(メール転送です)【2/21】 原発回帰でいいの?! エネルギー基本計画に各界から異論(衆議院第一議員会館 国際会議室)、& 小出裕章京都大学原子炉実験所助教
- 2014年 2月 19日
- 交流の広場
- 田中一郎
1.イベント情報(以下、転送・転載・拡散大歓迎)
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【2/21】 原発回帰でいいの?!エネルギー基本計画に各界から異論
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原発回帰の方向を示す新たなエネルギー基本計画が、来月にも閣議決定され
ようとしています。
年末に示された原案の方向性は、福島原発事故を受けた見直しであるにもか
かわらず、原発回帰を明記したものです。2012年の「国民的議論」を無視してい
ることに加え、新たに意見聴取するプロセスも非常に限られています。1月6日
まで募集されたパブコメには、1万9000件を超える意見が集まっていますが、
その取りまとめ・公表についてはいまだ「精査中であり未確定」とされています。
政府与党内を含む各方面からも異論が噴出する中で、このまま決定されてよい
のでしょうか。本イベントでは、このエネルギー基本計画策定プロセス・内容に
ついて各界からの見解を整理し、政府に対して改めて、民意の反映と方針転換
を求めます。
【日時】 2014年2月21日(金)14:00~16:00
13:30よりロビーにて通行証を配布します。
【場所】 衆議院第一議員会館 国際会議室
(東京メトロ「国会議事堂前」駅、「永田町」駅下車)
国会周辺図http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kokkaimap.htm
【参加者(調整中)】
・「エネルギー基本計画に民意の反映を」
オンライン署名提出 http://p.tl/9JI8
・自民党エネルギー政策議員連盟
・原発ゼロの会
・井戸川克隆(前双葉町長)
・植田泉(生活クラブ東京副理事長)
・パルシステム東京より
・吉岡斉(原子力市民委員会)
・大島堅一(立命館大学経済学部教授)
・明日香寿川(東北大学 東北アジア研究センター教授)
・脱原発をめざす首長会議より
・松原弘直(環境エネルギー政策研究所)
・吉田明子(国際環境NGO FoE Japan/eシフト)
ほか
【資料代】 500円
【主催】 eシフト(脱原発・新しいエネルギー政策を実現する会) http://e-shift.
org/
原子力市民委員会 http://www.ccnejapan.com/
【連絡先】 eシフト事務局 03-6907-7217 (FoE Japan内)
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2.2013-10-12 TPPで「聖域」撤廃か 自民党の「嘘」を鈴木宣弘教授が糾弾 「この
ままでは“限界列島”に」~岩上安身による東京大学・鈴木宣弘教授インタビュー
IWJ Independent Web Journal
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/106294
3.たんぽぽ舎MGより
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小出裕章さん特集号-東京電力福島第一原発事故について
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┗■1.汚染水処理/核燃料取り出し
| 人類が初めて遭遇する過酷事故
| 世界中の専門家を集めて検討すべき
└──── 小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教)インタビュー記事
汚染水処理に展望なし 冷却法の抜本的転換を検討すべきだ
──メルトダウンした核燃料について東電は、「格納容器内にとどまっている」と発
表しています。しかし、海外の専門家に中には、「既に地下地盤に達している」との
評価もあります。小出さんはどう判断していますか?
小出…1~3号機はとてつもない汚染で、人が原子炉建屋にすら入れず、ましてや格
納容器の内部を見に行くことができません。また、正確に知ることができる測定器の
配置もないまま事故に突入したので、燃料の所在は誰も知ることができないのが現状
です。
東電の発表は計算コードによる推測なのですが、計算コードとは、実験によって確か
めながら修正・運用していくものです。実験も実証もできない計算予測など、もとも
と意味がありません。
原子炉建屋下には地下水が流れていますが、表面を流れる地下水の下に水を通さな
い岩盤があり、さらにその下に2層目の地下水が流れています。最近、この2層目の
地下水が汚染されていることがわかってきました。
これは、熔けた炉心が、岩盤を貫いて2層目の地下水層まで達している可能性を示
唆しています。海外メディア・研究者はこれを根拠に、「炉心熔融が進行している」
と推測しているようですが、私には確信はありません。
私は、「熔けた炉心を冷やすために事故直後から注入し続けている冷却水が、地下
に流れ出ている」と指摘し続けてきました。汚染水は、原子炉建屋・タービン建家の
地下、トレンチ・ピット・立坑などに溜まっているのですが、これらの構造物は、コ
ンクリートでできています。あれだけの地震で壊れていないはずがないのです。コン
クリートの割れ目から汚染水が地下に流れ出ているのは、確実です。
現在、事故原発周辺は「放射能の沼」のような状態になっているので、2層目地下
水の汚染は、1層目の汚染水が岩盤の割れ目から下に浸透している可能性もありま
す。
──汚染水処理の目処が未だに立ちません。今後の見通しは?
小出…東電と政府の方針は、1.増える汚染水を貯めるタンクを現状40万トンから80
万トンまで増やす、2.その間にALPS(多核種除去設備/注参照)という浄化装
置で処理を進め、法定汚染濃度以下になったものを海に放出する、というものです。
しかし、まずALPSはまともに動かないと思います。仮に動いたとしても、スト
ロンチウムを法定限度以下まで処理することはとても難しいでしょう。さらにトリチ
ウムは、どんな装置を作っても不可能なので、結局、汚染水は薄めて海に棄てること
になると思います。
しかし本来、放射能を海に棄てることなどやってはいけないことですから、私は、
冷却方法を抜本的に転換すべきだと考えています。汚染水の増加を食い止めるには、
水での冷却は諦め、金属による冷却や液体窒素で全体を凍らせる方法、あるいは空冷
の可能性も含めて検討すべきです。
ただし、鉛を投入するという金属冷却法にしても、熔けた炉心がどこにあるかわか
らないのですから、うまくその場に到達させることができるかどうか、確信が持てま
せん。福島事故は、人類が初めて遭遇している過酷事故なので、対処法も試行錯誤し
ながらやってみるしかないのです。金属による冷却も、あくまで1つの提案でしかあ
りません。世界中の専門家が集まって検討するほかないと思います。
困難だらけの核燃料取り出し 完璧な作業前提とした「計画」
──4号機燃料プールにある使用済核燃料取り出し作業について。
小出…使用済み核燃料は、取り扱いがとても難しい物体です。プールの底にある使用
済み燃料集合体を空中に吊り上げるようなことがあれば、周囲の人がバタバタと死ん
でしまうほどの強烈な放射線を発しています。
「キャスク」という巨大な容器を水中に沈めて、使用済み燃料を入れてフタをして
初めて、プールの水面から上に出すことができます。
ところが、建屋爆発でクレーンも破壊されてしまったので、東電は、4号機建屋上
部を撤去し、新たな建屋を組み立てたうえで、燃料交換機やクレーンを設置しまし
た。いちおう作業機器は作られたのですが、建屋の中はやはり高い放射線量で、ゆっ
くり、慎重に作業できる環境ではありません。
また、プールの中には瓦礫がたくさん崩れ落ちています。大きな瓦礫は掴み出した
のですが、まだ中小の瓦礫が散乱しています。燃料棒は、ラックに1体1体突き刺し
て保管していますが、ラックの上にも瓦礫が残っているので、ラックと燃料棒の間に
瓦礫が噛み込んでいる場合もあります。
そうなると燃料棒を引き出すことができないし、無理に引き出そうとすると破損す
る可能性もあります。何とか吊り出しても、途中で落としてしまったりすると、燃料
棒が破損し、放射能がプールの中に溶け出すこともありえます。
燃料棒取り出し「年内完了」は実現不可能
──東電は、「年内に取り出しを完了する」と言っていますが…。
小出…プールの中には、1331体の使用済み燃料集合体があります。広島型原爆に換算
すると1万4000発分の放射能です。1集合体当たり原爆約10発分の放射能が含まれ
る、という計算になります。
1回あたり22体の燃料集合体(10トン)をキャスク(90トン)に入れてクレーンで
吊り上げ、いったん地上に降ろして、隣にある共用燃料プールに移す計画です。プー
ルのあるフロアは高さ33mなので、もし作業途中でワイヤが切れて落下しようものな
ら、大変なことになります。
東電は、「ワイヤーを二重に掛けているので大丈夫」と言っていますが、キャスク
落下時の性能試験は9mなので、万が一キャスクが破損すると、放射性物質が吹き出
し、作業は中断します。
キャスクを使った移送は、1回の作業で約1週間かかると見積もられています。つ
まり、1年で52回作業できるということです。1回の作業で22体の集合体を移送でき
るので、年間1100体移送できる、そしてキャスクは2つあるので、年内には終えられ
るはずだ、というのが東電の計画です。
しかしこれは、あくまでトラブルがなく完璧な作業を前提とした机上の計算です。
先ほど説明したような作業環境とプールの状態なので、トラブルなく1年間作業を完
璧にやり通すことなど本当にできるのでしょうか?
4号機の取り出しが終わったとしても、次には1~3号機が待っています。こちら
は4号機に比べるとはるかに放射線量の高い環境での作業となるので、その困難さは
言うまでもありません。
税金投入するなら東電倒産が大前提
──「東電に当事者能力はないので、政府が全面的に責任を負うべきだ」という主張
が強まっていますが…。
小出…日本政府は「原発安全神話」をねつ造し、原発にお墨付きを与えてきた人々で
すから、解決能力も責任能力も欠如しています。
一例を紹介します。政府は、電力会社を「監視する」ためとしてオフサイトセン
ターという出張所を作っています。事故の際は、対策本部にもなるはずでした。とこ
ろが、実際に福島事故が起こると、オフサイトセンターの職員は、住民を逃がす前に
真っ先に逃げてしまったのです。当事者としての責任感も能力も全く欠如していま
す。
東電は日本を代表する巨大企業ですが、その東電を何十回倒産させても贖いきれな
い被害が既に出ているわけで、そもそも東電に事故の対応を任すことなど、初めから
できないのです。
だから国が責任を負うのは当然ですが、まず東電を倒産させて、「国家が倒産する
かもしれないほど大変な事故なのだ」と宣言して、国がやるしかないと思います。安
倍首相は「国が責任をもって」などと言っていますが、政府の金は、他ならぬ私たち
が出している税金です。ましてや、被害者である人たちの金でもあるのです。その金
を使って東電と政府の尻ぬぐいをしようというのですから、安倍首相はまず、自らの
過ちについての深い謝罪から始めなければならない立場のはずです。
安倍さんが謝罪するとは到底思えませんが、原発事故は血税を使って処理するほか
ないと思います。
──今年の目標は?
小出…1年の計を立てる余裕はありませんでした。気づいたら事故から3年も経とう
としているのに、収束の目処すら見えません。故郷を追われた10万人を越える人々
が、難民化しようとしています。
日本の法律では放射線管理区域にしなければならない場所に数百万人が棄てられて
しまい、子どもたちも日々被曝しています。この事態をどうしたらいいのか?わから
ないまま3年経ってしまいました。これからも目の前の課題に追われながら生きてい
くしかない、と思っていますが、状況をできるだけ正確に分析して皆さんに伝えるこ
とが私の仕事だと思っています。
──若い人へのメッセージは?
小出…私が若い人に何かメッセージを贈れるような立場の人間とは思えません。原子
力を許してきた大人の世代として、若い人には謝るしかありません。特に原子力の現
場にいる人間としては、それ以外に言葉が浮かびません。
あまりにもバカな大人たちがたくさんいるので、未来は若い人に託すしかありませ
んし、あなたたちが私の希望です。
原発推進・売り込みの国際機関IAEAに
福島原発事故収束を委ねることはできない
──海外では、日本政府への不信と地球規模での環境破壊という観点から、国際的取
り組みで解決を図るべきだ、との主張が強まっています。この「国際的」といった場
合、「IAEA」がその中心に座ることになりそうですが…。
小出…日本で「原子力」と呼んでいる技術体系は、「核」技術と全く同一です。その
根っこを辿っていけば、米国は第2次世界戦争中に核爆弾の製造のために、ウラン濃
縮技術を作り上げました。さらに、ウランに代わる物質の研究を進め、プルトニウム
を作り出す装置として「原子炉」を造ったのです。また、そのプルトニウムを取り出
す「再処理」という技術も生み出しました。
つまり、核爆弾を作る中心技術とは、1.ウラン濃縮、2.プルトニウムを作り出
す原子炉、そして、3.プルトニウムを取り出す再処理、です。
こうして米国は大量の核兵器を製造したのですが、世界的核軍拡競争となり、地球
そのものの存亡に関わる事態となりました。そこで、たくさん作ってしまった濃縮工
場や原子炉・再処理工場を民生転用するという発想で作られたのが、「原子力の平和
利用」というスローガンなのです。つまり、戦争のための核技術を金儲けの道具にし
よう、という転換です。
1953年、アイゼンハワー大統領(当時)が、国連で「平和のための原子力」という
演説をし、原子力発電がスタートしました。その実態は、米国が原発を海外に売りつ
けるビジネスです。
しかし、原子炉は核兵器を作る中心技術ですから、海外にばらまいてしまうとたい
へんなことになるので、核兵器を独占したい米国は、「核不拡散条約」を作って、核
保有国(米・ソ・英・仏・中)は認めるけれども、他国の核兵器製造は絶対に許さな
い、というタガをはめようとしました。この役割を引き受けたのが、IAEA(国際
原子力機関)です。IAEAの2大目的は、1.金儲けのために原発を売りつけるこ
とと、2.核兵器を作らせないための監視役です。
そもそもそんな矛盾したことは不可能だと思いますが、IAEAは原発を推進し売
りつけるための組織ですから、事故調査・収束作業の過程で、原発推進に不都合な事
実は隠されてしまうことは、容易に推測できます。
福島県南相馬市と田村市に作られる研究所にしても、目的は「新たな安全神話」の
普及だと思います。それは、「低線量被曝はそれほど健康被害をもたらさないし、原
発が事故を起こしても住み続けることはできる」という神話です。
説明したように、IAEAは原子力を推進してきた中心機関です。いわば犯罪者の
頭目なので、事故収束を任すことはできません。ただし、IAEAには専門家もたく
さんいますから、知恵を借りることはありえますが、少なくとも原発に批判的な専門
家を含めてやるべきだと思います。
──批判的な専門家がまとまって提言を出すというような動きはありますか?
小出…「健康への影響」といったテーマで市民サイドが福島や東京で国際会議を開催
したりということはありますし、研究者が個人的に国境を越えて情報交換することは
あります。しかし、事故対策という技術面も含めて批判的専門家がまとまって提言す
るということは、いまだできていません。
※地震と原発事故情報編集部-「上記のインタビュー記事は、2014年2月5日の人民
新聞より全文掲載、人民新聞編集部の了承済みです」
「ちきゅう座」に掲載された記事を転載される場合は、「ちきゅう座」からの転載であること、および著者名を必ず明記して下さい。