「つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判)」など-地震と原発事故情報
- 2013年 8月 10日
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たんぽぽ舎です。【TMM:No1925】
2013年8月9日(金)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判)
パッチワークで安全性はさらに低下する
規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(上)
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.御前崎に夏だけ巨大地震”予兆”?
毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と
肝を冷やす年が続いていた。真夏の怪談
巨大地震の”予兆”かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた
コラムその13:「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」
島村英紀(地震学者)
★3.新聞・雑誌より3つ
◆福島第一、汚染水封じ込めピンチ 地中の壁で地下水急増
3週間で地表に到達の可能性 廃炉計画破綻招く恐れ
すでに20兆~40兆ベクレル流出
(8月3日朝日新聞デジタルより抜粋)
◆汚染水流出不確か試算
政府「300トン」単純に井戸くみ上げ量
東電「400トン」ただし高濃度は100トン
(8月9日東京新聞より抜粋)
◆原発事故 全員不起訴へ
検察 東電前会長・菅元首相ら 津波予見困難と判断
(8月9日朝日新聞より抜粋)
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┗■1.つぎはぎだらけの規制基準(規制委員会批判)
| パッチワークで安全性はさらに低下する
| 規制委員会が宣伝する新たな「安全神話」を斬る(上)
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
ビンテージのジーンズではあるまいに、色々な「対策」が付け足された「規制
基準」。しかし土台が腐っているのに、見せかけをいくら塗装しても、それは単
なる張り子である。そのうえ追加される対策のどれも、様々な可能性を考慮して
作られたものとは到底言えない代物で、場当たり的でずさんなものばかりである。
規制基準を作った側の更田豊志委員さえ「普通に考えれば5年はかかる」基準
を規制委員会発足と同時に10ヶ月で作れとされたため、突貫作業になったという。
(ロイター7/8付)
原発のように、重大事故が起きれば取り返しの付かない危険性を持つ施設は、
設計段階であらゆる可能性を考慮し、設置工事認可手続きで基本設計を審査し、
さらに現場の工事を指揮監督して、十分に基準を満たす工事が行われていること
を確認し、使用前検査において現場に立ち入り、保安官ら規制当局が計画して実
施する検査項目に、正しく合格した設備であるかを確認した上で合格証を交付し
たものを「基準に合致した設備」というのである。これらは原子炉等規制法など
で定められている。
今実施されているのは、二世代も三世代も前の技術で作られた設備を、見せか
けの検査で「合格」させてきた「実はポンコツ」の設備に、さらにいくつかの
「基準」を定めて机上の審査と通り一遍の現場検査を経て「合格」させようとす
るだけのものだ。そのうえ「規制基準」もまた、思いつきや、やっつけの代物
(実際には米国のコピー)で、それが本当に「安全性を向上させる」かどうか技
術者間でも議論のあるものを、さしたる検証(何しろモックアップ試験さえして
いない)もなしでいきなり実機に取り付けるなどと、他の産業ではあり得ないこ
とまでしての改造を強行しようとしている。
たとえて言うならば、空中分解事故を起こした機体を「リベット留めでは弱い
から」と全部電気溶接で作るようなもの。もちろん現代航空技術は、全溶接など
したら却って疲労割れが多発して墜落することを理解しているから、リベットで
応力を逃がす設計をしていることは常識だから、そんな飛行機を作ることはない。
原発はどうか。
規制基準を満たすために行われたのは、福島第一原発で「予想外」「想定外」
の事態が起きたため改造したもの、又は改造計画を作ったものが目立つが、実は、
改造しようにも不可能なものは放置されているなど、様々なレベルの問題が多発
している。目先の解析で強度を「上げる」改造を繰り返しても、これでは安全性
はもっと低下する。
改造された「想定外」
これで顕著なのは格納容器ベントだ。
もともと福島第一など沸騰水型原子炉には「格納容器ベント」という圧力抜き
配管が取り付けられていた。2002年のシビアアクシデント対策として付けられた
のだが、これがいい加減な設備で、既存の格納容器換気系から分岐して排気筒に
抜けるようになっていた。後付けのつぎはぎなので、いざというときに使えるか
どうかの試験もされず、実際に使えたかどうか分からない2号機など、ベントそ
のものが効果があったか分からない上、住民に重大な被曝をさせた原因の一つで
もある。
このベント、フィルターを付け、信頼を向上させ、非常時に確実に働くように
する再改造が指示され、柏崎刈羽原発7号機では工事さえ始めている。
しかし本来は密封すべき格納容器に穴を開けるに等しいベント装置。原子炉設
計の思想を逸脱している。さらに地震や津波、あるいは火山の噴火などの自然災
害にみまわれて、途中の配管に破損や漏えいがあれば、動作させた瞬間に敷地内
に大量の放射性ガスが噴出、拡散し電力社員や防災関係者、さらに避難している
住民までが巻き込まれて大量被爆を起こす危険性もある。
格納容器を守るのは放射能の外部放出を防ぐためだが、その装置が破壊される
と、たちまち放射能放出パスに変貌してしまうことを、何処まで認識しているの
だろうか。加圧水型軽水炉も実態は同じで、ベント装置などを付ければ却って格
納容器の健全性を阻害する。さらに加圧水型軽水炉の場合、内部に水素ガスが充
満すると爆発の危険性が高まるが、ベント装置を作動させれば通電時の弁の動作
が起爆装置になってしまう恐れも否定できない。そうなれば人が手で開けるほか
なく、命を捨てての作業になる。〔次回(中)につづく〕
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┗■2.御前崎に夏だけ巨大地震”予兆”?
| 毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と
| 肝を冷やす年が続いていた。真夏の怪談
| 巨大地震の”予兆”かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた
| コラムその13:「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」
└──── 島村英紀(地震学者)
静岡県御前崎(おまえざき)。浜岡原発のすぐ近くで遠州灘と駿河湾を区切っ
ているこの岬は、日本の地震予知でいちばん注目されている岬である。
フィリピン海プレートが沈み込むことによって、御前崎の載っている西日本の
プレートが引きずり込まれ、このため尖端にある御前崎が少しずつ沈んでいって
いる。その大きさは50年間で25センチほどだ。
状況は千葉県の房総半島の南端にある野島崎も同じで、大地震と大地震の間に
は沈み込みが進んでいき、大正関東地震(1923年)のような大地震が起きると、岬
は一挙に数メートルも飛び上がる、というのを繰り返してきている。
御前崎では、いまの沈み込みが止まってその後ゆっくり上昇をはじめると、恐
れられている南海トラフや駿河トラフの巨大地震が近い、というのが有力な学説
になっている。このため精密な「測地測量(そくちそくりょう)」が定期的に行
われて、御前崎の上がり下がりが測られてきていた。
この測量はもちろん専門家の手によるもので、細心の注意をはらって行われて
いた。その精度は何十キロもの測線全体でも誤差が数ミリという高いものだ。
しかし、測量の結果には不思議なことがあった。御前崎は全体としては少しず
つ沈んでいくのは確かなのだが、毎年、春には沈み方が少なく、秋には多いので
あった。つまり、毎年夏になると、御前崎の下降が止まったのではないか、と肝
を冷やす年が続いていた。真夏の怪談――。
御前崎は海に突き出しているから、潮の満ち干の影響を受ける。潮が満ちてい
るときには御前崎のまわりの海底に重いものが載っていることになるから、御前
崎はわずかながら沈む。逆に潮が引いているときにわずかに持ち上がるのである。
精密な測量のこと、そんなことはとうに分かっていたはずなのだが、実際の測
量は何日もかけて往復で行われていたので、そのあいだに何度も潮の干満がある。
それゆえ満ち干の影響は平均化されて消えるものだと思われていた。げんに、月
間で平均を取ってみると、潮位はどの月もそんなには違わない。
だが、巨大地震の”予兆”かと思われた夏の怪談のナゾがようやく解けた。意外
なところに落し穴があった。
測量は標尺を目で見ながら行う野外作業だから昼間しか行われない。
ところが昼間だけの潮位の平均は、じつは一日の平均潮位とは違ったのである。
それは、月の引力はもちろんだが、そのほかに、昼間は頭の上にある太陽の引
力も、潮の満ち干のひとつの原因だからである。引力の大きさは、月も太陽もほ
ぼ同じくらいだ。
地球の公転の軌道のせいで地球から太陽までの距離が季節によって違う。この
ため太陽の引力による昼間だけの潮位の平均を計算してみたら、夏と冬とで60セ
ンチも違っていたのだ。
測地測量は地球測定のプロの仕事だ。そのプロにもぬかりがあったのである。
『夕刊フジ』2013年8月2日(金曜)5面。
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┗■3.新聞・雑誌より3つ
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◆福島第一、汚染水封じ込めピンチ 地中の壁で地下水急増
3週間で地表に到達の可能性 廃炉計画破綻招く恐れ
すでに20兆~40兆ベクレル流出
東京電力福島第一原発の放射能汚染水が海に流出し続けている問題で、原子力
規制委員会は2日、初めての検討作業部会を開いた。しかし、抜本的な対策は示
されず、東電が進めている対策では海への流出が止められない。事故から2年半
たった今も八方ふさがりで、汚染の拡大を防げない危機的な状態が続いている。
このままの状態が続けば、廃炉計画は破綻(はたん)しかねない。
問題になっているのは、1~3号機の海側の敷地と港湾。地中に汚染水がしみ
出し、海に漏れていると見られる。
東電は岸壁近くの土を薬剤で固めて遮水壁を造り、汚染水が海へ流出するのを
防ぐ工事を進めている。遮水壁ができあがっていくにつれ、観測井戸の水位が地
表から1メートルほどまでに急上昇した。遮水壁で地下水がせき止められ、行き
場がなくなったためとみられる。
遮水壁は工法の制約で地下1・8メートルより深い部分しか造れない。すでに、
観測井戸の水位が遮水壁の上端を上回っており、完成しても海への流出が止めら
れないのではと懸念されている。このままのペースで上昇すれば3週間で、水が
地面にあふれ出す計算だ。
地下には配管や電線などを通す坑道が張り巡らされている。事故直後に超高濃
度の汚染水が2、3号機の坑道に流れ込み、計約1万1千トンの水がたまったま
まになっている。この汚染水が、地震などで壊れた坑道から地中に広がっている
とみられている。建屋から坑道はつながったままで、汚染水の流れを止めるのは
難しい。(中略)
◇〈福島第一原発の放射能汚染水問題〉 事故で溶けた燃料を冷やした水に地
下水が混ざり、1日約400トンずつ汚染水が増えている。浄化装置で放射性物
質を取り除いているが完全に取り切れないため、敷地内のタンクにため続けてい
る。汚染水は7月30日現在で約42万トンにのぼる。
一方、4月には地下貯水槽から地中に汚染水が漏れていたことが発覚。さらに、
海への汚染水漏れが今も続いており、東電は汚染水を管理できない状態が続いて
いる。 (8月3日朝日新聞デジタルより抜粋)
◆汚染水流出不確か試算
政府「300トン」単純に井戸くみ上げ量
東電「400トン」ただし高濃度は100トン
東京電力福島第一原発から放射性物質が海に漏れている問題で、汚染拡大の原
因となる地下水の海への流出量の試算値を、東電が1日当たり400トンとはじい
たのに対し、政府は300トン。食い違う数字が混乱を招いている。試算のやり方
を詳しくみていくと、どちらも不確かなことが多い。こんな数字を基に対策を立
てていいのか、疑問が多い(後略)。(8月9日東京新聞より抜粋)
◆原発事故 全員不起訴へ
検察 東電前会長・菅元首相ら 津波予見困難と判断
東京電力福島第一原発の事故をめぐり、検察当局が、業務上過失致死傷などの
疑いで告訴・告発された東電幹部や政府関係者ら全員を、不起訴処分にする方向
で調整していることが8日、わかった。今月中にも処分を出す見通しだ。(後略)
(8月9日朝日新聞より抜粋)
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