自著(訳書)紹介:「カール・マルクス あるいは世界精神」ジャック・アタリ著 的場昭弘訳
- 2013年 10月 5日
- 評論・紹介・意見
- マルクス伝的場昭弘
マルクスは、なぜマルクスになったか。いくつもの伝記の中で、唯一マルクスの実像を描きえた伝記。
「20世紀にカール・マルクスほど読者をもった作家はいない。彼以上に希望を集めた革命家もいない。彼の著作ほどに注釈が書かれたイデオローグもいない。何人かの宗教の教祖をのぞけば、彼に比較できるほどの影響力をこの世界に与えた人物はいない。」
「この驚くべき精神に関して、これまで数万の研究、数十の伝記が書かれてきた。しかしそのたいていは、聖人伝となるか、そうでなければ批判的なものとなるかであった。適当な距離を置いたものなど、ほとんどなかった。その数百ページの注釈書の一行たりとも、怒りと当惑を引き起こさなかったものはない。マルクスを政治的冒険者、経済的成金、家庭内の独裁者、社会的パラサイトだとしているものさえあった。またマルクスの中に一人の預言者、一人の宇宙人、偉大な経済学者の一人、社会科学、新しい歴史、人類学(中には心理学さえ)の父を見出すものもいた。また彼の中に最後のキリスト教哲学者を見出すにいたった者もいた。今日、共産主義が地球の表面から永遠に消えてしまい、マルクスの思想がもはや権力と関係しなくなったように見えてはじめて、マルクスを冷静に、真剣に、したがって有効に語ることが可能になったのである。」(2014年4月藤原書店より刊行予定)
■著者= ジャック・アタリ(Jacques Attali)1943年生。著書『国家債務危機』『反グローバリズム』『所有の歴史』『21世紀の歴史』他多数。
■訳者= 的場昭弘(まとば・あきひろ)1952年生。神奈川大学教授。著書『超訳『資本論』』『一週間de資本論』『マルクスだったらこう考える』他多数。
■体裁= A5判上製 予600頁
《目次》
序文
第1章 ドイツ哲学(1818~1843)
第2章 ヨーロッパ革命(1843年10月~1849年8月)
第3章 イギリス経済学(1849年8月~1856年8月)
第4章 インターナショナルの主(1856年4月~1864年12月)
第5章 『資本論』の思想家(1865年1月~1871年10月)
第6章 最後の闘い(1871年12月~1883年3月)
第7章 世界精神
文献目録/訳者解説/索引 〈付録〉マルクス略年表/マルクス家の家系図
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.ne/
〔opinion4631:131005〕
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