「たんぽぽ舎 抗議声明 2013年7月4日」など-地震と原発事故情報
- 2013年 7月 5日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No1889】
2013年7月4日(木)地震と原発情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.たんぽぽ舎 抗議声明 2013年7月4日
異常なMOX輸送に抗議する
原発の危険性を増大させるプルサーマル計画は撤回せよ
★2.「福井から未来へ!原発のない世界を!6/29~30全国集会」にて
福井からの報告 (若泉政人 サヨナラ原発福井ネットワーク)
★3.読者からイベント紹介(問合せは主催者へお願いします)
◇九州電力-鹿児島支店まえ抗議行動
7月8日(月)12:30より、九州電力鹿児島支店まえ
◇「福島原発20㎞圏内ツアー報告会」
7月15日(月・休)午後1時30分から、皆野町文化会館(秩父)
★4.「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」シリーズ<5>
(島村英紀 地震学者)(夕刊フジ連載記事より)
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┗■1.<<抗議声明>>
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┃異常なMOX輸送に抗議する ┃
┃原発の危険性を増大させるプルサーマル計画は撤回せよ┃
┃プルトニウム利用計画すべてを中止せよ ┃
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たんぽぽ舎 2013年7月4日
福島原発震災後始めてのプルトニウム燃料(MOX燃料)輸送が行われました。
高浜原発3、4号機用の燃料です。しかし高浜原発は稼働する見通しなど有
りません。
関西電力は7月に再稼働申請を行うとされていますが、申請後には当然なが
ら規制庁の審査があり、審査が通らなければ稼働できないのは誰もが知ってい
ることです。
原子力事業者はこれまで、どんな原発であっても国の審査が通らなかったた
めしがないと高をくくっているのでしょう。これまでは、あらゆる審査が「お
手盛り」「茶番」だったことで、こんなデタラメな輸送が強行されたのです。
プルトニウムは使うあてのないものは保有しないことが国際的な取り決めで
す。日本は「核査察の優等生」などと言っています。世界中の査察の4分の1
は日本に対するものです。優等生なのではなく、それほど核兵器転用が懸念さ
れる技術や物資が存在することを意味しています。さらにこのうえ、使うあて
のないプルトニウム燃料体を運び込んだわけです。
核兵器開発や核実験に対して強い態度で臨むはずの日本が、自ら不透明で疑
問だらけのMOX輸送を強行したことは、世界の核開発をめぐる状況も悪化さ
せる原因を作ったと言わざるを得ません。
◇「プルサーマル」という危険な運転方法
再稼働に関する原発の安全性に関しては、MOX燃料の使用は考慮されてい
ません。MOX燃料が入っていても原子炉の危険性は変わらないと考えられて
いるようです。しかしそれは明らかに間違っています。
MOX燃料を使用する場合、燃料の特性が異なってくる場面があります。特
に過酷事故や地震に遭遇した際にその影響は大きくなります。
燃料体はプルトニウムを混ぜた場合、例えば「制御棒の効きが悪くなる」、
あるいは「燃料の融点が下がる」という現象が起きます。過酷事故においては
原子炉停止余裕が小さくなるとともに熔けやすい状態を作ることとなります。
国や東電はMOX燃料の融点低下について、私たちが「過酷事故においては
安全性を低下させる要因になる」と指摘すると、原子炉の事故の際でも最冠水
により燃料表面温度は1200度程度に収まるので、2500度あたりの融点
が数十度高いか低いかは問題にならないと否定しました。しかし福島第一原発
事故は燃料を溶かす温度まで上昇した可能性があります。
福島第一原発3号機には32体のMOX燃料が入っていました。燃料体がど
うなっていたかはもちろん分かりません。燃料損傷や溶融が早く起きたのかど
うか。実物を見ての検証さえできていません。
高浜原発に入るMOX燃料は徐々に増やされ、最終的には炉心の三分の一に
達します。福島第一原発よりも遙かに大量の燃料が入れられた状態で、巨大地
震に遭遇したらどうなるでしょうか。さらに炉心溶融に至る場合はどうでしょ
う。そんな検証もされていないのが現実です。
さらに、初期装荷プルトニウム量が一般の原発よりも大量である原子炉で、
炉心崩壊による放射能放出になると、従来のウラン燃料による拡散シミュレー
ションよりも広範囲が高濃度の放射能に襲われる危険性もあります。今の
「30キロ圏」基準はウラン燃料を想定したものでありMOX燃料を想定して
作り直す必要があるのです。
◇プルトニウム利用計画を中止せよ
日本原燃は2013年度下半期から2015年度下半期までの二年半の期間
中に使用済燃料を再処理して、実に16.266トンものプルトニウムを抽出
する計画です。これらプルトニウムは一体何に使うというのでしょう。
プルトニウムを取り出すのですから、再処理により高レベル放射性廃棄物も
大量に発生します。
海外再処理で溜まっている44.3トンと合わせて、使い道のないプルトニ
ウムを大量に抱え込んでゆく日本。
国際社会からは厳しい目で見られることになるのは当然です。
プルトニウムを使うためだけに作られようとしている大間原発。この原発が
建てられつつあるのも青森県です。
六ヶ所再処理工場から大間原発にMOX燃料として移動させられたプルトニ
ウムが大間原発で燃やされることになります。ますます青森県は核のゴミ捨て
場にされてしまいます。
実態としてはプルトニウム利用計画に経済性がないことは、とうに明らかに
なっています。通常の燃料の8倍のコストをかけたMOX燃料。これを燃やし
て出来るのは貯蔵するのも難しい使用済MOX燃料体。もちろん再処理など出
来ません。
さらに置き場もない高レベルガラス固化体を量産してしまうだけの再処理工
場に今後も何兆円もの資金を投入しようというのです。
何のために危険性だけが巨大化する核燃料サイクルを動かすのでしょう。
ましてや再処理施設や高レベル放射性廃棄物の貯蔵施設については規制基準
すら出来ていません。存在する危険な設備に基準さえ無いという、デタラメを
通り越して犯罪でしか有りません。
まず、これ以上危険な再処理を行わないで、当面使用済燃料の状態で安全に
貯蔵する施設、設備を作る必要があります。
原発が止まった今、再処理をする意味さえない。無意味な危険物をこれ以上
増やさせないことを求めます。
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┗■2.「福井から未来へ!原発のない世界を!6/29~30全国集会」にて
│ 福井からの報告
└────(若泉政人 サヨナラ原発福井ネットワーク)
現在、大飯原発は「F6」が活断層の指摘や安全対策の先送りしながら稼働
しているだけでなく、福井県の「原子力災害時の避難に関する暫定措置(昨年
6月29日発表)」では、福井県外に避難するのが現実的なおおい町の人たちは、
敦賀市に逃げるように指示されたままです。
6月16日には、美浜町で「福井県原子力防災訓練」が行われました(稼働し
ているおおい町ではなく美浜町)。当日、私たちの仲間が漁船をチャーターし、
県の防災計画の不備をアピールしたりもしました。
6月19日、「原発事故の避難先に兵庫、奈良など 福井県が3県と合意」と
新聞で報じられました。「(福井県は)両府県(京都・滋賀)は一部が30キロ
圏に入ることを考慮し、想定から外した」とのこと。安全協定締結などが関係
してくるためではないかと推測しています。防災の範囲に関し、規制委員会の
ホームページ掲載されている「平成22年から23年にかけてPAZ等に関する防災
指針見直しに向けた検討における電気事業連合会へのデータ提供依頼に関する
経緯について」の中の、安全委員会と電気事業連合会との打ち合わせメモ
(「EPZの目安の見直しについては、自治体は交付金が因む(絡むのまちが
い?)大きな話」と発言あり)を元に、6月21日に福井県へ防災の範囲に関す
る公開質問状を提出しました。
最後に、最近話題になっている「4Kテレビ(フルハイビジョンの4倍の画
素数)」の消費電力について。現在の売れ筋モデルに比べて5~7倍です。画
質については報じられていても、このことは触れられていないようです。現在
のモデルのままではいけないのでしょうか?私たちの生活(欲望)に対して問
いかけているように思います。
これからも皆さんと共に、原発のない世界を目指して頑張りたいと思います。
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┗■3.読者からイベント紹介(問合せは主催者へお願いします)
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◆川内原発1・2号機の「再稼働」申請に抗議する
九州電力-鹿児島支店まえ抗議行動へ参加しよう!
7月8日(月)12:30より 九電鹿児島支店において(県庁となり)
内容 抗議集会、および各団体からの抗議文の手渡し
九電は、再稼働申請の一番乗りを目指しています。
エネルギーの問題でも何でもなく、九電は原発稼働という犯罪行為を
一番に宣言するというわけです。
※集会のあと14時から、訴訟の弁護団と原告団が県庁3階 県政記者クラブ
「青潮会」で、声明文の発表と記者会見を行います。時間のある方はお付き
合い下さい。
呼びかけ:反原発・かごしまネット(鹿児島市下田町292-1)
TEL 099-248-5455 FAX 099-248-5457
◆「福島原発20㎞圏内ツアー報告会」
今年5月25日・26日に「原発とめよう秩父人」の企画により、
現地に詳しい案内を得て、福島原発から20㎞圏内を視察してきました。
これからの行動につないでいくための報告会です。ぜひお集まりください。
日時 7月15日(月・休)午後1時30分 開始
会場 皆野町文化会館
(埼玉県秩父郡皆野町皆野1423番地、TEL 0494-62-4563)
交通 秩父鉄道「みなの」駅下車 徒歩10分
国道140号線からすぐ 駐車場あり
問合せ 「くろうさぎ」山田まで 0494-25-7373
ホームページ http://titibu.sakura.ne.jp/chichibujin/
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┗■4.「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」シリーズ<5>
│「人造地震」の恐怖2 ダムが大災害の引き金に?!
│ エジプト3000年以上の歴史で、史上初のアスワンハイダムが
│ 地震を引き起こした。(TMM:No1885(6/29配信)のつづき)
└────(島村英紀 地震学者)
○前回は、深い井戸に水を注入したら地震が起きた話だった。水といえば、
ダムが地震を起こした例も世界各地にある。1967年にインド西部でM6.3の地震
が起きて一説には2000人もが犠牲になった。コイナダムという巨大なダムを
造ったことで引き起こされた地震である。ダムで貯水が始まったのは1962年。
それ以後、M4クラスの小さな地震が起きはじめた。震源はダムの25キロ四方だ
けに限られ、周囲100キロで地震が起きているのはここだけだった。そして貯
水が始まってから5年目の1967年に大被害を生んだ地震が起きてしまったのだ。
アフリカ南部のザンビアとジンバブエの国境でダムが作られて、1958年から貯
水を始めた。当時としては世界最大の人造湖、カリバ湖が出来た。ここではダ
ム建設前から近くで小さな地震が起きていた。だが貯水が始まってから満水に
なった1963年までに地震が急増して2000回以上にもなった。満水になった年に
はM5.8の地震が起きて被害も出た。
○ダムが地震を起こすのは、ダムに溜められた水が地下にしみ込んでいくこと
と、ダムに溜められた大量の水の重さによる影響とのせいだと思われている。
ダムで起きる地震が地滑りを起こしてダムを溢れさせ、大被害を起こしたこと
もある。イタリアのバイオントダムは同国北部ベネト州の深い渓谷に作られた
ダムで1960年に完成した。堤高262メートルは当時の世界最高のものだった。
このダムでも貯水開始後、地震が頻発するようになって地盤が弱くなった。
このため地滑りが多発した。1963年にダムの南岸の山が大規模な地滑りを起こ
した。大量の土砂がダム湖に流れ込み、ダム地点で最大100メートルを超す
「津波」を起こした。濁流はダムの沿岸と下流の村々を襲い、2125人が死亡す
るという大惨事となってしまった。ダムはその後放棄され、水がたまっていな
いダムだけが残されている。
○大地震が、ダムが出来てから20年近くもたってから起きた例もある。エジプ
トのアスワンハイダムで、貯水が始まったのは1964年。1978年に満水位に達し
たあと、1981年にM5.6の地震が起きた。エジプトの3000年以上の歴史で、この
あたりに地震が起きたことはない。史上初の地震を起こしてしまったのだ。水
を貯めはじめてから、いつ、どんな地震が起きるのかには、まだ謎が多い。し
かし、中国に2009年に出来た世界最大の多目的ダム、三峡ダムもいずれ地震を
起こすかも、と考えている地震学者は多い。
○世界各地で行っている開発や生産活動は、このほかにも、知らないあいだに
地震の引き金を引いてしまうことがある。次回にそれを書こう。<続く>
(2013年6月14日 夕刊フジ連載記事より)
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