 池田龍夫
政府は6月14日、2012年度版「エネルギー白書」を発表したが、民主党政権が昨年進めようとした「30年代に原発ゼロ」の方針には触れないばかりか、昨年8月に同政府が実施した「討論型世論調査」で原発ゼロ派が多数を占めた結果も記載していない。
12年度版は昨年8月~今年3月を対象にしたものなのに、「脱原発」の世論を無視した白書には同意できない。朝日新聞6月16日付社説は、「福島の事故は、国民の間に政治や行政への深刻な不信を招いた。どうしたら政策への理解が得られるか。模索の中から生まれたのが、審議会の全面公開による検証、そして討論型世論調査などを含む国民的議論だった。『原発ゼロ』はこうして導かれた結果であり、エネルギー行政の軌跡を記録するうえで不可欠だ。ここに目を向けない白書には、失望するしかない」と批判している。
経産省エネルギー庁が、安倍政権の顔色をうかがって、〝原発問題〟の中身を変えてしまった「12年度版白書」は公正を欠く。国民は、この欺瞞に騙まされてはならない。
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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