原発ゼロの今こそ、新エネルギー政策構築を急げ
- 2013年 9月 18日
- 時代をみる
- 池田龍夫
福井県大飯原発(福井県)4号機が9月15日から定期検査に入り、運転を停止した。国内で稼働する原発50基は、昨年7月以来ゼロとなった。
東京電力福島第1原発事故から2年半。深刻化する放射能汚染水問題一つとっても、事故の収束は見通せない。その中で、再稼働を進めようとする安倍政権の姿勢はおかしい。稼働原発ゼロの今こそ、改めてエネルギー政策の構築を急ぐべきだ。
一方、原子力規制委員会は、疑いのあった原発敷地内の活断層を否定、留保していた定期検査後の再稼働に向けた新規制基準での安全審査再開を決めた。規制委には厳正な調査を強く望みたい。
政府は年末をメドに策定するエネルギー基本計画に、原発維持の方向を明記する方針だ。明確な将来像も示さず、民意に反する、なし崩し的な再稼働推進は容認しがたい。
共同通信社の最近の世論調査でも、再稼働反対が過半数を占めている。一方で、原発への危機意識が薄れつつある。福島の事故後に示した「脱原発」の民意を思い起こし、政府や電力会社は、原発に頼らない社会づくりを目指してもらいたい。
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