テント日誌4月25日特別版…裁判傍聴記(弐) 山田和秋
- 2014年 4月 26日
- 交流の広場
- 経産省前テントひろば
経産省前テントひろば958日目 商業用原発停止222日
裁判傍聴記(弐) 山田和秋
原発阻止テント裁判いよいよ中身に
■ 本来なら今回から「テントの所有・占有」を争点にした中身の裁判に入る予定出会ったが、裁判所の都合で裁判官の交替が行われたために「更新手続」による公判となった。公判手続きの「更新」とは裁判官の交替に伴いなされる心証を取り直すための手続きである。今回の裁判長は従来通り村上正敏であるが、他の二人の裁判官が北島典子、伊藤健太郎に替わった。この二人はみたところ三十歳前後で非常に若い。というわけでこの二人にわかってもらうべく裁判のこれまでのいきさつを「被告」の側から陳述した。
■ 最初に弁護団の河合弁護士が原告団よりテントの土地明け渡しと、1100万円余の「損害金」請求がいかに不当なものであるか、いってみれば“スラップ裁判”そのものであることを陳述した。テント設置は国及び経産省の原発事故に対する国民の怒りから発して作られたものである。テントは原発事故が3年以上経ちいまだ何ら解決されていないため、国民や福島市民にとって重要な交流の場としてますます存在価値が高まっていること。テントはむしろ経産省から感謝されこそすれ裁判を起こすなど本末転倒であると述べた。
■ 次に被告人淵上太郎と正清太一がそれぞれ現在の安倍政権の進める原発政策に対する強い憤りが表明された。原発を重要なベースロード電源に据える「エネルギー基本計画」を閣議決定したこと。原子力規制委員会の審査を終えた原発から再稼動させることに決めたことに対する怒りである。国民の圧倒的多数の要求や福島の避難民の現状を無視した安倍政権に対する国民のシンボルがテントにあると訴えた。
■ 最後に一之瀬弁護人により第一、第二、第三のテントの設置経過とこの間テントを中心にした運動の詳細を報告。同時にいよいよ本論に入る。テントは正清、淵上二人だけのものでないこと、全国の大勢の支持者が加わり成り立っている。したがって「テントの所有・占有」に参加している他の人たちにもこの裁判に加わる権利のあることが述べられた。これまでの裁判では国、経産省側はほとんど陳述することをせず、いたずらに裁判の進行と結審を要求してきたが今後が注目される。
■ 感想を言えば、裁判官は原告側の主張を一方的に退けたり、拒否していないところなど、耳を傾けているようにもみえるので、長期戦の構えで取り組むことが可能ではないかと思う。長期戦になれば、私たち裁判をバックアップする側の力量も問われるし、ひいては反原発運動そのものの広がりや深まりが裁判に影響を与えることは十分ありえると考えられる。
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川内原発再稼動阻止首都圏総決起集会のための打ち合わせ会
●日 時:2014年4月28日(月) 19時~21時
●場 所:たんぽぽ舎「スペースたんぽぽ」(水道橋下車、ダイナミックビル 4階)打ち合わせ会の呼び掛け:経産省前テントひろば
(連絡先:090-3919-0604、070-6473-1947)
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5月7日(水)第8回東電本店合同抗議行動 18時30分~東電前
呼びかけ団体/経産省テント前ひろば たんぽぽ舎 76団体協賛
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