たんぽぽ舎から No.2021
- 2013年 11月 16日
- 交流の広場
- たんぽぽ舎
たんぽぽ舎です。【TMM:No2021】
2013年11月16日(土)地震と原発事故情報-5つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.いよいよ始まるプールからの燃料移送(4)失敗すれば3.11の再現
シビアアクシデント対策としては「想定外」であることを東電は認めた。
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.「脱原発市民革命が起こっている!」
金曜官邸前行動の巨大な意義、 小泉・細川 両元首相を動かしたもの
鍋谷 郁太郎(大学教員)
★3.やっぱり反対!原子力防災訓練 (下)
現実に原発をなくしていくためには、「人」の観点に立つ必要がある
防災訓練は事故の蓋然性を前提、それは原発があることによるという根本矛盾
岩下雅裕(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
★4.新聞・雑誌より1つ
◆原発推進側だけで決める この決め方はおかしい 毎日社説
原子力政策 国民の意見を聞け (11月4日 毎日新聞より抜粋)
★5.テント日誌 11月10日(日) 経産省前テントひろば 792日目その2
福島の現実を垣間みる 福島を訪ねて
政府の鬼畜方針に抗して360頭の牛を長らえている吉沢さんの話
虚しい除せん作業。一戸当たり一億円以上かけて (K.M)
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※11/17(日)学習会にご参加下さい
「福島から東京に母子避難している人の困難な生活を知る」
日 時:11月17日(日) 15:00開会
お 話:増子理香さん(「つながろう!放射能から避難したママネット」代表)
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
主 催:スペースたんぽぽ
参加費:800円
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┗■1.いよいよ始まるプールからの燃料移送(4)
| 失敗すれば3.11の再現
| シビアアクシデント対策としては「想定外」であることを東電は認めた。
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)
報道では11月8日にも開始されるとされていた4号機使用済燃料プールからの燃料移送作業は、18日から開始されると発表された。
移送作業の現場は0.2ミリシーベルト/時に達する。東京電力と交渉した11月13日に、この問題についても議論を行った。しかし東電の意識は「これまで1500回も燃料の敷地内移送作業は繰り返してきたので、それと変わらない」というものであった。もちろん、全く誤りだ。
使用済燃料を運ぶケースは大きくは二つ、一つ目は燃料を再処理工場に出す場合。二つ目は福島第一原発のように構内にある貯蔵施設に送る場合である。
いずれも容器をプールに入れて蓋をし、クレーンで運ぶことは変わらない。しかし容器には違いがあり、共用プールに運ぶために使う容器は再処理工場への移送に使うものよりも簡易な作りである。NFT22Bか12Bと呼ばれる容器の蓋は一重であるが再処理工場に送る場合は二重蓋になっている。さらに落下に備えた緩衝装置が上下に付けられる。
相対的に強度も小さく衝撃にも弱い。そのことは東電の資料を見ていても読み取ることは出来るが指摘されることは無い。
実際に行われる容器の強度試験は、落下の場合9m、火災の場合800度30分で、いずれも取扱中の火災などが想定されている程度で、今回のような破壊された原発の上から落下したり燃料火災が起きるケースは想定外である。
使用済燃料取扱中の地震や津波襲来も今回を含めてシビアアクシデント対策としては「想定外」であることを東電は認めた。
燃料の移送そのものがあまり頻繁に行われるわけではないし、その際に「たまたま」地震や津波に襲われることを想定するのは現実的ではないとの判断であろう。しかし今回の燃料移送は4号機から始まって1号機まで、あるいは5、6号機と、全く「想定外」の大量移送を緊急かつ異常な状態で行うことになった。その「異常」というのは、福島第一原発の建屋が大破していることだけではなく、東北地方太平洋沖地震の発生で、その余震や誘発地震が今後も頻発する恐れが高いという地球物理学的な問題も含む。
しかし東電は、そのような「環境の大幅な変化」には対応しようとしなかった。規制庁もそれを良としてしまった。いくら緊急性が高いとはいえ、すべき検証も対策もしなければ第二の震災を招くことは論を待たない。
政権が原発輸出や再稼働に前のめりになり、さらに原発の危険性をも「特定秘密」として隠ぺいしようとする体質では、問題は深刻化するだけだ。
一刻も早く安全に責任を負う廃炉機構の設立と政府からの独立した運営の確立が急務だ。
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┗■2.「脱原発市民革命が起こっている!」
| 金曜官邸前行動の巨大な意義、
| 小泉・細川 両元首相を動かしたもの
└──── 鍋谷 郁太郎(大学教員)
「多くの日本国民が心に抱く再稼働反対・脱原発の意志を象徴しているものが、毎週金曜夜に行なわれている官邸前抗議行動である。日本記者クラブにおける小泉純一郎元首相による明白な原発ゼロ社会宣言、そして安倍首相への脱原発社会へ向けての強い提言の背景にあるのは、官邸前抗議行動が2年以上に亘って示し続けてきた脱原発に向かっての国民意志である。確かに、フィンランドの原発廃棄物最終処分施設を視察したことは、彼にとって1つの転換になったことは事実である。しかし、官邸前抗議行動が継続的に粘り強く目に見える形で脱原発民意総体を提示してことは、世論に敏感な小泉元首相を想定するなら、決して過小評価できないと考えられる。小泉元首相と連帯して、より明白に脱原発国民運動の展開を謳った細川護煕元首相においては、官邸前抗議行動の影響は明白に感じられる。さらに小熊英二が指摘するように、安倍政権が再稼働になかなか踏み出せないのも、官邸前抗議行動に象徴される脱原発への民意の発露があるからである。
このようなことを勘案すれば、ゆっくりではあるが確実な「脱原発市民革命」が日本に起きており、裾野は着実に広がっていると言えるだろう。その中心の1つにあるのが、官邸前抗議行動である。今は、まさにこの「脱原発市民革命」の正念場である。日本の原発が全て廃炉になり、さらに世界の原発が全て解体されるまで、この「市民革命」は「永続的に」やっていかねばならない。官邸前抗議行動に参加しよう。」
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┗■3.やっぱり反対!原子力防災訓練 (下)
| 現実に原発をなくしていくためには、「人」の観点に立つ必要がある
| 防災訓練は事故の蓋然性を前提、それは原発があることによるという根本矛盾
└──── 岩下雅裕(再稼働阻止全国ネットワーク事務局)
スペクタクルとプロパガンダによる「安全」「安心」感の買い取り、インチキな「保護」を通した「服従」の強制――。このような原子力防災訓練の性格は、原発の直近で暮らす住民や、長らく原発の建設と運転に反対してきた現地の団体にとって自明のことだろう。だとしたら原発現地において、改めて原子力防災訓練に反対することは無意味だろうか。
福島原発事故がもたらした甚大な厄災は、大衆的な反/脱原発の意識を産み出す一方、一種の運動の「抽象性」をもたらしたように思える。それは自然・科学・技術を超越する巨大システム、原発の性格に規定されている。だからといって、生命原理に反する原発といった批判や、その対極にある「新しいエネルギー」の提案で済ますわけにはいかない。
現実に原発をなくしていくためには、「人」の観点に立つ必要があるだろう。被害者がいれば、その対極に加害者がいる。人が止めることができた原発は、何度でも止めることができる。人が作ったものは、人が無くすことができる―。
そして原子力防災訓練については、一方に「保護」を通した「服従」を買い取ろうとする原子力マフィアがおり、他方に疑問を持ちながらもその動員に応じ、組織化されていく住民がいる。そこに「介入」することが重要だ。そして原発現地とは、最も現実的な意味で原発の存亡を争う「場所」なのである。
東京にいる私たちは、原発の安全性なるものを検証し、再稼働を認めていこうとする規制委員会に抗議行動を続けていく。そのなかで、原子力防災訓練のインチキさを具体的に暴露し、住民の安全が少しも保障されていないことを批判する。それによって、規制委が唱える原発再稼働のガイドラインの一方を崩したい。防災訓練は事故の蓋然性を前提にしており、それは原発があることによるという根本矛盾を突かねばならない。
鹿児島の訓練に参加して、護憲平和フォーラムの方々の100人規模の取り組みが目に付いた。監視の他、30人ほどの方が住民の聞き取り調査に携わっていた。 アンケートの内容を含め、いずれ報告集が出るという。一方、伊方原発の現地では、70人ほどで原発周辺の2万を超えるお宅にビラ入れし、話し込んだという。 再稼働の動きが切迫する状況下、そうであるからこそなお、このような取り組みが重要なのではないだろうか。
再稼働阻止のために必要なのは、原子力マフィアと現地住民の間に防災訓練など具体的な課題を通して「介入」すること、彼らの組織化の力に対抗する私たちの人と人とのつながりを再構築することである。
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┗■4.新聞・雑誌より1つ
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◆原発推進側だけで決める この決め方はおかしい 毎日社説
原子力政策 国民の意見を聞け
日本の原子力政策の基本方針は半世紀以上、国の原子力委員会が策定してきた。以前は「長期計画」、最近は「原子力政策大綱」として、ほぼ5年ごとに見直されてきた。
福島第一原発の過酷事故後、原子力委の在り方を見直している国の有識者会議は、この「大綱」を廃止することで大筋合意した。今後は、経済産業省が検討中の国のエネルギー基本計画の中に盛り込まれることになる。
原子力政策は国のエネルギー政策全体の中に位置づけるべきで、その点では合理的だろう。ただし、ここには大きな問題が残されている。このままだと原子力政策が経産省主導で決定されることだ。原発推進の組織に政策決定をゆだねてしまうとすれば、事故の教訓が生かされない。(中略)
ところが、安倍政権はエネ・環会議を廃止し、「原発ゼロ」を白紙に戻した上で、脱原発派の多くを排除した経産省の審議会で年内に基本計画をまとめようとしている。ここでは推進派の声が強く、事故を経て原子力政策のどこがどう変わるのかが見えてこない。(中略)
あたかも、原発事故などなかったかのような議論に驚く。
加えて問題なのは、国民の声がどう反映されているのかがわからないことだ。原発事故の反省のひとつは、排他的な原子力ムラの中で物事を決定したことだ。にもかかわらず、メンバーの選定基準さえ不透明な審議会方式による政策決定の方式が変わらなければ、また同じ過ちを繰り返すことになる。(中略)
国民は原発政策を安倍政権に白紙委任したわけではない。国民の意見を取り入れた透明性の高い決め方でエネルギー政策を見直すべきだ。
(11月4日 毎日新聞より抜粋)
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┗■5.テント日誌 11月10日(日) 経産省前テントひろば 792日目その2
| 福島の現実を垣間みる 福島を訪ねて
| 政府の鬼畜方針に抗して360頭の牛を長らえている吉沢さんの話
| 虚しい除せん作業。一戸当たり一億円以上かけて
└──── (K.M)
○東京オリンピックはできないのではないか? テントのメンバーを誘って福島を訪れた時の話だ。土曜日から日曜日にかけて福島に出掛けたが、お伺いした福島県自治体議員の話は確かに説得力があった。フクイチの状況は絶望的だ。メルトダウンした核燃料の状況は3.11以降何ら改善せず、敷地内には多数の放射能水汚染タンクがと所狭しと横たわっている。フクイチ敷地内の線量高く、大量の汚染水が太平洋に流れ出ているのだ。
○日曜の朝は、福島市郊外のお寺で朝食を頂きながら和尚さんの話を聞いた。3.11東電フクイチ事故時の放射能データは地震による配管破断を示しているのではないか、この地域も浜通りの方からの風の道がありヨウ素が高くなった(多くのデータが隠されていた)、国も県も自治体の首長が住民に避難するべきことを知らせなかった、自殺者や心筋梗塞や白血病が多発している、など。
○続いて、東電福島第一原発事故の傷跡を見て回った。家や建物があっても人の気配が全くない飯館村と南相馬市小高地区。海岸沿いに、東電の火力発電所と原子力発電所と沢山の鉄塔と高圧線があり、福島から東京に電気を供給している現実を再認識させられる。
○希望の牧場(浪江町)で政府の鬼畜方針に抗して360頭の牛を長らえている吉沢さんの話を聞き、見捨てられかけた牛たちを見た。純な美しい眼に憂いを感じた。愚かで横暴な人類を許せ、国と自治体の鬼畜鬼民政策を止めねば。
○至る所いやでも眼に入ったのが除染後の土壌等を山積みされた田畑。命の源を生産するはずの土地に放射能汚染されたがれきが積まれているのだ。川俣町山木屋の道路は沢山の「除染作業中」のぼり旗だらけ、「除染祭り?」と地元で笑っている。全国から作業員が集まって虚しい除せん作業。一戸当たり一億円以上かけてゼネコンが儲けているが、山林に囲まれた住居への帰還の可能性は全く見えない。原発は、巨大な防潮壁(バカの壁)とともに、ばかげた巨大ゼネコン事業を提供していたのだ。
○11日(月)、東京では、環境省が午前に「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理についての専門家会議」(第1回)を開始し、原子力規制委員会が午後に「帰還に向けた安全・安心対策に関する検討チーム」(第4回)を開催する。20mシーベルト/年を定着させるつもりか、しっかり監視せねば。一方、同日は一日かけてIAEAと関係省庁とで海洋モニタリングについての秘密会合も持たれる。
※テントからのお知らせ
■ 11月29日(金) 「脱原発テント裁判第4回口頭弁論」 14時から
日時:11月29日 午後2時から 午後1時東京地裁前抗議集会 午後2時開廷 地裁103号法廷
午後4時から裁判報告集会
■ 12月4日(水) 東電解体!東電本店合同抗議第三回目 18:30~
場所:東京電力本社前 呼びかけ:経産省前テントひろば/首都圏反原発連合/たんぽぽ舎/東電株主訴訟
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